<お金は人を幸せにするか(WIRED誌)>/国内メディアの記事は人を幸せにするか? ......

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 "WIRED JAPANESE EDITION" が気に入っているため、このブログでもしばしば引用している。それに対して、こう言っては波風も立ちそうだが、"国内" メディアの記事ははっきり言って「おまえの話は、つまらん!」( 大滝秀治氏のCM )の一言である。
 なぜなのかは、現場の編集スタッフは百も承知していそうな気がする。どこでもそうだが、承知していないのは、スポンサーの御機嫌覗いに汲々としている "患部(幹部)" なのだろうとお察しする......。

 現代という環境にあっては、IT事情が人々の生活のあり方を深く揺さぶっているため、この分野の「変化にまみれる日々を凝視......」し続けている。
 もちろん、個々のIT製品のデビューや消沈に主たる関心があるわけではない。(個人的には楽しんではいるが......。)時代環境を揺さぶるような脈絡の有無、それが興味深い対象なのであり、そんな視点から日々の関連記事をむさぼっている。
 そうしていると、昨今では、国内の主要メディアの記事が、何とも "退屈!" に感じられてならなくなった。こんなものは、関連業界の、関連会社の、関連部署の関係者しか取り沙汰しないのではなかろうか......、という印象が拭い切れない。現場も、"アリバイ" 作りで汲々としているのかなぁ、と......。

 しかし、独自な視点もなく、記事の向こうに覗い知れるのがスポンサーや "患部" の意向だけというのは情けないじゃないですか。「おまえの話は、つまらん!」のワケは、しっかりと読者たちの潜在的関心のあり所を探ったり、それに向かい合うことをしないからなんでしょうか......。
 そこへ行くと、"WIRED JAPANESE EDITION" の視点は実にアクティブそのものだ。自信をもって記事選別をしているのだろう。こうした視点の記事を喜んでくれる読者を増やしたいと念じているに違いない。だから、読む方は、ワクワクとした気分にさせられる。

 今、環境は、とりわけ日本の環境は、自然現象の話だけに止まらず、"深層崩壊" というこれまで聞き慣れるない言葉に戦々恐々としている。社会現象に限って言うならば、旧態依然とした組織風土の危機であり、もはや "表層" 部分の手直し程度では乗り切れないところにまで来ている、ということ......。

 片や、時代感覚がアクティブな "WIRED JAPANESE EDITION" は、今日も、ナイーブ過ぎるとさえ見えながら、読者たちの日常的センスに段差なしで繋がる的確な記事を書いていた!

―――― お金は人を幸せにするか
 通勤に1時間を要する人の場合、職場に歩いて通える人と同程度の満足度を得るためには、その人よりも40%多くお金を稼がなければならない----お金と幸福の関係について考察。

 贅沢な生活から必ず利点が得られるわけではなく、得られるものが減少していくこともあるということについて、デイビッド・ブルックスは『New York Times』紙に優れたコラムを書いている。

 お金をかけることでプライバシーや優雅さは得られるものの、生き生きとした社会性を失うということがしばしばある。
 筆者がかつて訪れた大学には、『Hillel House』というユダヤ人会館があり、それは大きくて豪奢な建物だった。しかし学生たちは、近くの『Chabad House』のほうが好きだという。そちらはルバビッチ派[正統派ユダヤ教の一派]が運営する場所で、ソファは裂け、部屋は狭かったが、そちらのほうがくつろげると学生たちは話していた。
 この「くつろぎの境界線」は、ほかのレストランやバー等にも存在しうる。安食堂やファミリーレストランでは、人々はリラックスして大声で笑い、会話に割り込み、集団的な幸福感がある。ウェイターにも話しかけ、別のテーブルの人に話しかけることすらある。一方、より上品なレストランでは、食事は上質で雰囲気も洗練されているが、どんな行動が許されているかについてはより厳しいルールがある。(略)
 近隣コミュニティーも同様だ。アラン・アーレンホールトの『The Lost City』によれば、人口密度が高かったかつてのシカゴでは、子供たちは家から家へと移動し、人々がたむろしておしゃべりをすることも多かった。そして、お金ができた人は、もっと大きな家に住める郊外に移動したが、そこは隣人のことを誰もがよく知らない社会だった。

 われわれの社会は幸福を追求しようとしているが、そこにはパラドックスがある。[2002年のノーベル経済学賞を受賞した米国の心理学・行動経済学者]ダニエル・カーネマンは、数十年にわたって幸福を研究してきた成果を、次のように総括している。「幸福とは、自分の愛する人、自分を愛している人とともに時間を過ごすことだと言っても、あながち言い過ぎではない」。

 しかし問題は、われわれがこの原則に従ってお金を使うわけではないということだ。われわれは、ロレックスの時計やルイ・ヴィトンのバッグ、プラダのTシャツといったものにお金を費やしたがる。

 [人がどんなときに幸福を感じるかという測定は難しいが、さまざまな活動に関して、不快な心理状態で過ごしている時間の割合を使って、幸福や不快を測定しようとする] 「U指数」(U-index)というものがある[Uは「unpleasant(不快な)」「undesirable(好ましくない)の略]。以下は、米国中西部のある都市に住む女性1,000人余りを対象にした調査の結果だ。

 女性たちが不快な状態で過ごしていた時間は、朝の通勤時間の29%、勤務時間の27%、子どもの世話をしている時間の24%、家事をしている時間の18%、テレビを観ている時間の12%、そしてセックスをしている時間の5%を占めていた。
 子どもの世話のU指数には複雑な要素がからむため、ここは通勤時間に焦点を絞ろう。通勤は最も不快な行動のように見えるが、注目すべきは、この調査結果は単にラッシュアワーの苦痛を証明するだけではないという点だ。

 [『幸福の政治経済学--人々の幸せを促進するものは何か』(邦訳:ダイヤモンド社2005年)という著作を発表した]スイスの経済学者ブルーノ・フライとアロイス・スタッツァーは、「通勤パラドックス」(commuting paradox)と彼らが呼ぶ傾向を明らかにした。それは、人は住むところを選ぶとき、長い通勤時間の苦痛を過小評価するというものだ。

 つまり、たとえ45分余計に通勤時間がかかっても、部屋数が多く芝生の庭も付いた郊外の家に住めば幸せになれると人々は考えがちなのだ。しかし実際には、長い通勤時間はそれに見合うものではないということがわかってくる。フライ氏とスタッツァー氏の計算によると、通勤に1時間を要する人の場合、職場に歩いて通える人と同程度の満足度を得るためには、その人よりも40%多くお金を稼がなければならないという。
 ......
 われわれには、お金を適切に使うということが難しいようだ。さらに、富を得て、贅沢な暮らしをするようになると、天気の良さや冷えたビール、チョコレートなどといった「日常の些細な喜び」を味わう能力が低下するという研究結果も存在する(日本語版記事)。{この翻訳は抄訳です}

TEXT BY Jonah Lehrer
TRANSLATION BY ガリレオ -高橋朋子/合原弘子
お金は人を幸せにするか/WIRED JAPANESE EDITION SCIENCE/2011.09.07


 それにしても、たとえITジャンルの話題ではあっても、"人の顔、人の吐息" が感じられる記事、というあり方は十分あり得ると思われる。問題は、どこに "ベクトル" が向いているか、なのであろう...... (2011.09.10)













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