"電子書籍"の製品=商品としての概念も、急速に変化する!/"読書"自体の概念も! ......

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 "電子書籍" とは何か? を問う時、先ずイメージされるのは、"ePub" なり "PDF" なりのフォーマットで仕上げられた "製品ファイル" や、それらがダウンロードされたり "eBook Reader" にダウンロード/インストール、ないしは同期されて表示された状態ということになろうか。「これが "電子書籍" というモノです」と。
 そして、"電子書籍" が "モノ" として見据えられ、定まったら、場合によっては、それで了解、ということになるかもしれないし、もし、そうならない場合には、その使い方や、メリットやデメリットなどが付け足されて "モノ" として価値に補足説明がなされることになるのかもしれない......。

 何が言いたいのかと言うと、いささか "ややこしい" 話ではあるが、"電子書籍" のような対象を従来どおりの "モノ" としての範疇そのままで理解しようとするのはムリがあるかなぁ......、ということなのである。もっと、周辺の環境、コンテキストと関連させながら、まさにクリエイティブな視点で迫るべきか、と。
 もちろん、製品=商品である以上、経済常識的に定義され説明されなければならない。となると、精々、"ソフト" としての概念や、システム・サービス面で補足・注釈されつつも、どうしても "モノ" としての価値の側面が前面に出されざるを得なくなる。
 しかし、"電子書籍" という製品=商品は、他のITシステムの製品=商品と同様に、"モノ" としての範疇から益々遠ざかるはずである。と言うのも、"紙の書籍" のように "モノ" としての価値(著作権というソフト的価値の面もあるが)が前面に出された製品=商品とは一線を画す点に意味がある製品=商品だからであり、それを目指すからである。

 多分、"電子書籍" は、固有のメディアとして単独ではないであろうが、"電子書籍" 関連インフラ、"電子書籍" をめぐるコンテキストなどの環境とともに、そのテリトリーの境界線がぼやけて見分けにくくなるそんな "システム" へと変貌して行くのだろう。
 その足元では、"eBook Reader" の進化や、プラットフォームとしてのデバイスのハイエンド化があるだろうし、さらには、先日も書いた<電子書籍の "クラウド" 化>という大きな推移も進行中である。

◆ 参照 (1) アップル、お前もか!/"クラウド"に舵を切るアップル/いよいよクラウド一色!( 当誌 2011.06.08 )
◆ 参照 (2) "iCloud"と電子書籍の"クラウド"化/所有ではなく"読書をすること"自体に回帰?( ADHOCRAT 2011.06.08 )

 こうして、ひとたび "紙の書籍" からテイクオフした "電子書籍" は、"書籍" としての外見の在り様を画期的に変貌させて行くことは間違いない。
 だが、それだけではなく、もちろん読み手側に読書スタイルの変化をもたらすであろうし、さらには "紙の書籍" では不可能であった "読書" 自体のあり方を "深化させる" ことにもつながりそうである。
 これに関連して、上記の ◆ 参照 (2) から下記の部分を引用しておきたい。
 "読書" を "読書体験" と捉え直し、さらに<電子書籍の "クラウド" 化>が進展してゆくならば、<読書体験の共有化>という実に画期的なことをも実現可能にするだろうという話題なのである。
 こうした展望をも持ちつつ、クリエイティブな "電子書籍" 制作に努めたいという主旨なのである。


―――― < ここでは、「読書をすること」の本質に目が向けられていることを注意したい。
 そして、この視点から、「読書をすること」のいわば象徴でもあろう<自分が書き込んだデータ>というものに視線を移動させ、以下のように叙述している。

<このことから、次の未来が見えてきます。
 現時点では、「自分の本」たらしめている自分の書き込んだデータは、自分自身だけが参照するものです。自分の読書は、自分だけに閉じられた体験です。
 その「自分だけのデータ」を公開できる機能が、いずれ登場するでしょう。
 それは、メタファーではない、文字通りの「ソーシャルブックマーク」です。
 読書体験の共有化です。
 自分が読んだ本を、ほかの人がどのように読んだのか、どこに線をひいたのか、それが分かるようになるのです。
 この機能の魅力は強力です。
 ぼくがアマゾンなら、知の巨人と言われる人や、政界・財界の重要人物に、下線を引いたりメモをしてもらいながら本を読んでもらい、それを公表させてもらいます。
 そうすれば、尊敬する知識人の下線やメモに興味のある大量の消費者を、アマゾンからの購入に惹きつけることができます。同じ本を購入すればそこに下線やメモが書かれている(または書かれていく)のですから、リアル書店はもとより、他のオンライン書店で「まっさらな本」を買う理由がありません。(もちろん、まっさらにして読みたければ、表示をオフにすればよいだけです)※1
 また、どのくらいの人がどのくらい線を引いたかということが、本の販売数とは別に、その本のよりリアルな価値を示す指標となるでしょう。>(<読書体験のクラウド化 川添 歩/Sociomedia>

 つまり、"クラウド" 化の一途をたどる "電子書籍" は、益々その "無形の価値" ( "書き込み" があると価値が下がるんですが的な物的所有世界とは異次元!)を実感させながら、同時にネクストステージぶある<読書体験の共有化>という、いわば知的活動の根幹へと誘ってくれるのではないか、と主張されているようだ。>"iCloud"と電子書籍の"クラウド"化/所有ではなく"読書をすること"自体に回帰?( ADHOCRAT 2011.06.08 )


 "電子書籍" の今後の動向を模索する時、"電子書籍" を "モノ" としての側面だけに閉じ込めずに、"電子書籍" が読まれる環境、コンテキストの全体を視野に入れて予測して行くことが必須かと思われる...... (2011.07.11)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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このページは、yasuo hiroseが2011年7月11日 00:01に書いたブログ記事です。

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