パーフェクトに "パーソナル" で、時と所も選ばず便利で操作性が良い、そんな "スマート" さが売りである "スマートフォン" ! そのユーザーたちの実情がどんなふうであるのかについては興味のあるところであろう。
その辺を実にタイムリーに調査して分析した記事があった。マーケティング関係者にとっては、かなり "貴重な指針" となりそうである。
―――― <スマートフォンユーザーの実態と展望
目次
■ スマートフォンユーザーとは?
■ "アーリーアダプター層"へ急速に広まるスマートフォン
■ 購買行動にも変化、スマートフォンが消費に与える影響とは
■ インフルエンサーであり、情報キーマンとなったスマホユーザー
■ 調査で分かったスマートフォンユーザーの特徴( 江尻 尚平/丸山 夏名美 )>( スマートフォンユーザーの実態と展望/ITpro/2011/08/29~2011/09/02 )
シリーズで掲載されたこの記事は、種々の調査項目によって浮かび上がった "スマートフォンユーザー" 像を、以下のように提示して締め括っている。
―――― < ●調査から得られたスマートフォンユーザーの特徴 【 図表 】
● スマートフォンユーザーは、スマートフォン購入以前と比較すると日常生活や価値観に変化があり、スマートフォンは消費者の行動に影響を与える
● 情報収集・発信ともに「量」「機会」「利用する手段やツール」が増え、情報感度が高まり、アクティビティが増える
● スマートフォンユーザーは、購買機会が増え、消費意欲が高い
● スマートフォンユーザーは、情報感度が高く、人脈が広く、情報発信力が高いインフルエンス力が強い
>( 調査で分かったスマートフォンユーザーの特徴/ITpro/2011/09/02 )
それはそうとして、調査結果を "どう読む" のかは、人それぞれであろう。
今ここでは、この何日かこだわってきた< "情報過多" 時代環境と "キュレーション" > とでもいう観点で読み直してみる。
すると、"情報過多" 時代環境に対峙するスタンスで登場したスマホでありながら、一面では、<ユーザーが情報の量とスピードに追いつけず、使いこなせていないのだ。情報が増えるということはメリットばかりでなく、その情報環境に対応しきれないという弊害>が発生しているとの指摘が気になった......。
―――― <情報収集/発信に関する変化
【 良かった点 】
● 思いついたアイデアをすぐに確認できる。(47歳/男性)
● パソコンと同じように使え、かつ立ち上げの煩わしさがない。(33歳/女性)
● うろ覚えな情報は即座に検索できるので、誤った情報を流すことが少なくなる。(50歳/男性)
● TwitterやFacebookの操作が簡単で見やすくなり、様々なアプリや機能から情報を簡単に共有することができる。(27歳/男性)
【 悪かった点 】
● 自分でじっくり考えるよりネットに頼ってしまうことがある。(35歳/男性)
● 年中使ってばかり。依存症になる。(40歳/男性)
● 場所をわきまえずに情報を発信してしまう。(45歳/男性)
● 発信が増えたことで、逆に常に監視されているように思える。(37歳/男性)
「良かった点」としては、「必要な情報が瞬時に手に入る」「アイデアをすぐに確認できる」「誤った情報を流すことが少なくなる」などが挙がり、入手しやすくなった情報を賢く利用していることが分かる。一方で「悪かった点」として「自分で考えず、ネットに頼ってしまう」「情報発信先が増えすぎた」「場所をわきまえずに情報発信してしまう」などが挙がった。つまりユーザーが情報の量とスピードに追いつけず、使いこなせていないのだ。情報が増えるということはメリットばかりでなく、その情報環境に対応しきれないという弊害が、発生せざるをえないようだ。 >( 購買行動にも変化、スマートフォンが消費に与える影響とは )
その "気掛かり" な点は、どうも消費行動にもそのまま波及していそうであり、下記のように<情報に接する機会が増えると、当然ながら消費者の購買行動に影響を与える接触情報量も増える。その情報に流されて衝動買いが増えてしまうか、情報を賢く利用して「購買者視点」を高めるか。しばらくは消費者の二極化が進みそうだ。>と分析されている。
―――― <商品・サービス購入/お金の使い方の変化
【 良かった点 】
● 家にいなくてもネットショッピングが楽しめる。(38歳/男性)
● いろんなジャンルの商品を気軽に探すようになった。(48歳/男性)
● 買いたいものについて、いつでも詳しく調べることができる。欲しい曲がすぐダウンロードできる。(59歳/男性)
【 悪かった点 】
● 実際に商品を手にとって納得できてなくても買ってしまいがち。(45歳/女性)
● たくさん情報があって、信用できるサイトかどうか分からない。(22歳/女性)
● 手軽に見られるのでつい色々買ってしまう。(25歳/女性)
「良かった点」としては「家にいなくてもネットショッピングができる」「色々な商品やサービスを気軽に探せる」などが挙がり、「悪かった点」としては「納得できなくても、ついつい買ってしまう」「衝動買いが増える」などの回答があった。情報に接する機会が増えると、当然ながら消費者の購買行動に影響を与える接触情報量も増える。その情報に流されて衝動買いが増えてしまうか、情報を賢く利用して「購買者視点」を高めるか。しばらくは消費者の二極化が進みそうだ。 >( 購買行動にも変化、スマートフォンが消費に与える影響とは )
こうした "気掛かり" は決して偶発的なものではなさそうに思われる。多くのスマホ・ユーザーが、同時に "ソーシャルメディア(SNS)" に依拠しようとしている傾向を、 "情報過多" 環境での戸惑い払拭! だと見れば、それなりに納得できる。 とすれば、"ソーシャルメディア(SNS)" は、"情報過多" 環境難民(?)の有効な "受け皿" 役を果たしているのか、そこが気になる...... (2011.09.04)
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