危惧されたとおり、昨日の "東日本大震災" は、一夜明けて、その被害の規模・水準の壮絶さが想像を絶するものであることが次々と報道されている。まさに誰もが言葉を失うほどの悲惨さだ。不適切な表現かもしれないが、戦争を経験した方たちならば、"戦災" による壊滅的な破壊を想起したのではないかとも思えた。
先ずは、不幸にも恐怖と苦痛の中で命を失った方々のご冥福を祈りたい思いだ。そして、幸いにもこの巨大な災害から、難を逃れて "命拾い" をしたわれわれは、この災害を決して "他人事" だと見なさずに、"何らかの教訓" をしっかりと学びとらなければならないはずだとの意を強めている。
何をどうするという具体的な思いは未だまとまらない。だが、たとえ大自然による作為だとはしても、報道されているような見るに哀しい悲惨な災害光景、慎ましやかな人々の人間的生活がまるで "翻弄されるかのように" 破壊されていく光景を、真っ向から否定して行かなければ、現代の文化、文明というものの底の浅さに耐えられないとともに、絶望感を払拭して希望に至るためには必須だと思えるからだ......。
多分、この歩みは、現代サイエンスの集積された成果によって、さらなる自然制御を図るという体制で推進されるものと期待したい。
が、折しも、現代サイエンスが集約されて建設されたはずの "原発" でのトラブルも報じられているのが現実である。
"福島第一原発" で何らかの "爆発" が発生し、建屋の外壁が吹き飛んだという事故や、敷地内での計測で若干の放射能漏れ(?)が確認されたといった情報である。(下記、参照。)
地震災害に加えての、科学技術成果での "惨事(?)" は、何としても回避させなければならない。しかし、われわれとしては、事態の推移を見守るしかないわけだが、"原発" の "安全性" 問題などに、"他人事" ではない姿勢でもっと関心を寄せてゆかなければならないと痛感している。
<"原発 格納容器に損傷なし"/NHKニュース/3月12日 21時1分
枝野官房長官は、記者会見で、福島県の東京電力・福島第一原子力発電所で何らかの爆発があったことについて、建屋の壁が崩壊したもので、原子炉を収納している格納容器には損傷がなかったことを明らかにしました。また、菅総理大臣は、住民の健康被害が出ないよう全力を挙げていきたいという考えを示しました。
この中で、枝野官房長官は、福島第一原子力発電所で何らかの爆発があったことについて、「原子力施設は鋼鉄製の格納容器に覆われている。その外が、コンクリートと鉄筋の建屋で覆われている。このたびの爆発は、建屋の壁が崩壊したものであり、中の格納容器が爆発したものではないことが確認された」と述べ、原子炉を収納している格納容器には損傷がなかったことを明らかにしました。
これに先立って記者会見した菅総理大臣は「今回の地震で、従来の想定をはるかに超える津波が襲ったために、原発が止まった際に稼働することになっていたバックアップ体制に問題が生じている」と述べました。そのうえで、菅総理大臣は「避難の範囲を10キロから20キロに広げることをお願いすることにした。これを含めてしっかり対応をすることで、1人の皆さんも、健康被害に陥らないよう全力を挙げていく」と述べました。>(<"原発 格納容器に損傷なし"/NHKニュース/3月12日 21時1分>)
<福島第一原発 20キロ圏に拡大/NHKニュース/3月12日 19時38分
福島県は、12日午後6時半前、総理大臣官邸の指示を受けて、福島第一原発から20キロを新たに避難指示の対象にすることを決めました。
福島第一原発では、これまで半径10キロの範囲で避難指示が出ていました。福島県は、現在、具体的な市町村やエリアを調べているということです。>(<福島第一原発 20キロ圏に拡大/NHKニュース/3月12日 19時38分>)
<福島第一原発で爆発音 けが人も/NHKニュース/3月12日 17時34分
福島県の東京電力の福島第一原子力発電所で「揺れを感じたあと、爆発音がした。けが人が数名いるもよう」という情報が東京電力から入り、経済産業省の原子力安全・保安院が、状況の確認を急いでいます。原子力安全・保安院では記者会見を開いて、内容について発表することにしています。
原子力安全・保安院などによりますと、福島第一原子力発電所で、12日午後4時ごろ、「1号機の辺りで『爆発音』が聞こえたあと、煙のようなものを目撃した」という情報が原発にいた人から寄せられました。さらに東京電力からは福島第一原子力発電所で「揺れを感じたあと、爆発音がした。けが人が数名いるもよう」という情報が入りました。現在の福島第一原子力発電所の映像を見ますと、1号機のあった場所で爆発が起きたとみられ、建物の外壁がなくなっているように見えます。
原子力安全・保安院は、「まだ詳しいことは分かっていない」ということで、状況を調べており、まもなく記者会見を開いて内容を発表することにしています。東京電力の本店に入った連絡によりますと、12日午後3時36分ごろ、原子炉のある建屋か、タービン建屋か分からないが、直下型の大きな揺れがあり、ドーンという音が聞こえて白煙があがったということです。プラントの復旧作業していた社員2人と協力企業の2人のあわせて4人がけがをして病院に運ばれたということです。福島地方気象台によりますと、福島第一原子力発電所の南にある福島県広野町の観測点では、午後4時には南南東の弱い風を観測しています。気象台によりますと、風向きはこれから夜にかけて西寄りに変わり、陸側から海に向かって吹く見込みだということです。>(<福島第一原発で爆発音 けが人も/NHKニュース3月12日 17時34分>)
今回の未曾有(みぞう)の "震災" は、現代のわれわれにしみついている "他人事" 姿勢に、強烈に訴えかけて来る何かがある...... (2011.03.13)
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