豊富=複雑にするだけが能じゃない。"シンプル&スピーディー" こそが重要という場合が意外に多いのが日常生活だ。しかも "メモ" や "メール" などはそのものズバリのオケージョンだと言うべきか。
ここに、ピッタリと照準を合わせた "iPhone/iPod touch" 向けの "日本語手書き入力" アプリが、"7notes mini (J) for iPhone" である。
こういう "製品コンセプト" があってもいい! と痛感させられたアプリである。ならば、もう少し安くてもいいか、と一瞬思ったものの、いやいや "辞書機能" などは価値ある製品であり、これはこれででいい、と。(キャンペーン期間価格 \600)
むしろ、"iアプリ" の価格水準自体が "低過ぎる" のであり、こうした価格設定の発想は "直接制作者" の立場に立つものではなく、"ショバ(所場)" を取り仕切るサイド(=アップル)の戦略以外の何ものでもなかろう......。
このアプリについては、つい先日 "期待を込めて" 書いたばかりである。
<おそらくメール作成というケースでは存分に使えそうなので、価格が600円のうちにインストールすることになりそうだ......>(<≪手書きメモアプリ"7notes"のiPhone版が近日登場≫/iPhoneでのメールが最適か?(当誌 2011.05.29)>)
まさに、"iPhone/iPod touch" などのモバイルで "メモ/メール作成" をするには打って付けの入力ツールだと思えた。
早速、利用し始めている。"iPod touch" をビニール小袋に入れて風呂場にまで持ち込んで、湯船に浸かりながら "思い付くこと" などを "書き込む" という使い方までするベスト・カスタマーぶりである。
"書き込む" という所作が可能なところがこの "手書き" アプリのセールスポイントであるが、もしそこでの "認識精度" が悪かったり、遅かったりしたならば、それはそれで "ストレス" を生み、利用意欲を減退させることになってしまう。
しかし、さすがにこの "7mini" は "スピーディー" である。いわゆる "推測変換機能" も働き、手書きを末尾まで終わらせなくとも "確定" して先に進めるのも、"スピード感" を誘うに余りある。
ひとまず "書き込み" が終わると、デバイス内に自動保存されるのだが、自分の場合、"テキスト" モードで自分宛の "メール" を打っておくことにしている。いわば、これがPCでのテキスト・エディターを使った作業における "セーブ(保存)" に相当する、とばかりにである。
"iPad 向け7notes" では、ネットワーク上のストレージ「デジタルキャビネットサービス」への自動保存が強調されていたものだ。それはそれで利用価値があるとしても、ただ自分としては、入力したテキストは、"PCとの連携"="他のアプリとの連携" において再活用したい、という思いが捨てきれなかったため、次のような不満めいたことも書いていた。
<≪7notesで作成した情報は、ネットワーク上のストレージ「デジタルキャビネットサービス」に自動的に保存される。≫というのも良いのだが、そこからPCに降ろすことはできないようであり、PC作業との連携が遮断されているようなのだ。
さらに、文書として活用できるのは "PDF" ファイルであり、"Text" ファイルは今のところ蚊帳の外となっている。
自分のように、"Text" ファイルを種々のアプリのインターフェイスと見なしている者にとっては、やや肩透かしを食らった感が残った。>(上記日誌)
それに対して、今回の "7mini" では、「デジタルキャビネットサービス」への自動保存の機能は無い(無くて良い!)ため、本体保存以外には "メール" その他の通信を通じた送信が唯一の方法とならざるを得ない。
しかし、"Wi-Fi" が機能している自宅内にあっての "メール" での送信は、その簡便さの点で "PCへの保存" 作業と大差がないと言ってよい。
そんなことで、"7mini" で作成された "メモ" は、"メール" を通して "PCに保存" されるという流れとなるわけだ。
こうして、"消去法" とばかりに諸機能が削られて仕上げられたかに見える "シンプル&スピーディー"! それをキーコンセプトとしたツールは、意外にも "不満よりも快適さ" をもたらしているというのが実感である...... (2011.06.13)
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