スマホ/タブレットでの楽しみ方は "電子書籍" やゲーム以外にももちろんいろいろとある。そんな中に、自分の場合は "地図" や "路線図" のアプリが入ってくる。
先日ダウンロードしてみた無料のiPhone(iPad)向けアプリの「まるごと路線図」/㈱ヴァル研究所(まるごと路線図 RAILWAY MAP)は、便利であるだけでなく、結構、楽しめるアプリだと思えた。
8月になると「世界陸上選手権大会」が話題の一つに上ったりする。今年の「2011年世界陸上選手権大会」は韓国・大邱(テグ)で開催されるが、前々回の「2007年世界陸上」は、大阪の "長居スタジアム" で開催されたのだった。
こんな話題がTV番組で取り上げられる時、自分は "長居スタジアム" の "長居" という地名に注意が喚起されてしまう。それというのも、この "長居スタジアム" と近接する地点が自身の取れた(生まれた)ところだからである。懐かしくないわけがない。
にわかに "地図" で再確認してみたいという衝動に駆られたりする。
こんな時なのである、簡単に拡大表示の自由が効くスマホ/タブレット向けの "地図" アプリが有難いのは......。
ただし、"Google Earth" のような "大味" のアプリは、目的地点を探し出すのに手間取ってしまうため、途中で興醒めとなってしまう。
その点、「まるごと路線図」だと先ずは私鉄をも含む鉄道の路線図で "駅名" を指定して、その後で<Google Map で近辺を表示>へと進むことができる点がリーズナブルである。
"駅" を指定すると、その "駅" をターゲットとした "Google Map" が表示され、この "地図" をピンチアウトの操作で思いのままに拡大すると、"駅" で降りてその地域に彷徨い出たような気分となる......。
今でこそクルマ社会だから、"土地勘" と言えば主要道路やその近辺の目印になるポイントとなろうが、"思い出に頼る" ような古い過去の時代では、何はともかく電車の "駅" こそが"土地勘" を働かす "基点" とならざるを得ない。
だから、路線図で "駅名" を指定してその近辺の "地図" へと誘われて案内されるという、このアプリの構成は極めて理に叶っていると思われる。
遠い昔、父や母に手を取られてこの駅を出て、この駅前通りを真っ直ぐに進み......、確か二つ目位の四つ角を左に曲がり、そしてその後右に曲がったはずだ......。
こうして、記憶の下層からその断片が呼び覚まされ、その記憶がさらに別の記憶を呼び覚ますという連鎖を繰り広げさせてくれる。すると、やがて、ほろ苦い想いが胸の内側にこみあげてきて、切々とした感傷が胸に充満することになる......。
気の利いた "電子書籍" の小説を読むのも、スマホ/タブレットでの捨て難い楽しみ方であるが、こうしたアプリの水先案内で自身の想い出を散策するのも、決して悪くはないと......。
また、こう考えみると、"想い出を掘り起こす" ことに焦点を合わせたとでも言うような電子ツールがひとつのターゲットになりそうな気もしてくる...... (2011.08.03)
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