スマホの人気急上昇によって、通信回線の混雑(輻輳[ふくそう]現象)が問題視されている。"回線のパンク" 状態に至らずとも、通信速度が極端に遅くなるという現象に苛立つ利用者もいるようだ。
と言うような事情から、今やスマホ選びは、端末機種自体の性能のみならず、キャリア(通信事業者)が敷設する高速通信環境にまで眼が向けられる状況となったようだ。
各キャリア側は、新しい高速通信方式「LTE」を整備したりして対応を急いだり、"公衆無線LANスポットサービス" を広げたりしているが、そうした対応策のひとつとして注目されているのが "WiMAX(ワイマックス)" 方式だ。
―――― <WiMAX WiMAX(ワイマックス、Worldwide Interoperability for Microwave Access)とは無線通信技術の規格のひとつである。 人口希薄地帯や、高速通信(光・メタル)回線の敷設やDSL等の利用が困難な地域で、いわゆるラストワンマイルの接続手段として期待されている。近年は、高速移動体通信用の規格も策定されている。WiMAXは当初、中長距離エリアをカバーする無線通信を目的としておりWiMAXアクセス網は「Wireless MAN」(MAN: Metropolitan Area Network)と定義される。 WiMAXは異なる機器間での相互接続性確保のため、IEEE 802.16作業部会と業界団体のWiMAX Forumにより規格標準化が進められている......>( WiMAX/ウィキペディアより )
ところで、"KDDI(au)" は、今後の "iPhone5" 発売見込みで大きな話題を集めているが、"Android" に関しても上記の "WiMAX(ワイマックス)" にも対応する機種を追加発売し充実させることで利用者の取り込みを図ろうとする構えのようだ。
利用者にとっては、あたかも "渋滞時" には "裏道(?)" も選べるという選択肢もあれば、安心材料が増えるのかもしれない。
―――― <KDDI:ワイマックス対応スマホ充実 「高速回線」で対抗、速度従来の5倍◇速度従来の5倍、利用エリア広く
KDDI(au)は26日、従来の携帯回線の約5倍の高速無線通信「WiMAX(ワイマックス)」の利用が可能なスマートフォン(多機能携帯電話)4機種など計6機種を秋冬商戦向けに発表した。同社は今後、米アップルが発表予定の「iPhone(アイフォーン)5」も扱う見込みで、ユーザーが買い控えする可能性もあるが、ワイマックスの通信スピードや利用可能エリアの広さを強調し、NTTドコモやソフトバンクに対抗する。
「利用者の通信速度への満足度は高い」。記者会見で田中孝司社長は、今春発売済みのワイマックス対応機種の評判の高さに胸をはった。通信速度が毎秒40メガビットのワイマックスは、NTTドコモの「LTE」(一部屋内施設75メガビット、屋外37・5メガビット)に対抗する高速通信。ドコモも今冬にLTE対応スマートフォン4機種の発売を予定するが、ワイマックスの通信エリアは人口カバー率72%で、LTEの13%に比べ広い。
今回発表した対応機種は、富士通の「アローズZ」(11月下旬以降発売)がデータ処理が速いデュアルコアCPU(中央演算処理装置)を搭載し、京セラの「ディグノ」(12月上旬以降発売)は高精細の有機EL画面を採用。ともに防水機能や手書き入力を備え、ワンセグ、電子マネー、赤外線通信も使用できる。想定価格はいずれも3万円台だ。2万円台後半の海外メーカー製2機種も10月上旬以降に発売予定。基本ソフトはいずれもグーグルの「アンドロイド」だ。
◇アイフォーン5、対応させない?
ただ、KDDIがアイフォーンを発売する見込みになったことで、他機種の販売に影響を与える懸念も出てきた。機能の比較や、アイフォーンをいくらで売るのかなどの情報を見極めるため、買い控えする利用者も出そうだ。また、アップルはアイフォーンをワイマックスには対応させないとみられている。
アップルは通信事業者に販売ノルマを要求することで知られている。KDDIもソフトバンクのように端末を実質無料にしたり、他機種より安い通信料を設定せざるをえない可能性もあり、アイフォーンが多く売れて利益を圧迫する可能性も。この日の会見で田中社長はアイフォーン発売について「ノーコメント」を繰り返すにとどまった。【乾達】>
( KDDI:ワイマックス対応スマホ充実 「高速回線」で対抗、速度従来の5倍/毎日jp/2011.09.27 )
ただ、つい先ごろ "WiMAX" 運営会社の一つが下記のような大規模障害を発生させていたのは記憶に新しい。
―――― <UQ WiMAXで大規模障害、70万回線が半日以上通信不能に UQコミュニケーションズが運営するモバイルWiMAX方式の移動体通信サービス「UQ WiMAX」において、2011年9月21日夕方から22日昼過ぎにかけて大規模なネットワーク障害が発生した。東日本の16都道県において、MVNO提供分も含め70万回線が影響を受けたとみられる。...... 大規模障害の原因について同社は「センター設備の障害」とのみ発表しており、「詳細な状況は現時点でも不明。分かり次第明らかにする」(UQコミュニケーションズ広報)としている。 >( UQ WiMAXで大規模障害、70万回線が半日以上通信不能に/pc online/2011.09.22 )
いずれにしても、スマホ普及に伴う "通信回線の混雑問題" は、キャリア各社に、もはや待ったなしの緊急度で可能な限りの対応を迫っている。そして、利用者たちは当然その推移を凝視しつつ賢い選択判断をすることになる...... (2011.09.28)
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