"被災者への接し方「がんばって」は禁句"/愛他精神=思いやりを実りあるものに! ......

| | コメント(0) | トラックバック(0)

 <今は日本全体が、被災者のために何ができるかを考え、愛他精神が広がっている。>(下記記事より)というのは、まさにそのとおりだと思う。
 ただ、被災者の悲痛な思いとそうではない者たちとの境遇の差は余りにも大きい。また、"ボランティアと彼らへのニーズ" との "ミスマッチ" という皮肉な現状も伝えられてもいる。
 解消できない "ミスマッチ" はあり得ないはずであり、にもかかわらず生じる "ミスマッチ" は不幸でしかない......。
 今日、関心を向けた事柄は、この "リアルな地獄" にあって "愛他精神 = 思いやり" という尊いものが、不幸にも "不発" に終わり、実らないことがあるとすれば、その "ミスマッチ" は是非とも回避すべきだという点なのである。
 "ボランティア" 活動に関わる点はまた後日述べたいと思うが、それ以前の重要な課題として、<被災者への接し方>という緊急テーマについて紹介したいと思った。注目に値する記事は以下のとおり。

<被災者への接し方 「がんばって」は禁句 心理的経過に4段階、感情の変化に理解を

 東日本大震災では被災者の県外への避難や集団での移住の動きも出始め、新たに住まいとなった場所でボランティアらが被災者と接する機会が増えている。今後、支援のために被災地に入る人も、かなりの数に上るだろう。心身ともに多大なストレスを抱えた被災者と接する時に、どんな点に気を配ればよいのか。専門家の話をまとめた。
 東京都立中部総合精神保健福祉センターは冊子「災害時の『こころのケア』の手引き」を発行している。保健所や市区町村などの職員を対象にしているが、一般の人にも参考になる内容だ。

 それによると、被災者の心理的経過は4つの時期に分けられる。災害直後の「茫然(ぼうぜん)自失期」から、被災者同士が強い連帯感で結ばれる「ハネムーン期」、直後の混乱が収まりはじめ、被災者の不満が噴出する「幻滅期」を経て、復旧が進み、生活のめどが立ち始めるころの「再建期」に至る。

被災者の心の経過

茫然自失期
災害直後
 ■ 無感覚、感情の欠如、ぼうぜん自失の状態に
 ■ 危険を顧みず行動的になる人も
ハネムーン期
 ■ 被災体験を共有することで、被災者同士に強い連帯感
幻滅期
復旧に入る時期
 ■ 支援の遅れや行政の失策への不満が噴出する
 ■ けんかなどのトラブル、飲酒問題が出現する
 ■ 地域の連帯感が薄れる場合も
再建期
復旧が進み生活のめどが立ち始めるころ
 ■ 地域作りに積極的に参加することで、生活再建への自信が向上する
 ■ 復興から取り残された人にはストレスの多い生活が続く
(※ 注. 図表に関しては、ブログ執筆者がアレンジしています。)

 今は日本全体が、被災者のために何ができるかを考え、愛他精神が広がっている。その一方で、被災者はかなり大きなストレスを抱え込んでいる。
 同センターの井上悟・保健福祉部長は被災者のためにボランティアや一般の人ができることとして、「気がめいって何をする気も起きない人に、日常の困り事を手伝うような気持ちで接するのがいいのではないか」と話す。

被災者にかけない方がよい言葉の例

 ● 色々あったけど命が助かったからよかったじゃない

 ● 早く元気になって

  (被災者が失ったものを理解されていないと感じる)

 ● 頑張って

  (頑張って疲れ切っているのに追い打ちをかける)

 ● 早く忘れて前向きに生きよう

  (一生忘れられない体験をしている)

(※ 注. 図表に関しては、ブログ執筆者がアレンジしています。)

 当座の生活で不自由を感じていることを聞き出し、その解決に向けて手伝うだけで、被災者のストレスは軽減される。被災者の話をじっくり聞くのもよい。

 ただし、被災体験を無理に聞き出すことは避けた方がいい。精神科医で東京都精神医学総合研究所の飛鳥井望・所長代行は「はき出すことですっきりする人もいるが、生々しくてとてもはき出せない状態の人もいる」という。冨永良喜・兵庫教育大教授(臨床心理学)も、「話し出したら止められなくなる場合もある。話すことが心の回復につながると思い込まないでほしい」と話す。
 被災者自らが話し出す場合は、無理に遮らずに聞いた方が負担は軽減される。

 ボランティアら周囲の人には、被災者を励ましたい気持ちが起きるだろうが、かけるべきではない言葉もある。例えば、「早く忘れた方がいい」と言ってしまうと、忘れられない体験をした人にはかえって苦痛。また、「頑張って」など、直接的な激励の言葉は、力を出し尽くして疲れ切っている人には負担となる。

 不自由な避難所生活が長引き、被災者がささいなことから怒りを爆発させる場合もあるだろう。「まず、いら立ちが高じるのは当然の反応だと理解してほしい」と飛鳥井医師。

 感情を爆発させるのは何かしら困っていることがあるからだ。

 飛鳥井医師は、「爆発の裏に何があるのかをよく聞いて」と勧める。複数の困り事が積み重なっていたり、すぐには解決できなかったりする場合があるが、「被災者の抱えているものを順序立ててると、相手の気持ちの整理につながる」と話している。>(<被災者への接し方 「がんばって」は禁句 心理的経過に4段階、感情の変化に理解を/日経新聞/2011/3/24 17:02>

 久しく "共感" とその作法について失念してしまっているわれわれにとって、"現場" からの得難いアドバイスには真摯に耳を傾けるべきなのであろう...... (2011.03.27)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: "被災者への接し方「がんばって」は禁句"/愛他精神=思いやりを実りあるものに! ......

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://adhocrat.net/mt/mt-tb.cgi/1448

コメントする

2020年11月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          














関連サイトへのリンク


  • 電子書籍(eBooks)制作にフォーカスしたサイト
  • 明けない夜はないことを確信するサイト
  • Green(地球環境改善)にフォーカスしたサイト
  • ソフトウェア技術者やSEのための評価と育成、人事考課制度を考えるサイト
  • さまざまな業種・業態でご利用可能なモバイル活用の予約システム!
  • 創作小説『海念と保兵衛』のサイト
  • 創作小説『かもめたちの行方』のサイト
  • 当ブログ推奨の商品を展示したAmazon ストアー!
  • 当AdhocBlogブログの過去のエントリー
  • 株式会社アドホクラット当時のサイト

★売れ筋! No.1!
家庭用"放射線測定器"

日本通信 bモバイルWiFi ルータ+1 ヶ月定額SIM BM-U300W-1M
価格:¥ 20,208
国内配送料無料 Amazon





このブログ記事について

このページは、yasuo hiroseが2011年3月27日 00:01に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は、
 「"3号機原子炉 損傷の可能性/原子炉から放射性物質漏れか"/長期化しそうな状況 ......
です。

次のブログ記事は、
 「「汚染情報なぜ共有しない」/2号機水たまりの放射性ヨウ素、通常の1千万倍! ......
です。

最近のコンテンツは、
 インデックスページ
で見られます。

過去に書かれたものは、
 アーカイブのページ
で見られます。

年月別アーカイブ

最近のトラックバック