消費者の購買力低迷が懸念されているこんな時期であっても、消費者は "魅力ある製品" ならば見逃さない、という "メッセージ" として了解すべきなのであろうか!?
世界中を沸かせ続けた「iPad(アイパッド)」、「iPhone(アイフォーン)」の米アップルが、10年4~6月期決算で高い数字を叩き出したそうである。
そうした数字から何を読み取るかは人さまざまではあろう。だが、何百万人もの消費者・ユーザーの心と財布とをいかんなく揺さ振った事実は否定できないし、そうさせた魅力や吸引力が並外れた水準であったことも動かしがたい。
PCライフを長く経験してきた自分とて、最近のアップルの新製品筋には久々に "熱く" なったものであった。 "革命的" という過剰な形容さえしてしまったわけだが、あながちそれが場違いでもなさそうな感触さえ感じている。おそらく、多くの現代人たちに、斬新さ、時代環境に鋭くマッチしたそんなものを感じさせたに違いない......。
<米アップル:過去最高の売上高 iPad効果で61%増
【ワシントン斉藤信宏】米アップルが20日発表した10年4~6月期決算は、4月に売り出した新型携帯端末「iPad(アイパッド)」の爆発的な人気に支えられて、売上高が前年同期比61.3%増の157億ドル(約1兆3700億円)と、昨年10~12月期を上回り過去最高を更新した。純利益も同78.0%増の32億5300万ドルと好調で、大幅な増収増益決算となった。
発売から約3カ月間で販売台数が計327万台に達したアイパッド効果が大きかったほか、多機能型携帯電話「iPhone(アイフォーン)」も、新製品の「アイフォーン4」が発売から3日間で170万台を売り上げるなど絶好調で、3カ月間の販売台数は前年同期比約6割増の計840万台に達した。
一方、パソコン「マッキントッシュ(マック)」も同3割超増の計347万台と四半期ベースでの販売台数記録を更新。アイパッドやアイフォーンにインターネット経由で取り込むソフト関連の収益も好業績に貢献した。
アップルは10年7~9月期決算についても、売上高約180億ドルと市場予想を上回る見通しを公表。ジョブズ最高経営責任者(CEO)は決算について「あらゆる点で我々の予想を上回るすばらしい決算だ。アイパッドがすさまじい出足を見せたこと、さらにはマックの販売が過去最高だったことにも驚いた」とのコメントを発表した。>(米アップル:過去最高の売上高 iPad効果で61%増/毎日jp/2010年7月21日 10時0分)
ちなみに、こうした米アップルの予想を上回る好決算をアナリストたちも手放しで賞賛しているようである。
<米アップルが予想を上回る好決算:識者こうみる
[サンフランシスコ 20日 ロイター] 米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)が20日発表した第3・四半期(4―6月)決算は、好調な「Mac」コンピューターの販売が寄与し、市場予想を上回った。
好決算を受けて投資家の懸念が後退しており、アップルはこれで、新型多機能携帯電話端末「iPhone4」の電波問題への対応をめぐる批判の声を静めることができるかもしれない。
アップルの決算に関する専門家のコメントは以下の通り。
≪グリーチャーのアナリスト、ブライアン・マーシャル氏≫
アップルの決算は「iPhone」と「Mac」が押し上げ、強い内容となった。「iPad」が「Mac」と「iPhone」の売り上げを減らしているとの弱気な見方を打ち消す結果となった。
アップルのビジネスモデルが健在であることを示している。......
「iPhone4」のアンテナ問題はすぐに姿を消すだろう。長期にわたる影響はないとみている。
≪エドワード・ジョーンズのアナリスト、ビル・クレハー氏≫
「iPad」への初期の需要は驚異的となっている。年末商戦期には人気の非常に高い贈り物になるとみている。
「iPhone4」のアンテナ問題をめぐる報道が減るにつれて投資家は長期的な収益力にもっと注目し始めるだろう。
「iPhone」の販売台数が840万台だったのは印象的だ。
アップルの力強い決算は基本的に、同社の収益力が一貫して過小評価されているとのわれわれの見方を裏付けた。
≪クロス・リサーチのアナリスト、シャノン・クロス氏≫
実にしっかりとした四半期だった。「iPhone」と「Mac」が4―6月期の収益を押し上げた。粗利益率は39%と良好な水準で、アップルの自社予想を300ベーシスポイント(bp)上回った。
同社は、さらに素晴らしい新製品を用意しているとしており、強い革新力を持っていることは明確だ。投資家の信頼につながるだろう。
今回の決算には欠点がないようだ。ユーロをめぐる懸念を踏まえても決算は予想を上回った。
同社の決算は、経済が鈍化するなかでも消費者が節約して質の高い製品を買うことに前向きであることを示した。>(米アップルが予想を上回る好決算:識者こうみる/ロイター/2010年 07月 21日 11:57 JST)
また、PC "Mac" の売り上げをも押し上げたという事実に目をやれば、 "iPhone" や "iPad" をユーザーが活用するに当たって、インターネット経由でソフトを取り込んだり、 "アプリ・ソフト" を作ったりするツールとしてのPC "Mac" の、その存在価値が否応なく高まったとも了解される。自社製品間のリンケージを強化するというビジネス的要点を、決して外さないビジネス・モデルの巧妙さに恐れ入る...... (2010.07.22)
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