今回の参院選、メディア主導型選挙?/やはりキブンや空気が支配的だったのか? ......

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 今回の参院選、多くの人が "与党過半数割れ" を予想できていたのかもしれない。と言うのも、事前にそうした "空気" が(メディアによって)"見え見えのかたち" で醸成され尽くし、そして人々の "キブン" がそれに沿うようなかたちで形勢され終わっていたかに思えるからだ。
 言うまでもなく、頻繁な(!) "世論調査" を含めてメディアが果たした役割が小さくなかったかと思われる。考えるために必要な情報材料、判断材料となる争点をめぐる情報などが冷静に届けられたというよりも、掴み所のない周辺的な細切れ的事実や野党側の扇動的な言辞が飛び交い、一方的な "(批判的)空気" が醸し出されたかのような印象が拭えない。
 選挙とはそういうものだと高を括ってしまうのは、あまりにも投げやり的なのではないかという気がしてならない。

 かと言って、こんな歪んだメディア環境をたしなめてみたところでさほどの効果があるとは思えない。むしろ、メディア側にいいように "なめられた" 菅首相や民主党陣の "拙さ" および "丸腰さ" が悔やまれるということになろうか。
 政治家としては、どう "誤解、曲解されたとしても" さほどのダメージを受けることにはならないような、そうした "発言内容のリスク・コントロール" が不可欠だということなのである。
 人々の "キブン(キブンの時代?)" に影響を及ぼすことに長けたメディア、そして "キブン" だけで政治選択をすることを決してはばからない少なくない人々(浮動票)......。
 期待される政治家諸氏は、こうした環境が政治空間を覆っている事実を前提視した上で、したたかに行動してもらいたいものだと思う。

 期待される政治家諸氏は、こうした環境が政治空間を覆っている事実を前提視した上で、したたかに行動してもらいたいものだと思う。

 ちなみに、メディアがいかに大きな "バイアス(偏向)" を生み出すのかに関して触れた記事、やや時間が経過してしまったが、それを以下に引用しておきたい。

<『首相答弁「藪の中」 各紙マチマチ、まるで小説』/池上彰の新聞ななめ読み/朝日新聞 2010.06.25

 芥川龍之介の「藪の中」は、語る人によって事実関係が異なり、真相の究明が難しいというのがテーマです。
 まさか同じようなことが、首相に対する代表質問の場で発生するとは思いませんでした。小説のような事態が、翌日の新聞朝刊紙面に出現したのです。
 菅直人首相誕生後、6月14日の衆院本会議で、野党各党の党首が菅首相を追及しました。菅首相は、どう対応したのでしょうか。
 朝日新聞は、翌15日朝刊2面で、詳しいやりとりを紹介しています。記事の見出しは「首相答弁 スペース攻守自在に」。菅首相の答弁を評価したニュアンスが出ています。
 記事によれば、菅首相は、谷垣禎一・自民党総裁に対する答弁の出だしから「攻め」の姿勢を全開したそうです。
 「質問をいただいたのは2時間前」「精いっぱい答えるが、時間的制約を作ったのは質問者であることを申しあげておく」
 このやりとりを、朝日は、「攻め」の姿勢と評しました。
 一方、同日の東京新聞の記事は、同じ場面を、こう表現しました。
 「首相も野党時代、官僚に政府答弁を用意させないため、質問項目を事前に通告しない戦術をよく使っていた。今回、自民党が同じ手を使っただけにすぎないが、首相のろうばいぶりからは、いかに質問がこの日のデビュー戦に神経質になっていたかがうかがえた」 朝日が「攻め」と見たものを、東京は「ろうばい」と受け止めたのです。
 これを読売新聞は、どう表現したのか。
 「不快感をあらわにした」と書いています。こちらの表現の方が、中立的ですね。
 さらに読売の記事は、次のように文章が続きます。
 「その後は感情をほとんど封印し、メガネをかけてうつむき加減に原稿を読む場面が目立った」
 読売のこの部分を、東京新聞は、こう書きました。
 「老眼鏡をかけて、政府が用意した答弁書を読む場面が目立った」
 メガネと書くか、老眼鏡と書くのか。表現ひとつで受ける印象が大きく異なります。
 さらに「原稿を読む」か、「政府が用意した答弁書」と書くか。
 東京新聞の「政府が用意した答弁書」というのは、不思議な表現です。菅首相が政府の一員だからです。これでは「菅首相が用意した答弁書」と言っていることと同義です。本当は、「官僚が用意した答弁書」と書きたかったのでしょうが、その裏づけがとれなかったので、こんな表現にしたとしか思えません。そこかしこに悪意が滲(にじ)みます。
 では、そのとのやりとりは、どうだったのでしょうか。消費税に関する谷垣総裁の追及に対して、菅首相は、「あまりややこしい条件を抜きにして、いっしょに議論をしようじゃありませんか」と発言しています。この部分を、朝日は「協力を呼びかけた」と書いています。
 読売も「呼びかけた」と書いているのですが、東京は、「子供じみた発言」と表現しています。
 朝日の記事は、前半で菅首相の答弁を評価する一方、後半は、政治とカネや普天間基地問題で「腰が引け気味になった」と書いて、バランスを考えた記事に仕立てています。このバランス感覚は読売も同じです。
 ところが、東京だけは、このような描写が盛りだくさんでした。同じ発言を見ていても、記者によって表現はマチマチ。真相は「藪の中」になりかねません。読者には、新聞記事のニュアンスまで読み取る力が求められます。難儀なことです。
 ◆東京本社発行の最終版をもとにしています。>

 事ほど左様に、メディアは人々の "キブン" に対して、明に暗に影響を及ぼす立場にあるわけで、そうした事情を批判的に意識しない(できない)人々も決して少なくないのが実情なのであろう...... (2010.07.13)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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