"IT分野" に関心を注ぎ続ける者たち(自分も含めて......)の中には、IT業界を "就労の場" としている人たちが少なくないと思われる。そして、概して、こうした人たちの多くが現状の "不況色" に大なり小なり塞ぎ込んでいると聞く......。
何も "不況色" は "IT分野" に限らないとは言え、今後一体どうなって行くのか? と不安材料ばかりが目についてしまうのも事実かもしれない......。
ところでこんな状況下では、先ずは 時代の "風向き" を確認しておくのも一手であろうかと思われる。
何となくそんな感触を得ていたと言う人もいるかもしれないが、<クラウドに代表されるサービス型ビジネス>という、いわば "気になるコンセプト/ベクトル" について目を向けてみた。
<......クラウドは今IT業界でも最も注目されている分野だ。データの集中と分散の周期から、2009年から2024年まではクラウドを中心としたビジネスが本格的に浸透する。2017年に向ってソフトウエアの時代が衰退し、クラウドに代表されるサービス型ビジネスが主流となる。2011年はスマートフォンの利活用を含めて、クラウドの流れが加速するだろう(図2)。
ここでいうサービス型ビジネスとは、ソフトウエアの活用方法を中心としたサポートで顧客の収益に貢献するビジネス形態と考えている。顧客の要望はシステムを導入することから、それを活用して収益に貢献することに変化している。クラウドはまさしくサービス型ビジネスの時代に適した流れといえる。......(長島 淳治=船井総合研究所 ソフトハウス活性化チーム)>(<IT 不況に勝ち抜く 第20回 これからのIT業界の求められること(後編)/ITpro/2011/06/01>)
そこで、<(図2)>(<ITpro/図2●IT業界のサイクル>)を手繰ってみると、IT業界の "トレンド" の推移とでもいう図表が一目了然で表わされている。
そんな<図表>に解説を加えるのは蛇足めいた叙述となるが以下のようになろうか。
<業界の動き>
(1)「ハードウェア関連技術の伸長」(1966~1972)ex.インテルチップの開発
(2)「独立系ソフトウェア企業の勃興」(1973~1979)ex.創業ラッシュ
(3)「PCバブル崩壊とソフトウェア産業の勃興」(1980~1987)ex.ソフトウェア個別開発の時代
(4)「PC価格の下落 個人向け市場の拡大」(1988~1994)ex.パッケージビジネス
(5)「ネットバブル崩壊とネット関連産業の勃興」(1995~2002)ex.インターネットサービスが注目
(6)「ソフトウェア価格の下落とサービス時代の到来」(2003~2009)ex.ネットインフラ、アウトソーシングの伸長
そして、これらをより大きな流れで括るとと、次のようになると言う。
1.「ハードウェアの時代」( 転換点:PCバブル崩壊 1983~1984 ......PCバブル崩壊とソフトウェア産業の勃興 )
2.「ソフトウェアの時代」( 転換点:ネットバブル崩壊 1998~2000 ......ネットバブル崩壊とネット関連産業の勃興 )
3.「サービスの時代」(~2017年 ......ソフトウェア価格の下落とサービス時代の到来 )
<ソフトウェア価格の下落とサービス時代の到来>という "冷徹" だが "クール" な事実をどう受け止めて行くかに、"IT分野" に関心を注ぎ続ける者たちの "命運" が掛かっていそうな気がしてならない...... (2011.06.06)
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