爆発的な人気製品であるだけに、その "不具合" 部分がセンセーショナルに取り上げられた "iPhone4" の電波受信問題であった。どうやら "米アップル" による冷静な経営判断によってひとつの決着が迎えられつつある。
<米アップル、「iPhone4」の電波問題で専用ケースを無償提供
[クパチーノ(米カリフォルニア州) 16日 ロイター] 米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)は16日、報告されている新型多機能携帯電話端末「iPhone4(アイフォーン4)」の電波受信障害への対応として、利用者に専用ケースを無償で提供すると発表した。
また、必要な場合には払い戻しに応じるとしている。
ジョブズ最高経営責任者(CEO)は本社で行われた記者会見で、同社および「iPhone4」は「完ぺきではない」と述べる一方、スマートフォン(多機能携帯電話)の電波感度をめぐる問題は、リサーチ・イン・モーション(RIM)(RIM.TO: 株価, 企業情報, レポート)や台湾の宏達国際電子(HTC)(2498.TW: 株価, 企業情報, レポート)など他社製品を含む携帯端末業界全体の問題と主張した。
ジョブズCEOは、利用者が専用ケースを使用しても満足できなかった場合、1カ月以内に全額を払い戻すとした。>(米アップル、「iPhone4」の電波問題で専用ケースを無償提供/ロイター/2010年 07月 17日 04:13 JST)
なお、ここに至る直前に、一度は<購入を「推奨しない」>と報じていた<米消費者誌>が、下記のとおり "バンパー" と呼ばれるケースがこの電波障害問題を解消すること、およびアップル側が無料で提供することを呼びかける、と表明していたようである。
このとおりだとするならば、"消費者団体専門誌" の影響力が改めてアピールされた観があると言えそうだ。
<「iPhone4」の電波問題、専用ケース使用で解消=米消費者誌
[サンフランシスコ 14日 ロイター] 米消費者団体専門誌コンシューマー・リポートは14日、先に電波感度に問題があると指摘した米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)の携帯電話端末「iPhone(アイフォーン)4」について、同社が販売する専用ケースを使用すれば問題が解消されることを確認したと明らかにした。
「バンパー」と呼ばれるこのケースは、アップルが29ドル(日本では2800円)で販売しているもので、同誌のポール・レイノルズ氏がブログの中で、「バンパーが電波感度の問題を解決する」と明かした。
ただ同氏は、こうした方法はユーザーに負担を負わせるもので、アップル側が無料で解決策を提供するよう求めるとしている。
コンシューマー・リポートは12日、「iPhone4」の電波問題をテストの結果確認したとして、購入を「推奨しない」と明らかにしていた。
一方、アップルはこの日、iPhoneに関して16日にカリフォルニア州クパチーノの本社で記者会見を開くと発表した。>(「iPhone4」の電波問題、専用ケース使用で解消=米消費者誌/ロイター/2010年 07月 15日 11:03 JST)
また、米アップル側の "内情" もさまざまに報じられきたが、下記のとおり必ずしも好ましい情報ばかりとは言えず、これらを踏まえてみると、冒頭の解決策がこの時点では最も妥当性を持つものであるように観測される。
<アイフォーン4の感度悪化 アップルは1年前に把握か 米紙報道
米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は15日、米電子機器大手アップルが、新型携帯電話「iPhone(アイフォーン)4」の電波の受信感度が悪化する問題を1年前に把握していた、と報じた。
関係者によると、同社の技術者は問題に気付いたが、スティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)がデザインを気に入ったため、そのまま開発を進めた。秘密主義のため、通信会社に対して通常よりもかなり少ない試作機しか提供せず、発売前に短時間しかテストできなかったという。
アップルは16日(日本時間17日未明)、説明会を開き対策を公表する予定。持ち方によって受信感度が極端に悪化することがあるとの苦情が、6月24日の発売直後から多く寄せられている。(共同)>(アイフォーン4の感度悪化 アップルは1年前に把握か 米紙報道/産経ニュース/2010.7.16 10:25)
<アップル、「iPhone 4」アンテナ問題でハードウェア修正を準備中か--米アナリスト
文:Brooke Crothers(Special to CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル
「iPhone 4」のアンテナ問題に関して、バンパー以外の解決策は用意されているのだろうか。あるアナリストによると、別の解決策が用意されているという。
Rodman & RenshawのアナリストであるAshok Kumar氏は米国時間7月15日午前に送信されたメモの中で、長期的な解決策は機械部分に関するものだと述べた。「われわれがサプライチェーンを調査したところ、Appleがトランシーバモジュールをより効果的に防護するために、iPhone 4の設計の修正に着手していることが分かった」(Kumar氏)
しかし、Appleが既存のiPhone 4ユーザーのためにこの修正を実装する方法や時期は不明だ。
iPhone 4が6月24日にリリースされて以来、一部のiPhoneユーザーは、同デバイスの左下部分を手で直接覆うようにして本体を握ると、受信電波が弱くなったり、通話が切れたりすると不満を訴えている。
Appleはアンテナ問題の存在を認めているが、それはソフトウェアの問題だと述べている。ユーザーに対し、本体の持ち方を変えることも勧めた。さらに同社は、アンテナ部分を手で直接覆ってしまうことを避けるために、29ドルのゴム製バンパーを購入して、本体に装着することも推奨した。
Appleは7月16日に記者会見を予定しており、このアンテナ問題について説明するとみられている。
15日にAppleにコメントを求めたが、すぐには回答を得られなかった。>(アップル、「iPhone 4」アンテナ問題でハードウェア修正を準備中か--米アナリスト/CNET Japan/2010年7月16日 16時10分)
何と言ってもメーカーは、やはり、ありがたいユーザーが十分に "納得できる方策" をこそ着地点としなければならないに違いなかろう...... (2010.07.18)
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