"介護・医療" 関連製品の価格はもっと "お手頃" にならないものだろうか?
先ずひとつ目は "医薬品" の価格についてである。
昨日、持病の定期診断に行き、いつものとおり病院近くの薬品店で3ヶ月分の薬を購入してきた。その時、とある貼り紙が目に付いた。そこには、
「低価格の "ジェネリック" 医薬品がご提供できる場合がありますので、薬剤師にご相談下さい。」
というようなことが書かれてあった。
さっそく、自分が購入するクスリにそうしたものが出ていればそれで間に合わそうと思い、訊ねてみた。だが、「まだこのクスリについては発売されていませんね」というつれない返答が返ってきた。何だ "お触れ" だけのことかとがっかり......。
"ジェネリック" 医薬品とは、特許によって保護された初発の医薬品の特許期間が過ぎることで、後発の製薬会社が同種類の医薬品を製造・出荷することが可能となり、研究開発費分が上乗せされない分、販売価格が安くなるそんな医薬品のことである。
製薬会社にとっては、特許料が無くなることや、競合が無いことによる "独占的" 価格設定のメリットがなくなることで旨味がなくなるのだろうが、医薬品のユーザー側にとっては有難いことだと言うべきであろう。
自分の場合、今のところそんなに特殊な医薬品ではない分、価格も大したことはなくて済んでいる。ただ、"継続服用" とされているだけに侮れないわけだ。これが、特殊な医薬品で高価なものであれば、切実に違いないと思われてならない。
高齢化の到来で、何かとより多くの医薬品に頼らざるを得ない時代環境なのである。サービスの質もさることながら、医薬品の価格のあり方にも関心が向かわざるを得ないのではなかろうか。
もう一つは、"介護用品" の価格についてである。 "結構、いい値段ではないか" という印象を受けたのだった。本格的に調べたわけではないので、あくまでも印象に過ぎない話ではある。が、何となく "特殊な価格設定" が潜んでいそうな感触を持った。
と言うのも、高齢のおふくろが "入浴" に関して悩んでいたため、とある製品を物色に向かったことでわかったのだった。
古いタイプの浴室のため、完璧な "アンチ・バリアフリー" であり、とりわけ "浴槽" の深さが支障を来たすのだった。以前、浴槽の外に "踏み台" となるようなものを設置したのだったが、"浴槽" の中にもそうした "踏み台" が必要であることが判明したのである。
そこで、そうしたものがきっと "介護用品" として販売されていそうだと見当をつけて "探索" に出向いたのである。狙いどおり、そうした製品は見つかった。
が、ちょっとした "踏み台兼椅子" のようなものに過ぎないにもかかわらず、"結構、いい値段ではないか" (ちなみに、 "七千円" を超えていた......)という価格水準だったのである。確かに、浴槽内に沈めて使うことに耐える構造となれば、材質に特殊な加工が必要となりその分が価格に反映しても止むを得ない点は了解できる。が、それにしても "ぼり過ぎ" だとは言わないまでも、 "価格設定の特殊性" の臭いが否定できないと思われた。
そんな印象を強めたのは、その "踏み台兼椅子" の隣に置いてあった別の "介護用品" 、それは浴槽の淵に設置できる "取っ手" なのだが、その価格が何と "一万三千円" もしたのである。別に、"唸らせる" ような特殊な構造の製品ではなく、浴槽の淵を両側から挟み、ネジで締め付けるという単純な構造でしかない。
確かに、壁に加工して手摺を付けるというようなことをせずに、高齢者などが安全に入浴できるためのアイディア製品ではあると思えた。しかし、それにしても高過ぎる。
かつては、"介護用品" のユーザー数も限られていたかもしれない。それだけに特殊限定需要という点から製品価格が高くてもしかたがないとも言えたかもしれない。
しかし、現在はまるで事情が違う。にもかかわらず、一般日用品の価格水準との間に小さからぬ開きがあるとすれば、たとえどんな根拠を挙げられてもやはりおかしいと言うほかないのではなかろうか。しかも、この "介護用品" というものの用途の切実さに目を向ける時、ちょっとヘンだという印象が拭い切れないのである。
これはあくまでも "下衆の勘繰り" でしかないが、"介護用品" には "認定" 云々という規制があって、結果的に "価格自由競争" から外されているのであろうか......。もしそうだとすれば、安全性のみならず "価格の手頃化" に向けてもっと改善策が講じられて然るべきではなかろうか。
結局、自分は浴槽内でも使える "踏み台兼椅子" だけを購入することにした。そして、より安全に入浴できるように、浴室の洗い場の床の高さを10センチ以上底上げする工夫をすることにした。洗い場の床に "ブロック建材" を敷き詰めたのである。おふくろは以前からプラスチックの "スノコ" を敷いていたのでそれでも問題はなかったのである。
それにしても、高齢化社会となり、 "医療" や "介護" という事柄が多くの人にとって急速に一般化しつつ、かつ切実な時代となった。関連サービスの質や価格も重要な問題であるが、一般流通する関連製品の価格の "お手頃" 化にも関心が向かっていいはずであろう。社会にとって、"自力救済" 型で頑張る高齢者の存在意義は決して小さくはないからである...... (2010.08.30)
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