昨今、ウェブサイトのビジネス・ニュースなどで、"中小企業" の活躍ぶりが報じられる機会がめっきり少なくなってきたかに思う。
日本経済全体が長期にわたり低迷していることを踏まえた上でも、ことさら "中小企業" の景気動向が気掛かりとなる。何しろ国内の "全就業人口" の "7割以上" がこの階層に属しているからである。
◆参照 ■全企業の従業員数に占める中小企業の従業員の割合
※ 中小企業 約2996.3万人/70.2% 大企業 約1269.3万人/29.8%(総務省「事業所・企業統計調査」2001年) 実際上、両者の比率が "1対9" との見方さえある。
長引く "デフレ傾向" が懸念され続けているわけだが、"全就業人口" に対して大きな比率を占める "中小企業"、ここが振るわずして、消費全体の低迷ぶりが大きく改善されることはないのではないか、と危惧される。
もちろん大企業の国際的競争力の発揮も望まれる。だが、"景気の波及" が従来からの "大企業 → (外注化) → 中小企業" という図式だけではなさそうな現状を見つめると、"中小企業" 群は "自立路線" で活性化を図らざるを得ないとも言われている。今こそは、"中小企業" 群の独自な活性化が大いに期待されるところなのであろう。
思えば、"中小企業" は、痛烈な打撃を受け続けてきた。構造的とさえ見える "日本経済の長期低迷" により、そして中国をはじめとする "東アジア諸国の急成長"、加えて "円高" 為替相場、さらにここに来ての "東日本大震災" による被害などによってだ。
元より "中小企業" は、労働力人口の高齢化問題やら、経営の自立化・国際化の遅れという難問をも背負い込んできた。
しかし、大企業の "下請け" に甘んじてきた "中小企業" に事情の変化(余儀なく自立! 自立から挑戦! 挑戦を刺激・支援するIT環境!)が生まれつつあることも見逃せないはずであろう。決して平坦な上り坂ではないとしても......。
こうした苦しい瀬戸際的な状況下だけに、下記のようなシビァな記事は、やはり厳粛に受けとめざるを得ない......。
―――― <中小企業ランク、日本は1社のみ アジア版、中国香港が最多【シンガポール共同】米経済誌フォーブス(アジア版)は31日、アジアの中小企業の業績についてまとめた200社のランキングを発表、中国・香港からのランク入りが65社に上り、国・地域別で最多となった。一方、日本からは自転車・関連部品販売のあさひ(大阪市)1社にとどまった。
日本企業のランク入りは09年が24社、10年が2社。今回さらに数を減らした。
中国・香港企業の売上高平均は過去3年で43%増。中国でネット事業を展開するアリババ・ドットコムなどが入選した。
国・地域別の2位はインドで35社。台湾、韓国、マレーシアなどが続き、日本は14位だった。
( 中小企業ランク、日本は1社のみ アジア版、中国香港が最多/【共同通信】/2011.08.31 )
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"暗い事実" ばかりに眼を向けても始まらない、という向きもありそうか......。しかしあえて書こうとしたのは、とかく大手メディア(全国紙)は、"中小企業" に関しては地方紙が書けばいいとばかりに "さり気なさ過ぎる" からかもしれない...... (2011.09.16)
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