どうということもないと言えばどうということもない話だ。今さら言うのもおかしいが "PDF ファイル" は、やはり "Portable Document Format (ポータブル・ドキュメント・フォーマット)" なんだなぁ......ということ。"PDF" の良さは、何も "ポータブル性" だけではなかろう。多機能性であるとか、セキュリティ性、また使い易さなど、多くの好ましい特徴を持っている。
正直言って、実感的には "ePub ファイル" よりもこの "PDF ファイル" の方に軍配をあげたいくらいである。もし、難点があるとすれば、一歩踏み込んだ時に理解に苦しむほどに "仕様" の複雑さがあるという点になるのだろうか......。 "透明テキスト" やら、"フォントの埋め込み" といった技術要素は、いつまでたってもわかったようでわからない不透明さが付きまとう......。その点、 "ePub ファイル" の方は、 "圧縮ファイル方式" という鎧(よろい)を脱がせれば、わかり易い。全体が "Web ページ" の延長線上にあり、理解が助けられるからだろう。
それにしても、"PDF ファイル" の "ポータブル性"、それを成り立たせている<微細sizeの文字を正確に再現する"PDF"、"outline font"、"PostScript"の三位一体(当日誌 2010.10.02)>の技には、いつでも子供のように感心(?)させられる。
以前にも、以下のように書いている。
< 自分は、 "Mindjet MindManager Lite 7" という "知的作業支援" 型のアプリソフトを活用する時がある。
《マップを利用してアイデア、目標、行動、コミュニケーションを明確に連携させて整理し、日常業務の生産性と効率を向上します。》(「Mindjet Mindjet MindManager Lite 7」)と謳われるソフトであり、使い慣れると結構 "考えの整理" に役立つものである。
とにかく、考えやアイディアを "ブレーン・ストーミング" ふうに次々と画面に打ち込んで行く。それらを後で、ラインを引いたり、移動させたりしながら相互関連付けをして行くのである。
次々と打ち込む考えやアイディアのブロックはどんどん増えて、まるで細胞分裂のように広がって行くことになる。 ......
"紙の印刷物" にしてしまうと、 "文字サイズ" がとんでもなく "微細" なものになりかねないのである。
"マップ" (相互関連図)方式の良さは、とにかく全体の構図や関連が一目瞭然となることに違いないが、それにしても個々の項目部分の文字が判読し難くなるのが厄介なのである。
こんなときにこそ、一目瞭然の全体も表示できれば、個々の部分の "拡大表示" も思いのままで、しかもどんなに拡大しても "文字や画像の輪郭が崩れない" という点は有難いに違いない。これぞまさしく "PDF ファイル" のメリットだと思われる。
そして、今や、この "PDF ファイル" は、PCだけではなく "携帯端末" でも十分に閲覧可能だから、適用範囲は広がったはずである。>(同上より)
偉そうなことを言えば、"思考や感性" というものは、"全体と部分"、"抽象と具象"、さらにカッコを付ければ "演繹と帰納" という方法を何度も行き来しながらまとめてゆく、あるいはまとまってゆくものだろうと思う。
"鳥瞰(ちょうかん)" 図のようなアバウトさだけに偏っていてもマズイし、さりとて "微細" なことばかりにこだわって重箱の隅を突付き回していてもナサケナイ。まさに "両睨み" をしながら馴染ませてゆくものなのであろう。
となると、"鳥瞰"と"微細"の両視点を、まるで遠近両用メガネ(?)を掛けているかのように確保してくれるツールなり、環境なりがありがたいということになるわけだ。
考え過ぎかもしれないが、"PDF ファイル" が "思考支援的" だと思えるのは、この "両睨み" を可能にしてくれる点、つまり、ドキュメントの "拡大・縮小" が自在であり、一向に "解像度" の崩れをもたらさないという点なのだと思っている。
上記のような、小難しい "マップ" である "Mindjet MindManager Lite 7" のような場合に限らず、正真正銘の "マップ(地図)" でも、"鳥瞰" と "微細" の両視点の確保はあれば助かるはずであろう。
ちなみに、自分は、<首都圏鉄道路線図>とか、<tokyo map>とかの "PDF ファイル" を "iPod touch" に読み込んで、 "ピンチアウト"、"ピンチイン" で、土地勘の鈍さを補ったりしているのが情けない...... (2010.10.30)
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