フリーウェアの "ePub 変換" ソフトは、いずれも誠実でアグレッシィブだとしか言いようがない。驚くほど頻繁に "Version Up" しているからだ。
今日は "ePubエディタ Sigil" の話だが、昨日も書いた同様のフリーウェアの "ePub 変換" ソフトのもう一翼である "Calibre" の "Version Up" 頻度も凄まじい。
一応、 "旧 Version" のアーカイブも保管しているが、4か月足らずの短期間で "Calibre" はもう11個目となっているし、"Sigil" にしても5個目となっている。
"電子書籍" の世界は、"プラットフォーム戦争" だと評されて来たが、片や "電子書籍" 制作ツールもまた、"ユーザ" 獲得という "静かな戦争" 状態なのかもしれない。もっとも、フリーウェア・ソフトなのでユーザは実にありがたいことだと思う。
さて、"ePubエディタ Sigil" の最新 Version、"Sigil-0.3.2" の件である。
今回は何が更新されたかがいつも楽しみというわけであるが、今回は、特筆に値すると言っていいのかもしれない。
今回は、"HTML Tidy" が標準装備されて、"HTML" スクリプトの編集が可能である点を最大の "売り" とする "Sigil" の、まさに面目躍如たる更新だと思えた。
なお、"追加ボタン" には以下のようなコメントが付されている。
<Cleaning With HTML Tidy
If this option is checked, then your HTML content documents will be cleaned with Tidy's "clean" option when first opened (as part of an epub or individually) and when saved. The current document will also be cleaned when between different Views.
When the option is unchecked, only the most basic error-correcting passes are perfomed to ensure that your documents are valid XHTML.>( "Sigil" のツールバーより)
ところで、何度も書いているように、"ePub" のコア(核)はやはり "HTML" スクリプトなのであり、この出来具合次第で "ePub" ファイルの成否が分かれるわけだ。最悪の場合には、"NOT valid !" (エラーあり!)となることもある。
ちなみに、作成した "ePub" ファイルを、オンラインでチェックすることも可能である。(参照 <Validate ePub documents>)
自分の場合も、多数のエラー箇所が指摘され、"さんざんな思い" をさせられている。そして、その大半が "HTML" スクリプト記述に関するミスなのである。
ということで、"ePub" ファイル作成に当たっては、地味と言えば地味なことなのだが、"HTML" スクリプト記述の正確さに留意することが "極めて大事" なことであろう。
そこで、今回、 "Sigil" が "HTML Tidy" を装備した点が注目されるわけなのである。 "HTML Tidy" とは、<HTML編集中のミスとずさんな編集から、自動的にマークアップの配置をきちんときれいに修正するためのフリーのユーティリティ>だそうで、恐縮ながら、これまで知らないで通して来てしまった。
ただ、これは決してスクリプト上のエラーを<Validate>するものではなくて、あくまでもスクリプト記述の姿を "整形" するものだ。
とは言うものの、多くの場合、スクリプト上のエラーというものは、記述の不規則な姿によって隠されてしまいがちなことを思えば、エラー箇所に気づかせてくれる重要な手立てだと考えられる。
また、<Validate>それ自体については、元々 "Sigil" では "HTML" スクリプト記述の "自動修正" を、パーフェクトではないにしてもある程度は肩代わりしてくれているのである。
今回、"HTML Tidy" を装備したことで、自分の書いた "HTML" スクリプトが読み易くなったはずなので、おそらく、ますます "Sigil" ファンが増えるのではなかろうか...... (2010.11.26)
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