インターネット時代にあっては、地域は、商店街をはじめとしてとかく "頭越し" で素通りされてしまう傾向が強かった。特にモノの販売については際立っていたようだ。
近くの店舗で買うよりも、ネットを通じて大手通販業者などから、低価格かつ送料無料サービスで入手した方が "得" という事情がそうさせているのだろう。
ただ、通販には馴染まない "飲食店、サービス業" などの場合は、かろうじて地元密着営業でつないできた。
そんな地元密着サービス業の店舗とそのローカル広告が、ここに来てスマートフォンの普及などで新たな局面を迎えつつあるという。
所定のウェブサイトを開くと、"GPS" が活用されて発信者の現在位置が把握され、近所にあるレストランや美容院などの店舗情報が地図とともに表示されるサービスだ。
特に斬新さのあるウェブサービスだとは言えないが、これまで "頭越し" で素通りされがちな地元地域が、スマホ普及によってインターネット空間へと足を踏み入れている様子が覗えて、注目に値すると思えた。
スマホに対するローカル広告の "積極的アプローチ" では、"店舗に近づくと、無線LAN経由のスマホ向けプッシュ配信" ( 参照 <"iモード/プッシュ型情報配信"の"スマートフォンWi-Fi"版「スマートプッシュ」!( 当誌 2011.05.30 )> )という手法も登場していた。
いずれにしても、このスマホの急速な普及を、地元地域商店街などが "指を咥えて眺めている" だけではいかにもアンバランスであるに違いない。
手軽にインターネット活用が可能となったスマホを、地域社会での日常生活においてスマートに活用できる、そんな仕組みを積極的に展開して欲しいと思う。
―――― <携帯へ近くのお店ご案内 スマホ普及で利用拡大狙うインターネットを通じて携帯電話に周辺のお店の情報を配信するサービスが広がってきた。ヤフーやリクルートが6月に始めたほか、7月にはネット交流サイトのフェイスブックも参入。スマートフォン(多機能携帯電話)の普及で、利用拡大を見込んでいる。
ネットサービス大手のヤフーは6月1日から「ヤフーロコ」という名前でサービスを始めた。利用者が携帯電話で「ロコ」のウェブサイトを開くと、利用者の位置が把握できる携帯電話の全地球測位システム(GPS)を通じて現在地がサイト側に伝わり、近所にあるレストランや美容院などの店舗情報が地図とともに携帯の画面に表示される。近くにあるお店を手軽に探すことができ、割引クーポンをもらうこともできる。利用料は無料。ヤフーはロコに登録しているお店や施設側から情報掲載料やサイト利用者からの問い合わせ件数に応じた料金をとる。現在の登録数は数万件。8月にはクレジットカード大手ジェーシービー(JCB)と業務提携を結び、JCB加盟店の情報を配信できるようにして、利用拡大を目指す。
急速に普及が進むスマートフォンは、大きな画面をタッチパネルで簡単に操作でき、従来の携帯電話よりネットを使いやすい。ヤフーの喜多埜裕明常務執行役員は「今後はスマートフォンで得た情報をもとに、お店で買い物をする人が急増するだろう」と期待する。
リクルートも6月下旬、ロコと同様のサイト「レコチェック」を開始。クーポン誌「ホットペッパー」や旅行情報誌「じゃらん」などの店舗情報をサイトに取り込み、飲食店やホテルなど全国300万件の施設情報を集めた。
フェイスブックも7月から、GPS機能を利用して近くのお店のクーポンを手に入れるサービスを始めた。クーポンを手に入れたことを交流サイトの友達に知らせる機能もあり、お店側に宣伝効果の高さをアピールする。(牧内昇平)>
( 携帯へ近くのお店ご案内 スマホ普及で利用拡大狙う/asahi.com/2011.09.09 )
スマホの普及が、地域経済の活性化や地域生活の快適化につながることを、とにかく期待したいものである...... (2011.09.11)
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