やはり、目を疲れさせずに読書をするには "Kindle[キンドル]" かもしれないとは思っている。 "Kindle" に関しては、もうすぐ "amazon.co.jp" でも購入できそうだという噂もあるので、そうなってからでも遅くはなかろうと、今は、"iPod touch" をとことん "使い倒そう" としている。
昨夜は、就寝前、寝床に持ち込んだ "iPod touch" で、<ポケット文庫 SkyBook>という "App(アプリケーションソフト)" にハマっていた。もちろん、"青空文庫" に犇(ひしめ)く "古典作品" のコンテンツだ。
利(き)いた風なことばかりが並べ立てて、詰まるところ "カネ儲け" 視点以外ではない昨今の新刊本! そんな後味の悪さに対しては、薄味ながら深みとコクのある"古典作品" で口直しするに限るといったところである。
ところで、読み進めているうちに、昨今益々 "眼" にいささか自信が無くなって来た自分は、ヨシ、もうちょっと読み易く "設定し直そう!" というつもりになっていた。
ただでさえ "iPod touch" は、タバコの "ショート・ホープ" 程度の小ディスプレイである。それで書籍の文面を読もうとするからには、"ベスト環境" こそが望まれた。
先ずは、 "フォント" の再設定をすることにした。これまでは "IPA明朝" となっていた。元々、"明朝体" の持つ "正統さ" を漂わせる雰囲気は嫌いではなかった。が、文字サイズが小さい場合だとその "細さ" と "装飾性" が眼を疲れさせることに気づいたからであった。
それに、 "古典作品" を売りとする青空文庫の作品には、"フォント" まで "古風な明朝体" がふさわしい、と勝手に思い込んでいた先入観(?)をも取り払う気になっていたのかもしれない。
そこで、"ゴシック体" を選んでみることになり、備わっている "ヒラギノ角ゴシックW3" を設定することにした。ただ、"同W6" だといかにも "太過ぎる" と思われた。
次に "文字サイズ" を設定し、ついでに "行間" や "文字間"のサイズ設定、さらについでのついでとして "上下余白"、"左右余白" も "わがままに" オーダーすることにした。この辺の設定をいろいろといじっていると、どうも "視覚生理" とでも言う面からの、相応の構成とでもいうものがあるような気がしてきたから不思議であった。
また、 "背景" については、読書の雰囲気作りに用意されていた "和紙" などのデザインも悪くはなかったが、ここは雰囲気よりも何よりも "眼に優しい" ことを最優先させるべし! とばかりに "無地の白地" とすることにした。
こうして自分好みに "設定" し直して元の文面に戻ってみると、何と、にわかに "読み易く!" なったからすっかり気を好くしてしまった。まるで "蟻" の頭ほどに小さい "ルビ(振り仮名)" までが無難に判読可能になったのである。
こうして "環境改善" を推し進めたことで、読書欲は益々旺盛となり、あれもこれもと "ダウンロード" 衝動に駆られてしまったのだった。と言うのも、<ポケット文庫 SkyBook>の "作品追加" という "ダウンロード" はとてつもなくスピーディであり、小さな作品だと瞬時に飛び降りてくるのだ。
もとより、 "105円" だったかの初期契約費以外はいくら "ダウンロード" してもすべてフリーなので、まさにこの世知辛いご時世から、まるで "別世界" にでもと滑り込んだかのような気分にもさせてくれた。
よくよく考えてみれば、"心の糧" につながる文化というものに、「ハイ、~円となります」、「そちらはいささか高くなります」という扱い方というものは "不釣合い" 極まりないのではなかろうか。
猛暑でさんざんいたぶられ続けた後の、そんな秋の夜長には、"おカネ" のことを瞬時忘れさせてくれる "青空文庫" の "古典" で心を安らげるに限る...... (2010.10.06)
コメントする