米アップルの "iPhone" は、"Android" が追撃しているとはいうものの、各キャリア(通信事業者)によって "争奪戦" が展開されるほどに人気を博し続けているようだ。
なお、すでにアップルは今年から "マルチキャリア戦略" を進めている。キャリアとの契約を単一に固定してきた従来からの戦略を見直し、"iPhone" を複数のキャリアに売り捌いてもらおうという、いわば方向転換された戦略である。
そして、"iPhone" の次期バージョンとなる "iPhone5" では、この "マルチキャリア戦略" が本格化するとも言われてきた。
この "マルチキャリア戦略" の方向については、ジョブズ氏引退を期にして、それが今後の米アップルが採るべき有力な戦略ではないか、と各方面から囁かれていた。大前研一氏も以下のように提言していた。
<トップキャリアに売らせることがいかに大切か ...... 日本ではソフトバンクの独占となっているが、ドコモがアンドロイドで巻き返しを図り、iPhone の勢いは安泰ではなくなってきている。 ...... ハードとソフトをバンドルするだけでなくキャリア(通信業者)まで固定してしまう今のアップルの戦略に意味があるとは思えず、早晩この戦略の見直しが必要になるだろう。>( アップルへの"大前"式提言/iOSのオープン化! トップキャリアに売らせる変更!( 当誌 2011.09.13 ) )
そんな中で、日本における "iPhone 5" の発売展開に、この "マルチキャリア戦略" の新しい動きが現れそうだとの報道がなされた。これまでの "ソフトバンク" に加えて、 "KDDI(au)" の名が浮上しているとのことなのである。ソフトバンクによる独占が崩れるのではないかと......。
―――― <KDDI:iPhone5 発売へ ... ソフトバンク独占崩れる
KDDI(au)が、米アップルのスマートフォン(多機能携帯電話)の次期機種「iPhone(アイフォーン)5」を発売する方向で調整していることが22日わかった。アイフォーンのこれまでの機種は日本ではソフトバンクモバイルが事実上独占的に販売しシェア拡大の原動力となっていたが、その構図が崩れる。スマートフォンで出遅れたKDDIには大きな援軍になる。アイフォーン5は10月中旬にもソフトバンクなどから世界発売される見通しだが、KDDIは年内にも発売する方向で検討しているとみられる。米国では、今年2月からAT&Tに加え、ベライゾン・ワイヤレスもアイフォーンを発売。アップルは従来の1国1社の独占的な供給体制を見直していた。また、従来ソフトバンクなどが採用している通信方式「W-CDMA」のみに対応していたが、ベライゾンに対してはKDDIも採用する通信方式「CDMA2000」対応機種の供給を始めていた。
ソフトバンクは08年7月にアイフォーンを発売してから38カ月の間で、新規契約から解約を差し引いた純増数で35カ月首位になり、アイフォーン効果で業界2位のKDDIを追い上げてきた。【乾達】>
( KDDI:iPhone5 発売へ...ソフトバンク独占崩れる/毎日jp/2011.09.22 )
利用者にとっては、キャリアの選択肢が増えることは悪くはないし、さらに言えば、複数キャリア間での価格競争によって、より魅力的な契約プランが生まれることが期待されるのだと思われる...... (2011.09.23)
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