現在、"Sigil" を使って "ePub 電子書籍" 化を進めている自作 "Web ページ" には、たまたま "PDF ファイル" が多数含まれている。"リンク" 付けをして、クリックすれば、"Acrobat" などの "PDF リーダー" が開いて表示することになっているのである。
これらの "PDF ファイル" まで "ePub 変換" するのは煩わしいものだとやや懸念していた。
そこで、密かな期待感を持って、同一の "ePub 電子書籍" ファイルにそのまま組み込んでみた。
"Sigil" に備えられた "フォルダ" には、<Text>,<Style>,<Images>,<Fonts>のほかに、<Misc>という "フォルダ" がある。"Misc" とは、"miscellaneous" の略で、「種々雑多な、いろいろの、多方面にわたる、その他、雑」の意味だ。
この辺りの "フォルダ" に "PDF ファイル" を置いておけば、ことによったら表示するのかもしれない......、という直観だったのである。
すると、ありがたいことに、案ずるより産むが易し、の結果となったのである。
"iPad" の "iBooks" に転送した "ePub 電子書籍" の、その当該の "PDF ファイル" へとリンクを張った箇所をタップしたところ、見事に表示されたのである。
表示のされ方は、"iBooks" の "PDF 本棚" の方式とは異なっていた。"PDF 本棚" がページ毎に分かれて横にスライドするのに対して、"ブック本棚" の "ePub 電子書籍" 内の"PDF ファイル" はページ区切りが無く縦に繋がっていて、その縦方向にスライドする方式となっていた。この違いが、"ePub 電子書籍" 内の"PDF ファイル" なのだという了解を深めさせた。
どういう表示方式にせよ、"ePub 電子書籍" 内在のかたちで "PDF ファイル" が問題なく表示されたことは歓迎すべきであった。
"Web ページ" に "PDFファイル" を格納するケースは決してめずらしくはない。それは、"PDFファイル" がいわば "コンポーネント" として重宝だからなのであろう。
となると、"Web ページ" の "ePub 電子書籍" 化に当たっても、"PDFファイル" がそのまま使えるのが好ましい、ということになる。このニーズに "iPad"、"iBooks" が応えていたのにはナルホドなぁ、と思えた。
ただ、一つ不満であったのは、"PDFファイル" 内に設えた "内部リンク" の機能が "不可" となっていたことである。でも、まあしょうがないか......、と。
"ePub 電子書籍" 内在のかたちで "PDF ファイル" が駆使できるという発見は、こういうことならば、いろいろと活用できそうだな......、という思いを強めさせたものであった。
と同時に、自分の関心は次へと向かっていた。"PDF ファイル" というメディアのように、"audio" や "video" というメディアも "ePub 電子書籍" 内在のかたちで使いこなしたいとテーマへの思惑である。
いわゆる、"オーディオ付きEPUBフォーマット電子書籍" という "エンハンストepub" のジャンルのテーマということになる。ただこの辺のテーマは、"HTML 5" 仕様への理解が前提となりそうである...... (2011.01.16)
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