企業でのソーシャルコンピューティングに立ちはだかる緊急"10個の問題"の各々! ......

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 企業における "ソーシャルメディア" への対応について、昨日に引き続き、現時点だからこそ貴重だと思われる "サイト記事" :<エンタープライズソーシャルコンピューティングの導入に立ちはだかる10個の問題>のレビューをしている。
 "ソーシャルメディア" 対応は、"総論" では歓迎されながら、各論、具体論となると "藪の中" となりがちなのではなかろうか。
 それも止むを得ないと思われるのは、まったく "新しいアプローチ" だからであり、技術面のみならず、ある意味では企業経営のスタンス自体の "リニューアル" を迫るものだからであろう。それを進める "コンピューティング" の目的についても、従来のような "効率化志向" ではなく "(事業)効果志向" なのであり、その対象範囲も企業内に留まらずビビッドな "顧客" 空間に及んでおり、しかもその空間と "膝を交える" アクションがなければ奏功しない......、となればこの課題の "新しさ" は決して並みではないはずなのである。
 また、この課題は "消滅したくない!" 企業にとって、たぶん単なる "選択科目" ではなく、"必須科目" として浮上していることに注意しなければならないはずであろう。

 ただこの辺の切迫した事情は、こんなブログとは無縁の "守旧派経営者(?)" には理解不能(!)なのであり、事情に精通できる、あるいはしようとしている "世代"( "スマートネイティブ" やその兄貴分たち )がアドバイスや突き上げをしなければ呑み込めないのかとも危惧しているのだが......。
 ただこの "世代" とて、"タテマエ仕事" と "ホンネ私生活" との分離を潔しとしたくないならば、"タテマエ仕事" の現場であるに違いない現在の企業の "出口なし状況" を見て見ぬふりをしているのは......。

 下記引用の "10個の問題" については、それぞれに私見を書きたいところではあるが、ただただ日毎のブログとしては長すぎることになる。
 一つだけ強調しておきたいと思うことは、これらのすべてが、決して "コンピューティング" という "技術的" 領域の問題ではなく、実は "ヒューマン・アフェア(人的事柄)" 以外ではないと思われる点なのである。"ソーシャル" な事柄とはそういう事なのだ。
 たぶん、それに "確信" が持てないところに "藪の中" 的困惑が満ちているのかと思われる。"技術的" 領域の問題は遅かれ早かれ着地点を見出すものだ。しかし、"ヒューマン・アフェア(人的事柄)" というものは、"センスの良い者の情熱と行動" 無くしては一向に着地点を見いだせないものではなかろうか。

 なお、下記の引用にあたっては、元の記事が丁寧過ぎるため、主旨が歪まない範囲で "要約" してあります。


―――― エンタープライズソーシャルコンピューティングの導入に立ちはだかる10個の問題
ビジネスにおけるソーシャルコンピューティングにまつわる10個の問題

1.ソーシャルメディアを使いこなせる従業員が少ない。

 ブログの運営や、Wikiサイトの更新、ソーシャルネットワークの利用、社会との情報共有といったことを行っていない従業員は、そういったことを行っている従業員よりも手厚い教育が必要となる。彼らは、データ間の関連の蓄積や、情報のタグ付け、ネットワーク越しの「弱い絆」の確立といった、ソーシャルコンピューティングプラットフォームを最大限に活用するうえで重要となるテクニックだけではなく、ネチケットの基本でさえも、よく理解していないことが多い。
 要するにほとんどの企業では、ソーシャルコンピューティングを効果的に活用するうえで、何らかの教育が必要となる。

2.ソーシャルツールがうまく機能しない業界もあるという認識がある。

 すべての業界とは言わないまでもほとんどの業界においてソーシャルコンピューティングツールに利用価値があるという事例証拠が集まってきている。ただ、他社との競争がそれほど激しくなかったり、特殊性が高かったり、テクノロジの採用にあまり積極的ではない企業では、そういったツールに対して抵抗する文化(こういった抵抗は、変革というもの一般に対してよく見受けられるものであり、エンタープライズソーシャルツールに対してのみというわけではない)が未だに根強く残っている。

3.ソーシャルソフトウェアを事業の中核アクティビティに利用するにはリスクが大きすぎるという認識が未だにある。

 ソーシャルコンピューティングは基幹業務、すなわち企業の屋台骨を支える業務には向いていないと捉えられている。こういった認識が生まれる原因は、不確実性や統制不能な状況の発生に対する懸念に始まり、企業損益を含む事業の状況に直接的かつ即時に影響を及ぼすようなマイナス要因を企業活動にもたらしかねないという憂慮まで、さまざまなものが考えられる。
 しかし興味深いことに、ソーシャルツールを配備することで最も大きな影響がもたらされるのはまさにこういった領域なのである。具体的には、意思決定の質が向上したり、重要なデータ(あるいは必要な情報を握っている専門家)の検索/アクセスが可能になることなどである。実際のところ、筆者はソーシャルツールによって職場に大きな混乱がもたらされたという事例を見つけることができなかった。


4.上級幹部にソーシャルツールを使ってもらえない。

 大企業におけるほとんどの上級幹部のITシステム利用は、業績情報画面であろうと閲覧のみに終わることが多い。企業におけるソーシャルツールの採用は、その企業の上層部が率先して利用する場合に大きな効果を発揮するものだが、上層部の人々はそういったものの利用に割ける時間が最も少なく、実践的な利用経験もほとんどないことが多い。そして上級幹部が、公私を含むほとんどのソーシャルコンピューティングへの取り組みに参加していないという話を近頃しばしば耳にする。ソーシャルコンピューティングには、組織内およびネットワーク間に存在する「思考の余剰」(cognitive surplus)を利用するという意味合いが強く残っている。

5.IT部門と、ソーシャルコンピューティングのイニシアチブをとる業務部門との息が合っていない。

 IT部門と業務部門の間に存在する悪名高い溝のせいで、ソーシャルコンピューティングのイニシアチブが何カ月も、場合によっては1年以上も進展しなくなることがしばしばある。
 また、優れたソーシャルコンピューティングアプリケーションの多くが、新興の小規模企業によって開発されており、エンタープライズにおいて従来から提示されている要件をあまり重視していないということも、こういった問題に拍車をかけている。
 またIT企業も、ソーシャルコンピューティングのビジネスにおける側面をあまり理解できておらず、手元にある既存のソリューションを用いてビジネスニーズを解決しようとする傾向にある。こういったこと自体が、感情的な問題に発展し、解決されるまで取り組みが進展しなくなることもしばしばある

6.ソーシャルソフトウェアに対するサポートを取り付けるには、ROI【 投下資本収益率 ※ 引用者注 】を明示する必要がある。

 ソーシャルコンピューティング固有の特異性というものも確かに存在しているとはいえ、成功事例が増加している現状において、ROIが明確ではないという反対意見は力を失いつつある。

7.セキュリティに対する懸念のせいで、パイロットプロジェクトや採用計画が滞る。

 ソーシャルツールによって、通常であれば社外に公開されないようなこと(企業ポリシーや手順、重要な手法、企業データ、知的財産など)も一般の目に付きやすくなるため、多くの企業はこういった重要な問題に対処するためのベストプラクティスが確立されるまで、ソーシャルコンピューティングの本格導入を見送ろうと考えている。
 ソーシャルコンピューティングツールにおけるセキュリティとガバナンスのいずれにも対処するツールが好意的に受け入れられる例が、このところ驚くほどに増えている。

8.コミュニティマネジメントにまつわるニーズの発生が驚きをもって受け止められる。

 ソーシャルツールによって、理解を共有し、一体感を持つだけではなく、コミュニティ自身に内包される方向性に従った顧客コミュニティが生み出されるようになる。こういったコミュニティはいずれ一人歩きを始めることになるだろう(そしてそうあるべきだ)が、適切なマネジメント(支援やサポート、指導、介入、管理、計画)を行わなければ、あなたの関与できないところで進んでいくことになるはずである。
 コミュニティマネジメントとは、コミュニティ自身の要求を満たしつつも、彼らを企業やその目標/ニーズにつなぎとめておく能力のことである。業界としてまだまだ学習する必要があることなのである。

9.持続的に社外のマネジメントを行うことの難しさがある。

 多くの企業が独自のソーシャルコンピューティングイニシアチブを推し進めながらも幅広い顧客層を巻き込むことに難渋している。彼らがコミュニティを構築しても、彼らのターゲットである顧客層は自分たちが構築したコミュニティの方を好むという結果に終わることもしばしばある。特に、企業の構築したコミュニティのアプローチに疑念を抱いたり、自分たちのニーズに対応しきれていない(特定のジャンル全般を扱ったり、ニッチなものを対象とすることなく、特定企業の1つの製品に焦点を当てているなど)と感じた場合にその傾向が強くなる。
 活気のあるソーシャルコンピューティング環境の構築は未だ科学に負けないほど芸術の比重が高い。

10.予想以上の成功を収めたことにより、継続が困難になる。

 エンタープライズソーシャルコンピューティングの成功によって、企業内から大きな注目が集まるようになり、その後社内での勢力争いや、主導権の奪い合い、競合する取り組みとの対立が起こるなかで、急速に成長する野心的な事業の資金確保に苦労するようになったという話も聞こえてきている。
 多くの企業にとって、ソーシャルコンピューティングというものは事業を進めるうえで、まったく馴染みのない方法であるため、新たな取り組みが急速な成長を遂げた場合、きっちりした管理や、計画の立案、期待レベルの設定を行わない限り、災いの元凶となりかねないのである。
 社内で味方になってくれ、周囲からの尊敬も得られている後援者の強力なネットワークを作り上げることが、この問題に対処するうえで特に有効となるはずである。>
エンタープライズソーシャルコンピューティングの導入に立ちはだかる10個の問題/ZDNet Japan/2009.08.04


 <多くの企業が独自のソーシャルコンピューティングイニシアチブを推し進めながらも幅広い顧客層を巻き込むことに難渋している。彼らがコミュニティを構築しても、彼らのターゲットである顧客層は自分たちが構築したコミュニティの方を好むという結果に終わることもしばしばある。>という側面にこそ、問題の深さが覗われる...... (2011.10.22)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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このページは、yasuo hiroseが2011年10月22日 00:01に書いたブログ記事です。

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