スキャナー活用による "紙書籍" の "PDF 電子書籍" 化を進めていると、 "とある願望" が刺激されることになる。
自分の場合、 "紙書籍" をスキャニングする際、"表紙カバー" も作業範囲に入れている。 "紙書籍" の "魅力" のひとつは、見応えのある印象的な "表紙カバー" の美しさにあるはずだからだ。
したがって、 "PDF 電子書籍" にもその "表紙カバー" を必ず再現するようにしている。ただ問題は、古い "蔵書" を対象とする場合、残念にも "表紙カバー" が傷んでいる場合が多々あることだ。 "使用感" のある汚れならまだしも、たとえば、 "黄ばみ" や "落書き、損傷" などがかなりひどい場合もあるわけだ。
そんな場合、スキャニング後のチェック画像を眺めながら、何とかならないかなぁ......、という "願望" が沸々とわいてきたりする。
それというのも、 "iPhone、iPad、および iPod touch" などの端末における "iBooks" の "本棚/PDF" に転送した場合、その本棚では、"表紙" が "サムネール" 化されて表示されるからだ。そうであれば、やはり、見応えのある印象的な "表紙カバー" の美しさがその "サムネール" に再現されていた方が良いに決まっている。
"写真" が趣味でもある自分は、もともと "フォトレタッチ(ソフトを使って行う写真修整)" に馴染んできた。気になる写真や画像を見ると、あれこれと思案を巡らせてしまうのである。だから、手元にはやや高価ではあったが "Adobe Photoshop" というソフトを備え、継続して愛用してきた。
そんな経緯で、今回の "表紙カバー" の "フォトレタッチ" に関してもこの "Adobe Photoshop" を使って何とか手っ取り早く対処できないかと目論んだものである。
とりあえず、再確認してみたのは、 "Adobe Acrobat" 自体に、テキストの "タッチアップ(修正)" 以外に画像の "タッチアップ" 機能がないかどうかという点であった。
どうも、それは無いようであり、そうなると、 "Adobe Acrobat" にて連番ページとして表示されたものから、 "表紙" に当たるページならば第1ページ目、それを何らかのかたちで "取り出し" て、そのファイルを別の画像ソフトで開き、"フォトレタッチ" 作業をした上で元の連番ページの第1ページ目に戻してやる......、という作業手順が想定された。
だが、この想定は思い通りにはゆかなかった。が、そうこう試行錯誤をしているうちに、実に "手っ取り早い対処法" に辿り着くことができたのである。その "手順" を紹介すれば、以下のようになる。
① "Adobe Acrobat" で、当該の "PDF 電子書籍" ( "□△○.pdf" のファイル)を開き、第1ページ目を表示する。
② メニューバーから「文書」⇒「ページの抽出」へと進む。「ページの抽出」ウィザードで、当該のページを指定する。
③ すると、そのページの画像が新しいウィンドウで開くので、これをメニューバーから「ファイル」⇒「名前をつけて保存」へと進み、わかりやすいフォルダーに "代替ページ.pdf" とでも名づけて保存する。なお、このファイルのウィンドウだけはとりあえず閉じて、"Adobe Acrobat" はそのままにしておく。
④ 次に、"Adobe Photoshop" (手元に在ることとして話を進めます)を開き、メニューバーから「ファイル」⇒「開く」へと進み、「ファイルの種類」を「すべてのファイル」とすれば、所定のフォルダーに先ほどの "代替ページ.pdf" が目に留まる。これを指定すると、何と "Adobe Acrobat" 上のイメージとまったく同じ "代替ページ.pdf" の画像が表示されるのである。この「ファイル形式」は「Acrobat TouchUp Image(*.PDF;*.PDP)」と明示されている。この辺の "Adobe" ソフト同士の "連携プレー" には感心!
⑤ この "Adobe Photoshop" 上の画像が、好きなように "フォトレタッチ" 作業ができるのは当たり前のことであるが、それが完了したら、メニューバーから「ファイル」へと進む。「保存」が "アクティブ" な状態となっているのでこれをクリックして、いわば "上書き保存" をしてしまう。これで、"フォトレタッチ" された "□△○.pdf" のファイルが出来上がったわけだ。
⑥ ここで、当該の "PDF 電子書籍" を開いて待機させていた "Adobe Acrobat" に戻る。第1ページ目が表示された状態のはずである。そして、メニューバーから「文書」⇒「ページの置換」へと進む。そこで、先ほどの "フォトレタッチ" された "□△○.pdf" のファイルを指定する。すると、若干の時間経過の後に、第1ページ目が "リニューアル" されたことに気づくことになる......。
この "手順" に慣れるならば、ちょっと気になる "表紙" の状態を容易に "フォトレタッチ" して差し替えることができる。
さらに、 "解像度" と "表示サイズ" に絡む厄介な問題(!)をすり抜けて、第1ページ目に限らず思いのままのページに変更を加える(レタッチする)ことが可能となる。
この "手っ取り早い対処法" は、 "PDF 電子書籍" 作りのプロセスで生じるはずの "編集作業" にとって一目置いてよい方法ではなかろうか...... (2010.08.25)
コメントする