もう半月以上続いているという、米ニューヨーク・マンハッタンにある世界最大の金融街・ウォール街近くで始まった "抗議デモ" は、ロサンゼルスやボストン、シカゴなど全米各地へと拡大しているという。
低迷する経済、高失業率、広がる格差など、行き過ぎた市場経済に対して若者たちの不満に火が付いたかに見えるこの運動。
"ツイッターやフェイスブックといったソーシャルメディア" で若者らに広がり、運動の合言葉は「ウォール街を占拠しよう」であるとか。
"ソーシャルメディア" を通じて展開された運動スタイルは、昨年来、アラブ世界で民衆が強権政権を倒した「アラブの春」に共通していることに気付く。いや似ているどころか、どうやらこの「アラブの春」に触発されての動きなのだとも言われている。
ところで、上記の "低迷する経済、高失業率、広がる格差など" は、決して米国の現状だけに止まらず、この日本の状況も全く同じだと思われる。そして、ネットやスマホなどの普及についても差異はなさそうだ......。なのに、この国の "穏やかさ、静けさ" は一体何なのだろうか......。
別に、"眠っている子(?)" を起こすつもりはないが、今のこの国が置かれている状況が決して "安全地帯" ではないどころか、「ギリシャの惨状は対岸の火事ではない」という見込みがますます濃厚になってきている点を見逃すべきではなさそうだ。
◆ 参照
<「ギリシャの惨状は対岸の火事ではない」/ ついに「世界金融危機」の狼煙は上がった >( 大前研一の「産業突然死」時代の人生論/nikkei BP net/2011.09.28 )
以下、"米抗議デモ" の推移に関する記事3点を引用しておきたい。
◆ 記事 (1)
―――― <米抗議デモ各地に拡大 格差、高失業率に怒り
【ニューヨーク、ロサンゼルス共同】世界経済の中心地、米ニューヨークのウォール街周辺で始まった経済格差の是正などを訴える抗議デモは2日も続き、ロサンゼルスやボストン、シカゴなど全米各地に拡大した。低迷する経済や高い失業率への若者の不満に火が付いた形。参加者らはネットの交流サイト「フェイスブック」などを使って連携、関連サイトは全米100以上の都市で抗議グループがつくられたと表明しており、さらに抗議活動が広がる可能性もある。抗議グループは巨大企業や富裕層への憤りをあらわにしており、オバマ政権は富裕層への増税政策などを進める必要に迫られそうだ。
( 米抗議デモ各地に拡大 格差、高失業率に怒り/【共同通信】/2011.10.03 )
>
◆ 記事 (2)
―――― <反ウォール街デモで700人逮捕 格差是正など訴え
【ニューヨーク共同】米ニューヨーク市警は1日、世界金融の中心地ウォール街周辺で同日行われた格差是正などを求める抗議デモの参加者700人以上を、近くにあるブルックリン橋の車道に許可なく侵入したとして逮捕した。逮捕された大半は治安を乱した容疑などで裁判所への召喚状は出ているが、釈放された。AP通信などが報じた。抗議デモは「ウォール街の占拠を」がスローガンで、約2週間前から続いていた。格差是正や貧困撲滅、地球温暖化の防止などを訴える若者らがウォール街付近などで座り込んだり、デモ行進したりして、警官隊との小競り合いも起きている。
( 反ウォール街デモで700人逮捕 格差是正など訴え/【共同通信】/2011.10.02 )
>
◆ 記事 (3)
―――― <ウォール街デモ:市場経済行き過ぎ抗議 アラブの春に触発
【ニューヨーク山科武司】米ニューヨーク・マンハッタンにある世界最大の金融街・ウォール街近くで、行き過ぎた市場経済に抗議する運動が続いている。「ウォール街を占拠しよう」を合言葉に、若者ら数百人が公園に座り込んで格差是正や貧困撲滅などを訴える運動は30日で2週間。民衆が強権政権を倒した「アラブの春」に触発された動きといえそうだ。きっかけは環境問題を扱うカナダの雑誌「アドバターズ」の呼びかけ。ツイッターやフェイスブックといったソーシャルメディアで若者らに広がり、今月17日にウォール街から北に約200メートルの公園で座り込みが始まった。
高い家賃や高学費、失業問題、年金問題など訴える内容はさまざまで、「(国民の)1%が富を独占している。残りの99%の声を集めよう」と呼びかける人は多い。
口に1ドル札を張った姿で拝金主義に抗議していたロバート・カールソンさん(25)はミネソタ州在住の家庭教師。この運動に参加して6日になる。「この国には問題が多くあると皆に気づいてほしかった。アラブの人々も立ち上がった」と語り、「アラブの春」に触発されたことをうかがわせる。シカゴやサンフランシスコでも同様のデモや座り込みが始まっている。
一日に2回、「ゼネラル・アッセンブリー(総会)」と呼ばれる会合を参加者全員で開き、予定を決める。病気の参加者を治療する「医療班」や食料を担当する「食料班」のほか、集会やデモの様子をインターネット上に動画で流す「メディア班」もある。
警察との衝突も増え、24日にはデモの参加者約80人が公務執行妨害などで逮捕された。警官が参加者に催涙スプレーを吹き付けるトラブルも起き、ニューヨークのブルームバーグ市長は30日、「抗議する権利はあるが、抗議に煩わされない権利もある」と述べ、運動を抑止する姿勢を示唆した。>
( ウォール街デモ:市場経済行き過ぎ抗議 アラブの春に触発/毎日jp/2011.10.01 )
"ツイッターやフェイスブックといったソーシャルメディア" は、人々の "孤立化" を改善する有意味なIT環境だ。ただその活用の仕方は様々であり、"ソーシャルアプリ" のゲームに熱中するケースもあれば、まさに "ソーシャル" レベルで社会のあり方を問うケースも...... (2011.10.04)
コメントする