以下に取り上げてみた二種類のサイト記事。一つは、失業問題とともに社会的に懸念される "難婚(婚活)" 問題(<結婚「しない」から「できない」に=付き合いできず>と悪化!)を伝えた報道記事(2)、そしてもう一つは、こうした現実に触発されたテーマを取り逃がさずに "SNS スタートアップ" へと結びつけている逞しいサンプル紹介記事(1)だ。
これらは、"ソーシャルメディア" は、どのような経路で "ソーシャル・プロブレム = 社会問題" へとコンタクトしてゆくのかという道筋を、改めて考えさせる材料となった。逆に言えば、"リアル" であるはずの現実問題は、どのようにして額面どおりの "リアル" さとそれゆえの説得力とを回復させられるのか、というテーマにもつながる。
つい先日も、深まる失業問題が気になって "ソーシャルメディア"が文字通り"ソーシャル"となれるかの試金石?! "就活問題"! ( 当誌 2011.11.24 ) を、米国の例を挙げて書いたりもした。
現在のこの国での日常には、まるで "社会問題のデパート or スーパー" とでも言えるほどに、"ソーシャル・プロブレム = 社会問題" が盛りだくさん撒き散らかされていると言わざるを得ない。
ところで、厳密に言えば、そうした "ソーシャル・プロブレム" のソーシャルと、"ソーシャルメディア" のソーシャルとは "視点がズレている" と指摘することもできる。
それについて言えば、一体どちらが "リアル" なのかを問うてみると、意外と答えは割れてしまいそうな気がする。一般的には、"ソーシャル・プロブレム" の方が "リアル" に決まっていると言われがちであろう。しかし、"ソーシャル・プロブレム" の方が "虚構的(空々しい!)" と見えてしまうこともあながち否定はできない......。
仮に、「そんな嘘っぱちな話はねぇだろ~......」「だからそんな話には付き合ってはいられねぇ......」といった心境がありがちだとすれば、そうした心境によって "ソーシャル・プロブレム" からその "リアル" さ(= 臨場感?)を感じることは、意外と難しいかもしれないとも思えてしまうからだ。たとえ、深刻な影響を被っていたとしても......。
つまり、問題含みの環境が持つ "著しい不透明さ"、"著しい困難さ" などと、"無力感に浸された自分" といった組み合わせにあっては、問題含みの環境が、 "アパシー(無気力・無関心)" の結果 "リアル" さを喪失してしまう、ということになりかねない。
逆に、会話にせよゲームにせよ、"ソーシャルメディア" の中の出来事は、自身が投げかけたアクションで実感的に即座に回る分だけ、そこに "リアル" さを感じる可能性は大いにあり得る。たとえ、その大前提の舞台場面("ソーシャルメディア" )自体が "フィクショナルなもの(バーチャル!)" であったとしてもである。
それはまるで、睡眠中の夢が、それが夢であるとは一瞬たりとも知り得ない仕組みとなっている、そんな生理的メカニズムに似ているのかもしれない。
誤解を恐れず簡単に言い切ると、自身が関与(コンタクト)できる対象には "リアルさ(= 臨場感!)" を感じられもしようが、茫漠としていて、しかも欺かれ続けてもきた(?)対象であって、加えてアプローチの困難さが丸見えの "現実" の対象・ジャンルに、人は如何ほどの "リアルさ(= 臨場感!)" を感じ得るか、というロジックなのだ。
言うまでもなく、"ソーシャル・プロブレム = 社会問題" が繰り広げられている "ソーシャル" が "リアル" であることは紛れもない事実である。しかし、その事実を振りかざして、だから "リアルさ(= 臨場感!)" を感じなさい! と説教したとしても何も始まらないワケではなかろうか?
こう考えると、こうした事情があるからこそ "ソーシャルメディア" は、人に "リアルさ(= 臨場感!)" を提供しながら、人を魅了し続けているメディアなのかもしれない......、と思わずにはいられない。
そこで、浮かび上がるテーマが、ならば、"ソーシャルメディア" はどのように事実としての "ソーシャル・プロブレム = 社会問題" へとコンタクトしていくのか/いけるのか、ということになる。( "社会貢献型 SNS" もスタートしているが......)
視点を引いて視界を広げれば、これは、"ソーシャルメディア" をパワフルな "エンジン" としたあの "OWS 運動" が、今後どのようにリアルな実績をゲットしていくのか/いけるのかという "スペクタクル" にも通じていることは間違いない......。
―――― < 異性の「交際相手なし」過去最高 男性61%、女性49%
異性の交際相手がいない18~34歳の未婚者が男性で61・4%、女性で49・5%に上り、いずれも過去最高となったことが25日、国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査(独身者調査)」で分かった。
2005年の前回調査から急増、男性で9・2ポイント、女性で4・8ポイント増えた。このうち半数近くは男女とも「特に異性との交際を望んでいない」と答えた。
独身でいる理由(複数回答)を尋ねると「異性とうまく付き合えない」と答えたのは、25~34歳では男性13・5%、女性11・6%。18~24歳では男性11・9%、女性7・0%で、いずれも過去最高だった。
( 異性の「交際相手なし」過去最高 男性61%、女性49%/【共同通信】/2011.11.25 )
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―――― < 結婚「しない」から「できない」に=付き合いできず-独身男女の全国調査・厚労省
厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が独身男女の未婚理由を調査した結果、25~34歳では1990年代と比べ、「自由を失いたくない」などの自分の意思を挙げる回答が減り、「異性と付き合えない」「結婚資金の不足」といった「できない」型の回答が増えたことが25日、分かった。
( 結婚「しない」から「できない」に=付き合いできず-独身男女の全国調査・厚労省/時事ドットコム/2011.11.25 )
同研究所は昨年6月、全国の18~49歳の独身男女約1万4000人を調査し、1万581人から有効回答を得た。
このうち、25~34歳の男女について、97年の調査と比較すると、「結婚資金が足りない」と答えた人の割合は男性が8ポイント増の30.3%、女性は3.5ポイント増の16.5%。「異性とうまく付き合えない」は、男性で4.3ポイント増の13.5%、女性では3.9ポイント増の11.6%を占めた。
一方、「自由や気楽さを失いたくない」は、男性が4.7ポイント減の25.5%、女性も7.1ポイント減の31.1%。(2011/11/25-22:18)>
―――― < グローバルマーケットを狙う韓国発のスタートアップたち西村 顕一iPadを学校教育に取り入れることを決定したり、スタートアップ支援を政府として積極的に行なっていたりと韓国のデジタル領域への注力は日本の数歩先を行っています。
最近アジア全体で人気のK-POPなどを例に韓国についてしばしば言われることの一つに、韓国は国内市場が大きくないため、海外展開を視野に入れている、というのがありますが、それはスタートアップの世界にも当てはまる部分があり、海外のベンチャーキャピタルからの資金調達に成功し、世界のマーケットを狙う韓国の起業家も増えてきています。
今回はそんな世界を目指す韓国発のスタートアップをいくつかピックアップしてご紹介してみたいと思います。
■ i-umが変える交友関係の作り方
Facebookなどに顕著に見られるように、最近のインターネットにおけるトレンドの1つは個人のリアルな情報や人間関係を可視化させ、人との繋がりをより深めるプラットフォームとなることです。そのようなトレンドは、これまでの匿名の闇に隠れたインターネットのあり方をより安全かつ効率的なものへと変えうるものであり、そのような流れを男女のマッチングに適用させたのがi-umと呼ばれるサービス。
i-umでは、1日1人、それぞれのユーザーに相性をよい他のユーザーが紹介され、紹介されたユーザーのプロフィールをお互いに見た上で、双方が承認した場合のみ連絡先が開示されます。
i-umはこれまでの類似マッチングサービスの難点であった男性に偏ったユーザー比率や偽アカウントや複数アカウントの登録などを韓国の全国民がそれぞれ1つずつしか保有できないIDの記入やFacebookやTwitterなどの連携、さらに1ヵ月をかける慎重な登録プロセスによって解決しました。その結果、10万人を超えるユーザーを既に獲得しており、承認する毎に課金するシステムによってローンチの1ヵ月後には黒字化を達成しています。
25歳の女性起業家、Hee Eun Parkが2011年に立ち上げたこのi-umは、アメリカのVCからの資金調達にも成功し、アメリカ市場への参入を視野に入れています。――以下略―― >
( グローバルマーケットを狙う韓国発のスタートアップたち/現代ビジネス - デジタル・チェンジ/2011.11.22 )
<結婚「しない」から「できない」に=付き合いできず>と悪化! した結婚をめぐる現状は、言うならば "難婚" 問題という "社会問題" の発生だ。"少子化社会問題" 以前の重大さを持つはずだ。問題解決のためには、「できない」社会環境の改革以外にないと思われるが、"ソーシャルメディア" の活用などによる当事者たちの "立ち上がり" のスタンスも欠かせないかと...... (2011.11.27)
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