"ソーシャルメディア" の中には、企業が製品やサービスなどを紹介してユーザーとの密なコミュニケーション関係を形成するといったマーケティング用途向けの受け皿が用意されてもいる。
Facebook では "Facebook ページ"(旧ファンページ)という、常に外部のファンにオープンで検索対象にもなるという特徴を持ったページがそれに当たる。個人の "プロフィールページ" とはやや別立てになっている。
企業、ブランド、サービス、著名人など向けに用意され、アクセスしてくれた人に "いいね!" ボタンをクリックしてファンになってもらい、その上でファンのニュースフィードに情報を届け、その反応を得ながら良好な関係の構築を目指すというものだ。
こうした特徴を持つ "ページ" は、ファンとの濃密な関係構築に向いている上に、開設も数分程度で完了し、"プロフィールページ" での "友達リクエスト → 承認" といった手続きが不要ということもあり、関係利用者からは好感が持たれているようだ。
そういう状況もあってか、Googleは、<誕生まもない同社のソーシャル・ネットワーク>サービスに、"Google+のページ" の機能を加えたという。
その内容は、基本的には<『Facebook』の「ページ」によく似て>いるようだが、"独自" な機能(「Google+ Direct Connect」、「サークル(グループ)」運用方法上の工夫など)のほか、Google 検索システムをはじめとした同社特有の豊富なサービスとの統合関係などが、"後発" ながら今後の大きなブレイクが望めるという見方もある。下記引用記事からは、決して小さはくない期待感が覗える......。
―――― < Google+「ページ」がFacebookやTwitterに勝つ理由
『Google+』で企業やブランドが情報を発信できる「ページ」の提供が開始された。『Facebook』や『Twitter』にとって脅威になるポイントは。
米Google社は11月7日(米国時間)、『Google+』において、企業やブランド、有名人たちに「ページ」機能を提供することを発表した。誕生まもない同社のソーシャル・ネットワーク中に、自らの存在を知らせることができるという機能だ。
『Facebook』の「ページ」によく似ており、ニュースや宣伝を企業名で世界に向けて発信できるだけでなく、ファンや批判的な人たちとのやり取りもできる。
米Facebook社が8億人のユーザー数を誇っているのに対し、Google社が主張するユーザー数は4,000万人だ。ただし、ユーザー数が少ない点は悪いこととは限らない。企業等が広めたいメッセージが、関係のない写真や猫のビデオなどで埋もれないという利点がある。
しかし、もっと重要なことは、Google社がGoogle+を、同社の支配的な検索エンジンに統合していることだ。「Google+ Direct Connect」によって、Googleの検索クエリの前に「+」を追加すると、企業のGoogle+のページに直行できる。例えばGoogleの検索ページで「+YouTube」と入力すると、『YouTube』のGoogle+のページにすぐに行けるのだ。
この点で、Google社はFacebookに勝る可能性がある。Google社は、検索、Gmail、『Chrome』、『Android』と多岐にわたるサービスを展開し、たくさんの人々にとってオンライン生活に不可欠なツールを提供している。これらをGoogle+に結びつけることができるわけだ。
『Twitter』は、さらなる苦戦を強いられるかもしれない。Twitterの140文字制限に慣れている人も一部にはいるだろうが、Google+では、企業が情報を公開できるもっとリッチな場所が提供されている。例えば、Twitter上で画像や動画を共有するのは、まだやり方がスマートではない。フォロワーは短縮URLをクリックして、新しいページが読み込まれるのを待つことになる。一方、Google+では、YouTubeと、同社の写真共有ツール『Picasa』が統合されている。
また、Goggle+のページの投稿では、誰もが簡単にコメントを投稿でき、ページの所有者がすぐに返信できる。これがTwitterだと、そうしたコミュニケーションは@付メッセージをだらだらとやり取りすることになり、興味をもっていないフォロワーのフィードも埋めてしまう。
Googleは、現段階では遅れて見えるが、別の面から見ると非常に先行しているのだ。
TEXT BY Caleb Garling>( Google+「ページ」がFacebookやTwitterに勝つ理由/WIRED JAPANESE EDITION - BUSINESS/2011.11.13 )
TRANSLATION BY ガリレオ -緒方 亮
なお、"Google+ ページ" に関する分かり易い解説記事サイトとして、以下を挙げておきたい。
◆参照 Google+ページを作ろう!:基本と使い方ガイド/Social Media Experience/2011.11.10
こうした SNS の "ページ" サービスは "無償" であるため、活用のあり方を工夫することを前提に、採用してみるのも一法だと思われる。一般の企業のほかスモール・ビジネスにとっても...... (2011.11.15)
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