"青空文庫形式" については、昨日レポートしたとおりほぼ理解できたかに思え、忘れないうちにと、早速、"i文庫HD" (for iPad)向けと "SkyBook" (for iPhone)向けに自作 "電子書籍(eBook)" のかたちを作ってみることにした。
これまで、自作 "Text" 文書を "SkyBook" や"i文庫HD" へと取りあえず転送し、無難に表示させるところまでは確認済みではあった。
転送の方法は、"SkyBook" については、フリーソフトの "i-FunBox" ( 参照:<"iPhone/iPod touch"での"ポケット文庫 SkyBook"で、"自前のテキスト文書"を読む(当日誌 2010.07.31)> )を使い、また "i文庫HD" については、"iTunes" の "App" における "ファイル共有" の機能 ( 参照:<USB転送/i文庫HD/ベンダーサイト> ) を使い、どちらも何の問題もなく転送できてしまう。
むしろ問題であったのは、これらのブックリーダー・アプリが "準拠" する "青空文庫形式" というものが今ひとつ活用できなかったために、コンテンツ側のレイアウトなどに "不本意な箇所" を残し続けていたのであった。
主な "不本意な箇所" を列記すると以下のようであった。
① "画像表示" ができない点。――――――――→ 表紙画像、挿絵を入れたい!
② "改ページ" が適切にできない点。―――――→ 章・節の "頭出し" ができない!
③ "ルビ" 表示ができない点。――――――――→ 青空文庫のような "ルビ" を付したい!
④ "二桁の半角数字" が正立表示されない点。―→ 半角数字の "横倒し" が不快!
他にもあったが、以上の点は何とも不本意であり、そのためにこれらのアプリ向けの "電子書籍" 作りは見送りたいという気分にさえなっていたのであった。
ところが、昨日の "青空文庫形式" に関する調査によって、なんとかすべてを解消させることができてホッとしているところなのである。
詳細についての理解は、次のサイト箇所で深められるはずである。
<注記一覧
2010年4月1日 公開
2010年6月26日 修正
青空文庫
テキスト版に用いる注記のうち、書式の定めのあるものをリスト・アップします。
青空文庫では、テキスト版をプログラムで変換して、XHTML 版を作っています。
そのプログラムは、ここにまとめた書き方を前提に動作します。
各種の青空文庫ファイル表示ソフトにも、この書式への対応を期待できます。
望ましい、安定した変換結果や表示を得るため、これに従ってください。
工作員マニュアルなどの他の文書には、古い記述が残っている可能性があります。
表現が食い違っている際は、こちらを優先してください。
※ここでは、基本的に縦組の底本を念頭に置いて、説明します。>(<注記一覧/青空文庫 組版案内 テキスト版のまとめ方、XHTML版への変換法>)
で、参考までに、その "青空文庫形式" の "書式" についての試行錯誤をレポートしておくことにする。
いずれも、転送しようとしている自作 "Text" 文書にそれぞれの "注記"(または "タグ" ) を "文中の所定の箇所" や "行の先頭" に書き込むことになる。ファイル名は別として、すべて "全角記号・文字" での入力である。
なお、"SkyBook" 向けと、"i文庫HD" 向けでは多少異なっている点があることにも気づかされた。
① "画像表示" をさせる。
★"SkyBook" 向け――[#挿絵(For_iPod_cover_kainen.jpg)]
★"i文庫HD" 向け―― <IMG SRC="For_iPad_cover_kainen.jpg">
※ 注記やタグを、画像を挿入したいその箇所に書き込む。なお、画像ファイルは "jpeg" か "png" に限られている点に注意。
② "改ページ" をさせる。
★"SkyBook" 向け――[#改ページ]
★"i文庫HD" 向け――<PBR>
※ 注記やタグを、改ページしたい "直前の行" に書き込む。
③ "ルビ" 表示をさせる。
★"SkyBook" 向け――沢庵《たくあん》禅師
★"i文庫HD" 向け――同上
※ 全角記号の "《 》" でふりがな部分を挟む。( 注意! "≪≫" は間違い!)
④ "二桁の半角数字" の正立表示をさせる。
★"SkyBook" 向け――
(8)百五十年も前に、海念が予感した品川沖の鯨!
(9)保兵衛は思い切って海念の実家を訪ねた!
(10[#「10」は縦中横])海念さんのお母さんが語った武士としてのお父上!
※ "二桁の半角数字" の直後に[#「**」は縦中横]のように書き込む。なお、 "一桁の半角数字" は "全角" にしなければ "横倒し" になってしまう。
★"i文庫HD" 向け――
(8)百五十年も前に、海念が予感した品川沖の鯨!
(9)保兵衛は思い切って海念の実家を訪ねた!
(10[#「10」は縦中横])海念さんのお母さんが語った武士としてのお父上!
※ "二桁の半角数字" の直後に[#「**」は縦中横]のように書き込む。"一桁の半角数字" は "半角" でも正立表示される。
ざっと以上のような編集である。結果だけを見ればどうということのない作業である。いずれにしてもこれで、引っ掛かりがなくまずまず気持ち良く "電子書籍" として読むことができるようになったわけである。
それにしても、"SkyBook" や "i文庫HD" における "縦書き" 文字表示は、やはり "美しい" という印象を与える。読書をする際、"文字表示の美しさ" は必須条件だとは言わないまでも、気持ち良く読むための重要な要素なのだろうな、と再認識をさせられた思いでいる...... (2010.12.07)
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