昨日の情報、グーグルのパソコン向けの無償OS "クローム" を搭載した "クロームブック(Chromebook)" に関する続報の紹介ということになる。
グーグルのWebブラウザ「Chrome」を中核とし、このWebブラウザから、ファイルへのアクセスやメディアプレイヤーをはじめとするあらゆるデータ処理を行う、というのが「Chromebook」だそうだ。
主なターゲットは企業だそうだが、<起動時間が8秒程度と短いこと、稼働時間が長いこと(1回の充電で1日稼働)、ソフトウエアの更新を自動化していること、ファイルの保存でクラウドとの連動性を高めていること、セキュリティ機能をビルトインしていること>(下記参照)などは、一般個人ユーザーとしても大いに関心が向くところであろう。
「App Store」のそれが "30%" であるのに対して、<Chrome Web Storeの手数料は5%>という点も、グーグルの "開発者" 優遇姿勢を強調するもののようである。
<グーグルが8秒起動のノートPC「Chromebook」発表、月額28ドルのビジネスプランも用意
米グーグルの開発者会議「Google I/O 2011」の第2日目の基調講演で、かねてからうわさがあったグーグルによるノートパソコン「Chromebook」が発表された(グーグルの公式ブログ)。グーグル自身が「ノートブックパソコンのゲームを変える」と意気込む戦略商品となる。
Chromebookの中核は、グーグルのWebブラウザ「Chrome」である。このWebブラウザから、ファイルへのアクセスやメディアプレイヤーをはじめとするあらゆるデータ処理を行うというのが基本的な設計思想となる。
このほかChromebookの特徴は起動時間が8秒程度と短いことや稼働時間が長いこと(1回の充電で1日稼働)、ソフトウエアの更新を自動化していること、ファイルの保存でクラウドとの連動性を高めていることなどである。セキュリティ機能をビルトインしていることから、追加のアンチウイルス・ソフトウエアや保守は不要とする(ChromebookのWebサイト)。
当初のメーカーは韓国サムスン・エレクトロニクスと台湾エイサーの2社(写真1、写真2)。グーグルの説明では、エイサー製が携帯性に優れているという。画面サイズはサムスン製が12.1インチ、エイサー製が11.6インチである。重量はそれぞれ1.48kg、1.34kg。いずれも無線LAN機能を搭載しており、3G(第3世代移動体通信)はオプションの扱いとなる。サムスン製は429ドルから、エイサー製は349ドルから購入できる。このほか、米インテルや米ベライゾンなどが協力企業として名前が挙がった。
発売開始は6月15日で、当初は欧米の主要7カ国(米国、英国、フランス、ドイツ、オランダ、イタリア、スペイン)で購入可能。それ以外の地域では数カ月後に発売とする。
企業や教育機関など向けには、遠隔からの端末一括管理サービスを含む月額利用プランも用意する。企業向けの月額利用料金は28ドル、教育機関や政府機関は20ドルとなる。......>(<グーグルが8秒起動のノートPC「Chromebook」発表、月額28ドルのビジネスプランも用意/日経 ITpro/2011/05/12/菊池 隆裕=日経コミュニケーション>)
<Chrome OSを搭載したノート・パソコン「Chromebook」を2011年6月にSamsungとAcerが発売
米Google社は2011年5月11日、米国サンフランシスコで開催した開発者向け会議「Google I/O 2011」の基調講演において、Webアプリケーションに特化した新型OS「Chrome OS」を搭載したノート・パソコン「Chromebook」を発表した。同年6月15日に韓国Samsung Electronics社と台湾Acer社が米国と欧州で製品を発売する。米国では、米Amazon.comがオンライン、米Best Buy社が店舗で販売する。3G通信機能を提供するのは米Verizon Wireless社である。欧州では、英国、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペインで発売される。
Samsung社の製品は、12.1型の液晶ディスプレイを搭載し、重さは1.48kg(製品のページ)。駆動時間は8.5時間で、Mini-VGA端子を備える。無線LANのみに対応するモデルが429米ドル、3G通信機能も備えたモデルが499米ドルである。Acer社の製品は、11.6型の液晶ディスプレイを搭載し、重さは1.34kg(製品のページ)。駆動時間は6時間で、HDMI端子を備える。価格は349米ドルから。いずれの製品も、プロセサとして米Intel社のデュアルコアAtomを搭載し、前面カメラやUSB 2.0端子、メモリ・カード・スロットなどを備える。
Chromebookの主なターゲットは企業だ。ドイツSAP社や米Salesforce.comなどのサービスをWebブラウザー・ベースで利用できる。米Citrix社や米Vmware社の仮想化技術にも対応する。Google社は、企業での利用に向けたサブスクリプション契約「Chromebooks for business」も用意した。料金は月額28米ドル。製品本体に加え、Web管理システム、サポート、保証・交換サービス、ハードウエアの自動アップデートを提供する。教育機関向けには月額20米ドルの「Chromebooks for education」を用意する。
なお、「Chrome OSを搭載したタブレット端末の予定はあるか」という質問に対し、Google社 SVP of ChromeのSundar Pichai氏は「Chrome OSにはノート・パソコンの形状が適していると思っている。今のところは他のフォームファクタは考えていない」と語った。
Chrome Web Storeの手数料は5%
Google社は、Chrome OSの利点として一番に起動の早さを挙げる。通常のノート・パソコンは起動に2~3分かかるのに対し、Chromebookは8秒で起動するという。駆動時間が長い点やセキュリティ機能があらかじめ組み込まれているのも利点だとする。
......
Google社は、Chrome Web Storeの手数料を売り上げの5%に設定したことも明らかにした。95%は開発者の元に入る。米Apple社の「App Store」やGoogle社の「Android Market」では売り上げの30%が差し引かれるのに比べ、低い割合に設定した。 >(<Chrome OSを搭載したノート・パソコン「Chromebook」を2011年6月にSamsungとAcerが発売/日経 ITpro/2011/05/12/菊池 隆裕=日経コミュニケーション>)
それにしても、PC/タブレット/スマートフォンなどに関する開発・シェア競争の速度は何と目まぐるしいものか...... (2011.05.15)
コメントする