昨日は、「企業ブログ認知は検索エンジンより"ソーシャルメディア(Twitter)経由"が多い!」という調査結果から、"企業ブログ" への "水先案内(導線)" として "Twitter" に着目し、これを活用することの重要さについて書いた。
確かに、この事実の重要さは海外の調査結果によっても裏付けられているようである。それを知らされたのは、次のサイト記事であった。今回は、この記事をレビューしつつ、周辺の随伴する課題について検討してみたい。
◆参照 世界のマーケッターが選ぶ企業ツイッター活用術 ~ 9つの超定番/In the looop/2010.03.01
同サイト記事には、 "アンケート" 結果(<ここには5000人超のマーケッター(B2B/B2Cで分類)への貴重なアンケート調査が満載されている。この中で,Twitterを業務利用したことがあるマーケッターを対象に,実際にどのような手法が効果的だったかがヒアリングされている。> [ 同上サイトより ] )に基づき、企業にとっての極めて実践的な9つの<企業ツイッター活用術>が解説されていて、大いに参考となりそうだ。
とりあえず、"企業ブログ" への "水先案内(導線)" という "Twitter" の効果について見てみると以下のとおりである。
<効果5位) リンクを含むツイートでサイトへ誘導する
Driving traffic by linking to Web pages
B2B - 35.7% / B2C - 35.2%
最も一般的な利用方法だ。ただし自社リンクだけのアカウントは嫌われるので注意したい。それを避けるためにはユーザーとの個別コミュニケーションを積極的に図ること,またユーザーに役立つ情報をツイートすることだ。腕に自信があるなら軟式ツイートのような個性的なアピールを検討するのも良いだろう。日本ではフォロワー24万人超と最大級のアカウント Yahoo_Shopping を成功例としてお手本にしたい。リーダー長村氏のもと 3名 5名体制(長村氏よりご連絡あり。5名体制になられたとのこと!)で日平均30ツイートを運用している。うち,53%は個別ユーザーとのコミュニケーションに費やし,36%をリンクつきツイート(2009年9月統計)だ。このバランスやのんびりしたつぶやき感は大いに参考になる。>
[ 同上サイトより ]
やはり、"Twitter" の<最も一般的な利用方法>のようである。また同記事には、"Twitter" ならではの "注意事項、留意事項" が記されている。そうした "配慮" の必要性についてはまた別途検討してみたいが、とりあえず "ベテラン" のアドバイスを傾聴すべきところであろう。また、代表的な "国内事例" の紹介、実施上で活用できる<【推奨ツール】>についても紹介されているのでかなり情報価値が高いはずだ。
ところで、この記事には、上記の<効果5位) リンクを含むツイートでサイトへ誘導するを含み、計9つの<企業ツイッター活用術>>が解説されている。
それらを列記すると次のとおりとなる。
<効果1位) リアルタイムにPRの問題を監視する
Monitor Twitter for PR problems in real-time
B2B - 40.7% / B2C - 46.9%
効果2位) ブランドにネガティブなユーザーと接触する
Contacting Twitter users tweeting negatively about the brand
B2B - 36.7% / B2C - 44%効果3位) 刺激的な文章でクリックを促進する
Provocative text to drive link clicks
B2B - 34.8% / B2C - 40.6%効果4位) Twitterを通じてリアルイベントへの招待をする
Created an in-person event using only Twitter invites
B2B - 37.4% / B2C - 36%効果5位) リンクを含むツイートでサイトへ誘導する
Driving traffic by linking to Web pages
B2B - 35.7% / B2C - 35.2%効果6位) ポジティブなユーザーをマーケティングプログラムへ招待する
Invite Twitter users who tweet positively about a brand to do...
B2B - 34% / B2C - 33.9%効果7位) 最適タイミングのツイートでページビュー最大化を図る
Timing Tweets to maximize views
B2B - 26.9% / B2C - 30.5%効果8位) マスメディアを利用してフォロワーを増加させる
Increased Twitter followers using traditional media mention
B2B - 30.7% / B2C - 30.4%効果9位) 販促ページにリンクし,販売を促進する
[ 同上サイトより ]
Driving sales by linking to promotional Web pages
B2B - 22.4% / B2C - 24.6% >
こうして "ソーシャルメディア" における "Twitter" 活用の実際的運用面に足を踏み入れてみると、気づかざるを得ない課題が二つあるかと思われる。
その一つは、上記のような顧客関係の "フロント(最前線)" でのアクションは、もはや "あればあったに越したことはない" という飾りなぞではなく、無ければ "敗戦" にも繋がりかねないという点である。一時期の "ホームページ" の有無という課題は、今確実に "ソーシャルメディア" における "Twitter" などの活用の有無へとシフトしたと見なされている。
今や、"フロント(最前線)" でのアクションの如何によって、どんなに小さな出来事も一瞬のうちに(燃え)広がったり(ex.「炎上」)、あるいは逆に想定以上の経営的プラス効果に導かれたりもするからだとも言える。これが、"レバレッジ効果" を秘めた "ソーシャルメディア" 普及時代の特徴であるに違いない。
もう一つは、こうした "フロント(最前線)" でのアクションの担い手の問題なのである。一体誰が、どのようにこうした "ハイリスク、ハイリターン" 業務を遂行するのか、という課題のことだ。
この問題を考える時に想起すべきことは、"エンパワーメント[ Empowerment ]"(顧客の要望や環境変化に迅速かつ柔軟に対応するため、現場の社員の裁量を拡大するという考え方)であるに違いない。以前にも、以下のような叙述を紹介した。
<VOCにリアルタイムに反応するためには、企業アカウントの運用を担当する社員に、ある程度の権限・裁量を与える必要がある。従来の垂直型リーダーシップの組織体制は、見直さなければいけない。>( ソーシャルメディア対応の喫緊課題!/なぜ今,『ソーシャルCRM』が重要なのか?( 当誌 2011.10.23 ) )
さらに、"エンパワーメント[ Empowerment ]" 体制と表裏一体であるに違いないより効果的な "スタッフの育成/トレーニング" という課題も急浮上している点が見過ごされてはならないはずであろう。
いずれにしても、ソーシャルメディア/Twitterなどの実践的活用へと踏み込む際には、相応の組織的アプローチが不可欠なことだけは確かであろう...... (2011.10.27)
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