"Facebook" などに代表される "SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)" がネット上で発揮する影響力は、もはや無視できないどころか、注目せざるを得ないところまで来ているようだ。
さらに、その "Facebook" では先ごろ、<タイムラインとソーシャルアプリ>という機能に加えて、これらを連携させる新しいエンジンとなる<オープングラフ>を充実させ、より使い勝手が良くユーザーを魅了する "新しい動き" に出たという。
―――― <Facebookの新機能から読み解くソーシャルの未来
Facebookが革新的な新機能を発表した。ユーザーの個性を一望できるタイムラインと、外部サービスとの連携に活躍するソーシャルアプリが主なものだ。実はこれらはFacebookの壮大なプラットフォーム戦略を担う大きな意味を持っている。先週、FacebookはF8という開発者向けのカンファレンスを開催し、革新的な新機能を発表した。......Facebookが次に力を入れるのは外部サービスの拡充だ。特にメディアとライフスタイル分野に重点を置いている。Facebookが音楽や映画を楽しむようなプラットフォームと成り得るか、SNS最大手の新しい動きに皆が注目している。......>
( Facebookの新機能から読み解くソーシャルの未来/WIRED JAPANESE EDITION/2011.09.27 )
"新しい動き" の中心は、<(動詞の)オープングラフ>で構成されるのだと......。
<新機能を動かすエンジンは「動詞のオープングラフ」
タイムラインとソーシャルアプリの連携を生むエンジンとなるのは「動詞のオープングラフ」だ。これによりユーザーの日々のアクティビティが友だちにシェアされる範囲が広がる。......>( 同上サイト )
< Introducing Timeline -- a New Kind of Profile >
< A NEW Class of Social Apps on Facebook >
<(動詞の)オープングラフ>とはどういうものなのか? いま一つ、分かるようで呑み込めない......。そこで、この理解を助けてくれるような記事があったので、勉強がてら、以下に引用させていただくことにした。イメージとして理解できるとともに、これらの仕組みがもたらすであろう "恐るべき可能性" についても了解できそうである。
―――― <ビジネスモデルの破壊者たち・メディアがフェイスブックにひれ伏す日 進化するオープングラフの恐るべき可能性
メディアの「ソーシャル消費」が本格化してきた。これまで、書籍や音楽、映画、TV番組などは、友人の"お勧め"にしたがって消費することが多いとわかっていた。インターネット時代になって、ネット上で話題になっている映画がますます受けたり、ツイッターでリアルタイムにつぶやかれているTV番組に、多くの人々がチャンネルを合わせたりしていた。
これをもっと進めようというのが、先だってフェイスブックの開発者会議「f8」で発表された新しい「オープングラフ」だ。
オープングラフは、フェイスブックの友達が「今何をしているのか」を知ることができるというもの。友達が音楽を聞いているとか、テレビ番組を見ているとか、そうしたことが自動的に公開され、クリックすれば、音楽アプリや映像プレーヤーのアプリが開いて、友達が聞いているのと同じ音楽、見ているのと同じ番組を楽しめるようになる。
友達が同時に参加できるような仕組みは、フェイスブック上に統合されているジンガのようなソーシャルゲームにはすでにあった。隣の農園よりも作物をたくさん収穫できるように、トラクターや肥料を買ったりして競うゲームだ。しかし、同様に音楽や映画を、まるでそこに一緒にいるかのようにして友達同士で共有する仕組みはなかった。今回はそれを実現しようというわけだ。
フェイスブックは、音楽ストリーミングサービスのスポティファイ、映画やTV番組のストリーミングサービスを提供しているフールーやネットフリックス、あるいは名門新聞社のワシントンポストなどを新たな提携企業として発表しているが、今回のミソは、これらの企業が提供するアプリはフェイスブックの中だけで動くということだ。
つまり、友達がリンクを送ってくれて、それをクリックすると、たとえばフールーのサイトに飛んでそこで映画を見る、というのではない。フールーが提供するアプリは、フェイスブックのサイトを出ずして、その中で動き、その中で映画を見ることになるのだ。友達がフールーで映画を見ているというのも、そのアプリ経由で知らされることになる(プライバシー設定で公開しない選択も可能)。
「リアルタイムでセレンディピティ(偶然の幸せな出会い)が起こるんだ」と、フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグは説明したが、実はこれはメディア企業にとっては、カッと目を開いて洞察すべき変化である。
フェイスブックの中だけで動くアプリでメディアが消費されるということは、自社サイトにお客がやってこないということでもある。自社サイトでどんなにアピールしても、彼らの目には入らない。また、自社サイトでのユーザー行動の計測もできず、まったく異なった仕組みが必要になる。
それ以前に重要なのは、フェイスブックの友達の輪の中で話題にならなければ、存在しないも同然という時代がやってくることである。メディアは、どうやって友達に取り入って、その友達の友達に見てもらうのかを考えなければならなくなった。従来のマーケティング方法を、根本から考え直すことが必要になるだろう。
フェイスブック上でこうしたメディアコンテンツが消費された場合の収入がどう分配されるのかは、まだ明らかにされていない。ただ、はっきりしているのは、フェイスブックがメディアへの入り口に立ち、門番のようにドアを開け閉めできるようになるということだ。
もちろん、この動きは、ユーザーの行動データを収集するフェイスブックにとっては、さらに売りが増えたことを意味する。広告業界には、願ってもみない材料である。友達という狭い輪の中で共有されるものが明らかにされることによって、よりターゲット化された広告を打つことが可能になる。しかも、好みだけでなく、リアルタイムの行動までわかるようになるので、広告もリアルタイムで対応するといった新技術も開発されることだろう。そのとき、どれほどの数のメディアが、フェイスブックと対等の関係でいられるのだろうか。>
( ビジネスモデルの破壊者たち・メディアがフェイスブックにひれ伏す日 進化するオープングラフの恐るべき可能性/DIAMOND IT & ビジネス/2011.09.30 )
確かに、Facebook による今回の "新しい動き" で、ますます "SNS" ユーザーが、Facebook 空間内に "入り浸る" 流れが強まのかもしれない。その結果、メディアサイトにとっては "恐るべき可能性" だと目される点も頷けそうである...... (2011.10.02)
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