先日、"全米各地での抗議行動" について以下のように書いた。
―――― < もう半月以上続いているという、米ニューヨーク・マンハッタンにある世界最大の金融街・ウォール街近くで始まった "抗議デモ" は、ロサンゼルスやボストン、シカゴなど全米各地へと拡大しているという。
低迷する経済、高失業率、広がる格差など、行き過ぎた市場経済に対して若者たちの不満に火が付いたかに見えるこの運動。
"ツイッターやフェイスブックといったソーシャルメディア" で若者らに広がり、運動の合言葉は「ウォール街を占拠しよう」であるとか。
"ソーシャルメディア" を通じて展開された運動スタイルは、昨年来、アラブ世界で民衆が強権政権を倒した「アラブの春」に共通していることに気付く。いや似ているどころか、どうやらこの「アラブの春」に触発されての動きなのだとも言われている。......>( Facebookなどを使って連携/米抗議デモ各地に拡大/格差、高失業率に怒る若者!( 当誌 2011.10.04 ) )
この時には、<"ツイッターやフェイスブックといったソーシャルメディア" で若者らに広がり>と見えていたが、どうも "若者ら" に限定されない動きへと変わってきたような雰囲気なのである。
米国経済の低迷が続き、高い失業率もなかなか改善されない現状。また、変革を期待してオバマ大統領を選出したのにもかかわらず、状況が一向に改善されない苛立ち......。
「選挙を通して、変革ができなければ、自分たちが声を上げることで変革を目指したい」という国民が次第に増加しつつあるかのようだ。
―――― <米 格差解消の抗議行動広がる
アメリカでは、経済格差の解消を訴える抗議行動が、大都市から地方の中小都市に拡大するのに伴って、若者や学生だけでなく、家族連れや年配の人も抗議に加わり、参加者の層が広がりを見せています。
このうち、ロサンゼルスの南におよそ40キロ離れた都市、ロングビーチでは、今月2日から、市内の公園で抗議活動が続いています。
9日には、家族連れや年配の人などおよそ70人が集まり、「社会の99%を占めるのはわれわれだ」とか、「強欲な企業が影響力を持つシステムを終わりにしよう」などとハンドマイクを使って次々に主張していました。
2人の子どもがいるという34歳の会社員は、「家族がいる私にはロサンゼルスまで行くのが難しいので、ここで参加した。私たちには、社会のさまざまな問題を解決して、子どもたちに引き継ぐ責任がある」と話していました。
また、地元でのデモを呼びかけた主婦は、「オバマ大統領の言った変革は、ほとんど実行されず、がっかりしています。選挙を通して、変革ができなければ、自分たちが声を上げることで変革を目指したい」と話していました。
抗議行動が、地方の中小都市に広がるのに伴って、若者や学生だけでなく、家族連れや年配者も加わるようになり、参加者は社会のより幅広い層に広がりを見せています。>( 米 格差解消の抗議行動広がる/NHK NEWS WEB/2010.10.10 )
"抗議行動" が訴えるところの "経済格差の解消" という課題は、米国にとって決して容易なことではないはずだ。何せ、長らく "富める者:1% vs その他:99%" という格差構造(=政治勢力構造)を踏襲してきた米国である。 "抗議行動" の今後の動向については簡単には予想できないが、少なくとも、来年に "アメリカ大統領選挙" を控えているという政治的文脈に大きな影響を与えることだけは見えてきそうである...... (2011.10.11)
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