"スマートフォン" の "スマート" さ(超小型ポータブルPC、Anytime/Anywhere、快適な操作性......)には、必然的に "接触情報量増大" が含意されていると見てよかろう。それが言い過ぎであるなら、"スマートフォン" はそのユーザーに、急激な "接触情報量増大" をもたらしがちだと......。
もちろん、スマホ登場以前からも、情報化時代の現代が "情報過多" 時代でもあることがしばしば指摘されてきた。要するに、情報の受け手側の "情報そしゃく(処理)能力" を大幅に上回ってしまう過剰な情報環境が、さまざまな問題を引き起こす! と警戒されてきたわけだ。
過剰な情報群は、最悪は "アパシー(無反応)" の心境をもたらしたり、そうでなくとも "真贋" の見極め判断を難しくさせたり......と。
そして、環境が持つこうした弊害のために、情報先進国ではその弊害へのプロテクト策として "情報リテラシー" 教育の機運が高まり、初等教育でも実践されるようになった、と。
今確実に始まっている "スマホ時代" にあって、改めて、この "情報についていくリテラシー= "情報そしゃく(処理)能力" 課題が、注目されなければならないと思われる......。
昨日、<"スマートフォンユーザー"のある部分には"接触情報量増大"で戸惑いも?>( 調査結果に見る"スマートフォンユーザー"の実像/"接触情報量増大"で戸惑いも?( 当誌 2011.09.04 ) )と書いたののだったが、実は、以上の "懸念" がわだかまっていたからなのである。
まあ、こうした "懸念" は差し当たって "どうでもいいこと" なのかもしれない......。とりあえず、スマホ実機デバイスの売れ行き、通信契約数の伸びには直接的には関係なさそうであるし、むしろ、余計なことなのかもしれず、「ご使用にあたっては、自己責任でご活用ください」と言い添えれば済むであろうからだ。
また、"スマホ普及" による 「携帯電話回線:スマートフォン普及でパンクする恐れ」/毎日jp/2011年9月3日 が生じたとしても、また、今や普及盛りの "Android スマホ" がハッカーによる格好の攻撃目標とされ続けていても、差し当たって困るのはエンドユーザーであって、デバイス・メーカーやキャリアではないという事情が横たわっていたりもする......。
それにしても、日本社会は、情報環境の激変に対して何と "ルーズ" なのだろうかと感じないわけにはいかないが......。
さて、現時点でのスマホ普及(率)下では、昨日の調査結果でも、<"スマートフォンユーザー" = "アーリーアダプター層"(新しい商品やサービス、技術や知識、ライフスタイルなどが登場したとき、早い段階でそれを購入・採用・受容する人々、層)>だ、と見なされていた。
ということは、"アーリーアダプター層" とは概して "情報イノベーター" でもありそうなので、"情報過多環境についていくリテラシー" にも長けていそうである。(にもかかわらず、調査結果に "情報を使いこなせていない" 人たちが指摘されていた点が要注意!)
しかし、今後 "スマートフォンユーザー" が、"情報フォロワー" と呼ばれる人たちへと確実に普及していくことは眼に見えていよう。
【ex.】 <2015年には携帯電話の全利用者のうち半分以上がスマートフォンを持つようになる>( 本田雅一著『携帯電話がなくなる! これからスマートフォンが起こすこと。 パソコンは消える!』(東洋経済/2011.06.02 )
ということは、スマホによる急激な "接触情報量増大" で "戸惑い" 感覚に投げ込まれる "スマートフォンユーザー" が、日増しに増加していく、ということになる......。
ところで、ちょっと気になる別の調査結果にも眼を向けておきたい。
一般的に、環境変化に対して "若年層" は柔軟ではないかと受けとめられているが、その通念に相反する結果のようだったからである。
やや古くなる(まる一年前)が、ある調査結果によると以下のように、<年齢が若くなるほど「情報が多すぎて、処理できない」という人が多くなる>というのである。
―――― <調査リポート 情報収集が苦手な人の、メディア接触の実態 「情報が多すぎて、処理できない」と感じることがある人はどのくらいいるのだろうか。20~49歳の男女に聞いたところ、年齢が若くなるほど「情報が多すぎて、処理できない」という人が多くなることが、M1・F1総研の調査で分かった。また「情報収集が非常に苦手」という人も、若くなるにつれ増加傾向にあることがうかがえた。
......
「一見、若い人の方が情報リテラシーが高いと思われがちだが、今回の調査から、意外にも情報洪水のような状況についていけなくなっているのは、若い世代で増加傾向にあることが分かった。......」>( 調査リポート 情報収集が苦手な人の、メディア接触の実態/BusinessMedia 誠/2010年08月26日 )
高々、情報端末でしかない "スマートフォン" の、その普及が、何か "大変な事" を引き起こすとの予感は、まさに杞憂と言うべきかもしれない。まして、"携帯電話" の普及による環境変化を過小評価した人たちにとってはそうであるに違いない。
しかし、"携帯電話" の普及が "不倫" 誘発(?) だけではなく、家庭をはじめとした日本社会( 相撲協会? )のジワジワ変質を陰で支えた功労者(?)だったかも......、と仮にも感じるならば、仇や疎かにはできない。別に "不倫" 誘発(?) が倍増するというのではなく...... (2011.09.05)
コメントする