"表題" の事実は一見何でもないことのようにも思えるが、企業の Web マーケティング担当者にとっては見過ごせないもののはずだ。
下記のとおり、"CMS"製品「Movable Type(ムーバブル・タイプ)」で知る人も多い "シックス・アパート株式会社(six apart)" による調査結果として判明した "ちょっとした事実" なのである。
ブログを含む "ソーシャルメディア" の実態についてはいろいろなことが言われているが、意外と多いのが "憶測・推測" の域を出ないものだ。
しかし、現時点での企業による "ソーシャルメディア" 対応運用環境は、既に "実践段階" に逢着している。そこで必要な情報は、"確かさ" なのであり、"一般論" や "推論" に勝る "調査結果" が何よりも貴重であるに違いない。
この調査結果からは、ほかにもいろいろな事が示唆される。が、特に表題のとおりの事実と、しかもこの事実が<インターネット先進ユーザー>と思しきユーザーによって提起されていることに関心を向けてみたい。
先ず、<インターネット先進ユーザー>が調査対象であった点の意味であるが、これらのユーザーは、いわゆる "アーリーアダプター" 層とも見なされるユーザーであり、他層への影響力が大きいとともに、当該テーマに関する近未来予測に役立つと考えられることが重要であろう。つまり、今後 "一般ユーザー" がこの傾向に追随することが相応に予想されるということなのである。
次に、特に表題のとおりの "企業ブログ認知は検索エンジンより "ソーシャルメディア(Twitter)経由" が多い!" という事実の意味である。
先ず、"企業ブログ" についての評価である。
同じ "ソーシャルメディア" でもブログは、"Twitter、Facebook" などの "fast info" 性( ◆参照 "SNS"スタデイ(2)ソーシャルネットワークは"fast info"のスマートフォン普及が!( 当誌 2011.10.17 ) )にお株を奪われた観がなきにしもあらずであるが、実はそうでもなくて<信頼性のある詳細情報への期待が高く>と見なされている結果が出ている点に注目すべきだろう。
翻って考えれば、企業による "ソーシャルメディア" の役割は、"露出度、アクセス" の量であるとともに、むしろ ターゲットとなるのは "製品購買" へのスプリングボード機能ではなかろうか。であれば、顧客が "製品購買" のアクションへと踏み込んでもらうためには、ブログなどによる<信頼性のある詳細情報>提供が不可欠のはずであろう。
ただし、"露出度" や スピーディな "アクセス" という点では、"Twitter、Facebook" が勝る。となると、"両者のメリットが合わさること" が望まれるわけである。
今回の調査結果の "企業ブログ認知は検索エンジンより "ソーシャルメディア(Twitter)経由" が多い!" という事実は、ここで活きる! ということなのである。
つまり、企業によるソーシャルメディア(Twitter)対応を、企業ブログへの "水先案内(導線)" として注目し、これに対して緊急対応することが重要である、と。
―――― < 「ソーシャルメディアの商用利用に対する意識調査」結果を発表/six apart
ソーシャルメディアを利用した企業のマーケティングやPR活動がインターネット先進ユーザーにどう受け入れられているかを調査シックス・アパート株式会社は、Twitter、Facebook、ブログなどソーシャルメディア利用の動向や意識を正確に把握し、ソーシャルメディアを活用した企業のマーケティングやPR活動への効果的なフィードバックを行うことを目的に、全国のブロガーおよびブログ読者を対象とした「ソーシャルメディアの商用利用に対する意識調査」を実施しました。
シックス・アパートが提供するブログ/メディア向けのソーシャルメディア相互連携ツール「Zenback」の告知欄でアンケート調査を実施。期間は2011年9月15日(木)~9月30日(金)、有効回答数は766名でした。シックス・アパートがソーシャルメディアの商用利用に対する意識調査を行うのは今回が初めてとなります。
■ 総括
今回の調査結果から、ソーシャルメディアを積極的に利用する先進ユーザーにとって、企業の運営するTwitterアカウント、Facebookページ、ブログに接触することは一般的な状況になっており、ソーシャルメディアを利用した企業のマーケティングやPR活動が受け入れられていることがわかりました。なお今回の調査対象におけるTwitterへの登録率は 93.2% で、ほとんどのユーザーがTwitterアカウントを持っており、こうしたことから、今回の調査対象はインターネット先進ユーザー層であるといえます。
ソーシャルメディアの種類別考察は以下の通りです。
■ Twitterキャンペーンへの参加意欲が旺盛
Twitterキャンペーンに応募したことがあるユーザーが 59% と突出して多いことに加え、2回以上応募したことがあるユーザーが 47.3% とリピーターも多いことから、インターネット先進ユーザー層に向けた認知度向上において、Twitterは欠かせないメディアであるといえます。
■ Facebookキャンペーンへの参加経験は15%にとどまる
Facebookについては、企業のFacebookページの「いいね!」ボタンを押したことがあるユーザーは 55.2% 、そのうちキャンペーンの応募経験者が26.5%(全体の約15%)にとどまり、ビジネスでの活用はTwitterと比較すると、まだこれからの段階といえます。
■ 企業ブログ認知は検索エンジンよりソーシャルメディア経由が多い
企業ブログについては、信頼性のある詳細情報への期待が高く、ソーシャルメディアとはまた違ったニーズが存在することがわかりました。企業ブログ認知のきっかけは、企業ウェブサイトからの73.0%に次いで、ソーシャルメディアからの流入が 38.9% で、3位の検索からの30.4%よりも多く、ソーシャルメディアとブログ間での連携の重要性が高まっていることが明らかになりました。
■ ソーシャルメディア利用実態調査 概要
調査方法:Zenbackの告知欄からアンケート回答を募集
調査地域:全国
調査対象:ブロガーまたはブログ読者
有効回答数:766件
調査期間:2011年9月15日(木)~9月30日(金)調査結果の詳細資料(PDF)は、以下より無料でダウンロードいただけます。
■ https://www.sixapart.jp/inquiry/social-report-download.html >
"企業 SNS" は、"企業のブログ"・"企業のTwitter"・"企業のFacebook"・"企業のYoutube" ......、と多角的に推進し、それらの "シナジー効果(相乗効果)" を狙うのが正解だと言うべきか...... (2011.10.26)
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