"ePub 電子書籍" 制作のアプローチはいろいろとある。そんな中で何がベストなのかの判断は分かれるに違いない。したがって、自分の場合には......、というほかない。
また、"テキスト文書" を "ePub 変換" するのか、"画像・フォト" などを "ePub 変換" するのかという "素材" の違いによっても異なってくるのかもしれない。
"ePub 電子書籍" はどちらかと言えば、"テキスト文書" が主体となったフォーマットだと言われるが、"テキスト文書" に焦点を合わせても、それでも制作のアプローチは多岐にわたりそうだ。
"Web スクリプト" をベースにするに限らず、"テキスト" や "Word 文書" をベースにするアプローチも方法次第では功を奏する場合もあろう。
"テキスト" の "ePub 変換" では、"ChainLP"(参照 <"Text 文書"を"ePub"化するのに効果的な"変換&編集"ソフト/"ChainLP"と"Sigil"( 当日誌 2010.08.15 )>)が活用可能だ。"ChainLP" は、各種ブック・リーダーのサイズの違いに応じた多種類の出力サイズがラインアップされていて、大いに助かる。
また、"Word 文書" をベースにした "ePub変換" も、ここへ来てそのアプローチが充実し始めていることは先日も書いた。
<"Calibre"も、"Word 文書"を"ePub変換"する!/但し"OpenOffice"で".odt"に変換後!(当日誌 2010.11.25)> で書いたように、
(1) "MS Word 2007" × "epubgen-0.5.0.jar" のアプローチ、
(2) "OpenOffice" の "Writer" × "Calibre" のアプローチ
などの二つのアプローチが比較的安定している。"Word 文書" をベースにしなければならない "ePub 変換" という条件を抱えた場合には大いに助かるであろう。
それで結局、どのアプローチを選ぶかとなると、まさにケース・バイ・ケースだと言うほかないわけではあるが、ただ、昨日も書いたように、表示画面サイズの異なったブック・リーダーという「デバイスにあわせたレイアウト」という観点に立つと、ある程度判断基準が定まってくるかのようにも思われる。
自分の場合、ほぼ固定しかかっている工程はというと、最終工程での編集が、"Sigil" を活用する点だということになろうか。固定化しつつある理由は、最終的に "自由度" を伴ってさまざまな編集が可能であるからなのかもしれない。その "自由度" の中には、まさに「デバイスにあわせたレイアウト」の変更という局面さえ含まれるわけである。
そうなってくると、逆算的に考えて、"Sigil" に入力可能なファイル形式を前段階で作成するというアプローチに的が絞られてくるわけである。
"Sigil" に入力可能なフォーマットは、① "テキスト"、② "Web スクリプト"、③ "ePub" なのであるが、自分の場合は、② "Web スクリプト" を選択することが多い。
その理由は、やはり「デバイスにあわせたレイアウト」とその変更時での対応という観点からだと言えそうだ。
いろいろなアプローチは、それぞれ持ち味があるものの、最終的には「デバイスにあわせたレイアウト」という点から、画面 "幅" のサイズをはじめとしたスタイル( "CSS" )調整を不可避としているはずだ。
だとすれば、多少、手間が掛かっても作業工程のスタート時に、この "CSS" 要素を持ち込んで設定しておいた方が、結局はスムーズに作業が進捗すると実感しているからなのかもしれない。
つまり、"XHTML & CSS" を採用した "基礎工事" から始めるというアプローチなのである。(参照 <各種サイズの"BookReader"向けの"電子書籍(eBook)"制作には、"XHTML&CSS"が必須!(当日誌 2010.11.09)>)
ちなみに、先ごろも、ゼロ・スタートで "ePub 電子書籍" 制作(もちろん、「デバイスにあわせたレイアウト」とその変更時での対応という観点が大前提!)に踏み出すとすれば......、と想定して幾通りかのアプローチを足早に検証したことがあった。
前述の "Word 文書" をベースにしたアプローチも、初期での "ページ幅設定" などを踏まえて進めると、必ずしも悪くはない。だが、終盤で "ePub" ファイルとなったものを "Sigil" に持ち込んでみると、"CSS" 要素がやや煩雑となっていて、いささかコントロールしにくい状態となっている......。
こんなにことならば、最初に "CSS" などの "基礎工事" をしておいた方が無難だったかなぁ、と実感したのであった。
プログラムにしてもスクリプトにしても、作っているその時点では十分に了解できることが、時間が経って後で読み直してみると、まるで他人の労作であるかのように了解困難となってしまうという問題もある。その原因はと言えば、その時その時の文脈に沿った臨機応変な対処というものは、その時には了解し易くても、時間が経過してしまうと固有の "文脈" 自体から疎遠となるために、一からトレースし直して考え直さなければならないからなのであろう。
つまり、幾分ややこしい事柄に関しては、"やっつけ仕事" でこなすのではなく、いつでも考えるための手掛かりが与えられるような多少のルールを設定しておいて、それにしたがって事を進めるのが無難だと思えるのである。
そして、"Web スクリプト" を書く場合、"XHTML & CSS" のルールというものがそれに当たるもだと受けとめている...... (2010.11.29)
コメントする