"ePub editor = Sigil"との付き合い方、<(2) スクリプトの修正・改造をどう適切に進めるか。>を継続させている。
今回は、出来上がった "ePub 電子書籍" を入力データとして読み込み、これを再編集するといったアプローチを想定してみる。
出来上がった "ePub 電子書籍" といった場合、すぐに思い起こせるのは、"自炊" PDFを "Calibre" で "ePub 変換" したものであろう。 "Calibre" は "PDF ファイル" を簡単に "ePub" ファイルに変換する。
"Calibre" に関しては、以前に書いた分を参照していただきたい。
◆ (1) <"PDF ⇒ ePub" 変換ソフト"Calibre"の優秀さと、"ePub"仕様に対する理解度不足!?(当日誌 2010.08.13)>
◆ (2) <"Calibre"も、"Word 文書"を"ePub変換"する!/但し"OpenOffice"で".odt"に変換後! (当日誌 2010.11.25)>
"Calibre" で仕上がった "ePub ファイル" は、概ね "iPad" や "iPod touch(iPhone 4)" で問題なく表示される。拡大も、 "PDF ファイル" と同様に "ダブル・タップ" でOKだ! 再編集の余地が無いほどスマートに出来上がる。
但し、何の問題もない、というわけには行かない。"iPod touch" では以下のような不具合が生じる。
< が、問題がひとつ生じた。何度試みても、各ページの次のページが "空白ページ" となってしまい、都合、ページ数が二倍に膨れてしまう不思議な現象なのである。
これが十分に "こだわり" を刺激したのだ。とうとう今日はこの点をめぐって右往左往することで過ぎてしまった。
途中、試行錯誤の過程で部分的に解消されることがあったが、結局、原因がわからずじまいでひとまず中断することになった。>(上記ブログ(1)より)
この不具合は、当初理解できなかったのだが、原因は "iPod touch" の "表示サイズ" とコンテンツの "画像サイズ" との "大きな差" にあることがわかった。
要するに、一ページ表示に当たる ".jpg" ファイルが大き過ぎると、"iPod touch" は一ページに収まらない "はみ出し" 分を次ページへと持ち越して、次ページを "占領" するようなのだ。
で、この不具合をどうするか、なのである。
ここで、"Sigil" の出番となるわけだ。"Sigil" の "入力可能ファイル" は、"Web スクリプト(html)" ファイルやテキスト・ファイル以外に、"ePub ファイル" もOKである。いや、そうであるからこそ、繰り返して "ePub ファイル" の再編集が可能となってもいるわけだ。
そこで、上記のような不具合を残した "Calibre" 作成の "ePub ファイル" を "Sigil" で読み込んで、"修正" してしまおう、というわけなのである。
問題の焦点は、やはりタブレット(="iPod touch")の "表示可能幅" なのである。
下記のコードは、 "Calibre" で仕上がった "ePub ファイル" を "Sigil" で読み込んだ時のフォルダ<Styles>に格納された "css" のコードである。 "赤字" 部分以外の状態となっているはずである。
ここで、"青字" 部分の数値を "赤字" 部分の数値に変更してしまうのである。その意味は何かというと、タブレットの "表示可能幅" に見合うように、コンテンツ側の "表示幅" や"表示高さ" を縮小させているわけなのである。
――――――【 フォルダ<Styles>に格納された "css" のコード 】――――――
@namespace h "http://www.w3.org/1999/xhtml";
.calibre {
display: block;
font-size: 1em;
margin-bottom: 0;
margin-left: 5pt; 0pt;
margin-right: 5pt; 0pt;
margin-top: 0;
page-break-before: always
}
.calibre1 {
height: auto;
width: auto width: 200px
}
.calibre2 {
display: block;
margin-bottom: 1em; 0em;
margin-left: 0;
margin-right: 0;
margin-top: 1em 0em
}
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
体験的には、これらの数値変更を施した時に、各ページが一ページとして表示され、次ページを空白にするという不具合は解消できた。
このように、"Sigil" での "スクリプトの修正・改造" では、"Calibre" で仕上げた "ePub ファイル" の不具合を修正するというようなことも可能なのである。
この点は、昨今かなり広がっている "自炊 PDF" を、"Calibre" で "ePub 変換" をした際、そこに何らかの不具合が潜伏していた場合、ただ手をこまねいているのではなく、"XHTML & CSS" の "Webスクリプト" を再吟味して修正を施すことことができるという、そんなことを示しているわけだ...... (2010.12.18)
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