"電子書籍" での読書が、Book Reader に装備された複数のシステム・ツールに助けられることで、"読書体験" として充実、深化していくこと、そこに今関心を向けていているのだと思う。
"紙の書籍" では不可能、あるいは手間が掛かることが、もし、それらのシステム・ツールによってスムーズに実行できるのだとしたら、それこそが "電子書籍" の重要なメリットだと言えそうだからである。しかも、その実行が "読書体験" の質の向上に繋がるとするならばなおのことであろう。
そんな意図から、この間、iBooksに標準装備の "辞書" 機能、"メモ" 機能などの使い勝手を自分なりに検証してきた。今回も、この周辺を手探りすることになる。
ところで、こうした検証をしていると、これらは要するに、"電子書籍" が備えている "インタラクティブ" 性という性格なのだろうと再認識したわけである。
つまり、とかく "お仕着せ"的であったり、"一方通行" (書籍 → 読み手)で流されてしまいがちな読書で、読み手側が、例えば "メモ" をするといったような何らかの "リアクション" を起こすとするならば、スタティックな事情はいくらか変わる......、ということなのである。それを "インタラクティブ" 性の効用だと想定したのである。
"インタラクティブ" 性の効用については、さまざまなマルチメディアで既に実証済みではないかと思われる。メディアの受け手が "リアクション" 操作を実行することで、情報の流れ方がより充実するということになろうか。
お地蔵さんのようにスタティックな姿勢でメディアに向かっているよりも、コンテンツを受け留めて頭なり心なりに浮かんだことを、簡単な操作で "リアクション" してみるという "インタラクティブ" な関係が生み出す効用である。
ただ、"紙の書籍" に向かう場合にも、決してこの "インタラクティブ" 性が封じられているわけではなかろう。ページの角を折ってみたり、気になる箇所をマーカーペンでなぞってみたり、ページの片隅に覚え書きをほどこしたり、さらに几帳面な読み手ならば、"読書ノート" などを作りながら読み進むといった具合にである。
面倒であるのは事実としても、こうした所作が読書を "読書体験" たらしめていたはずだ。
したがって、"紙の書籍" でのこうした所作くらいは "電子書籍" でもなくてはならないわけであるが、事実それらに見合うものとして、"ブックマーク(付箋、しおり)" 機能であったり、"ハイライト" 機能、そして "メモ" 機能などとして実現されている。
ただ、どうもこの辺りの機能は、どちらかと言えば "地味" なためか、だからベンダー側もそれと知って "そーっとしている" ためか、話題性に乏しい雰囲気がないではない......。
しかし、"電子書籍! 電子書籍!" と騒ぐ(?)のであれば、こうした "電子書籍" の "インタラクティブ" 性をこそを、腰据えてチューンアップすべきなのではなかろうか。
まあ、自分なぞは今こうした機能に思い入れをして、"掘り起こし" に意を傾けている。この後、既に書いた "辞書" 機能、"メモ" 機能に加えて、iBooks の "ハイライト/ブックマーク" 機能の活用可能性を検証してみようかと思っている...... (2011.07.22)
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