"ポストPC時代到来"か？／＜Appleが次期モバイルOS「iOS 5」を今秋リリースへ＞ ......

　正直言って、＜iOS 5＞は "多彩" 過ぎる 新機能が盛り込まれていて、その全貌は掌握し切れるものではない。まして評価なぞはおこがましい。今は、どうも凄いらしい......、という凡庸なことしか言えそうにない。
　ただ、ひとつ言えそうなことがあるとすれば、この動向は "ポストPC時代到来" を意味するのか、という点であるのかもしれない。

[2]　＜ポストPC時代の「Apple対Google」（WIRED VISION）
　6日（現地時間）から米Apple社が開催しているWWDC（開発者会議）は、......
　ジョブズCEOが今回のWWDCで提供したストーリーは3つの章に分かれていたが、そのテーマは一貫していた。Apple社は、2010年代のオペレーティング・システム（OS）をめぐる大きな戦いにおいて、自社の地位を確保しようとしているのだ。
　WWDCにおける第一章は、Mac OS Xの最新バージョン『Lion』だ。この章の主なポイントは、マルチタッチ機能が増え、App Storeも内蔵されるなど、Mac OSがiOSの多くを採用したというものだ。
　第二章はiOS 5だ。今回新しく発表された各機能は、これまではパソコンだけでしか可能でなかった機能を、『iPad』『iPhone』『iPod touch』でも可能にするものだ。たとえばiOS 5を使えば、写真の編集、複雑なメール文書の作成などが可能になる。
　つまり、MacはiPadに進化し、iPadのほうは、かつてはMacやPC専用だった機能を実行できるように進化したのだ。
　この変化において最も顕著な点は、Apple社がiOS搭載機器をパソコンから「解放」したことだ。設定やアップデートが、パソコンにつながなくても可能になったのだ。......ジョブズCEOはMacを、「もうひとつのモバイル機器に降格させる」とさえ言った。
　さて、第三章は『iCloud』だ。ジョブズCEOによると、iCloudは、コンピューターをローカルファイル等から解放するための長い探求が終わったことを示すものだという。

　Apple社の戦略は、競合相手と比べてどうなのだろうか。...... ( ここで、Google社の『Chrome OS』やもうひとつのOSであるモバイル向け『Android』などとの比較について触れられる／引用者注)
　一方、米Microsoft社はどうだろうか。　......　Windows 8では、......　「ポストPC」の概念は、Microsoft社ではいまだにタブーになっているようだ。

　しかし、Microsoft社が認めようと認めまいと、われわれは数年前からポストPC時代に入っている。われわれの問題は、これらの新しいポストPCの機器が、置き換えられるべきPCと、あらゆる点で同じ能力を持つほど進化できていないことにある。Apple社はWWDCで、そのギャップを埋める方向に近づいた。Apple社が持つ信じがたいほどの推進力を考えれば、Appleユーザーたちが後に続くと考えるべきだろう。
　WIRED NEWS 原文(English)
　WIRED NEWS(日本語)＞(＜ポストPC時代の「Apple対Google」（WIRED VISION）／ITpro,WIRED VISION／2011/06/09＞)

　こうした "ポストPC時代到来" をどう受け止めるのかは人さまざまに違いない。ただ、自分としては、超快適に利用できる "モバイル" の恩恵を歓迎する一方で、"PC(Personal-Computer)" が秘めていた "パーソナル" という意味深長な含みが、"雲(クラウド)の彼方" へと拡散して行く、そんなイメージに一抹の警戒心を抱く......　(2011.06.10）