Web ブラウザが、"電子書籍" の "ePub" や "PDF" を次第に快適かつスマートに表示するようになってきたようだ。
ほんのちょっと前までは、ブラウザでの "ePub" ファイルの表示は "不可" だったこともある。また、"PDF" ファイルにしても、ブラウザ内表示をしたとしても、何となくギクシャクとした表示であったかと記憶している。
それに対して昨今では、実に快適な表示能力を発揮するようになったようだ。
"ePub" ファイルに関しては、"Mozilla Firefox" の最新アドオンソフトである "EPUB Reader 1.4.1.0" が、相次ぐアップ・バージョンの結果、かなりの水準にまで高まってきている。
"TOC" (目次)については、元の "ePub 電子書籍" のそれを忠実に反映させている。
"フォント・サイズ" の調整は当然だとしても、ページ送り( "ページング" )についても、"読書スタイル" の部分で柔軟な選択が可能となっている。シンプルな "ePub 電子書籍" の表示であれば何ら問題はなさそうである。
ただし、"ePub" に埋め込んだ "PDF" ファイルの表示は不可であり、同じく( "HTML 5" 仕様で)埋め込んだ "audio/video" は一部を除いて不可となっている。
また、ブラウザでの "PDF" ファイルの表示については、ブラウザの能力がどうこうと言うよりも、"Adobe Reder" の問題だと言うべきであるが、これについても、最新の "Adobe Reder X(10.0.1)" ( "Adobe Reder X(10.0.1)" ダウンロード・サイト) は、従来のものに比べてかなりスピード感が増して好感が持てる。
ブラウザの中央に表示される読み込み進捗を示す実にシンプルな "インジケーター" が速度感を醸し出していそうだ。
また、ツールバーやナビゲーションパネルなどを隠すことで、"PDF" ファイル表示のみにスペースを譲っているのもスッキリとした印象を与えることにつながっている。
その代わりにフロート状態で、透明化するかたちの "ツールバー・ボタン" もスマートな印象を与える。
まあ、こうしたスタイルについてはともかくとして、ブラウザ上で "PDF" ファイルをスピーディに表示する、という本来の機能が強調されている点を評価したい。
いずれにしても、昨今のブラウザ環境は、"電子書籍" である "ePub" や "PDF" ファイルなどとの親和性を高めて、あたかも "電子書籍端末(タブレット)" が無くても閲覧可能な地点へと急接近しているかのようである。
これは、"電子書籍" にとっても、また、"電子書籍端末" にとっても決して悪いことではないと思われる。元々、Web ブラウザと "電子書籍端末" は、"競合関係" にあると見なされるよりも、相互補完関係ないしは "棲み分け" 関係だと思われるからだ...... (2011.03.10)
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