"自分の視座"からのキュレーション(佐々木俊尚):意味ある情報発信の仕方とは? ......

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 書き手自身の "視座" が見えてこない情報ほど "つまらない" ものはないと思う。ところが、ウェブ上には "視座" 無き "料理"(="生の食材"?)の類の情報が氾濫している。
 "つまらない" 情報というものは、読み手側の理解力に関係なく、読み手に何事をも感じさせない、考えさせない、という共通した特徴がありそうだ。まあ、他人ごとではなくて、自身の悩ましい課題でもあるのだが......。

 いや別に "小説" に限った話をしているわけではない。ニュース・報道記事を含めた、ウェブ上で目に触れるあらゆる情報についてである。
 ジャンルを問わずニュース・報道記事は "客観的" でなくてはならないとされるが、その真意は、決して "視座" もなく無味乾燥のデータを羅列せよ、と言っているのではないはずであろう。
 読み手側にももちろん "視座" があるに違いないわけであり、少なくともそれに "スパーク" する位の書き手側の "視座" はなくては "話にならない" と言いたいのである。

 ところが、特にマスメディアの情報はこの "話にならない" ケースが多い。たぶん、"客観的報道" という "あたり触り無さと怠惰さ" とに徹するあまりのことなのであろう。どんな文脈において何を伝えようとしているのかの迫力ある文脈が伝わってこないから退屈なのである。そこにあるのは、人間の下劣な好奇心文脈だけのようだ。"犬ではなく人が噛めばニュースになる" 類に、無難に照準を合わせているかのごとく......。いや、マスメディアの情報なぞはこの際措いておくことにする。

 問題は、書き手側が自身の "視座" を持っている、いや意識できているかどうか、だと思われる。井上ひさしであったか、作文(文章を書くこと)の要は、"自分でなくては書けないことを書くこと" だ、と解説したが、とりあえず書き手の "視座" の原型はそれであるに違いなさそうだ。
 ところが、難しい問題はこの次にある。ブログなどの場合は、"自分でなくては書けないこと" だけを "無媒介に" 書いていても、決して "シェア(共有)" は望めないという事実。"誰も、相手にしない!" という現実に見舞われるからだ。この点は、"ソーシャルメディア" 全般にも共通しているはずであろう。
 かと言って、より多くの者が関心を寄せる話題を追っかけていたのでは、"誰でもが書ける" 文章、ただ "虚しい!" ブログに墜してしまう......。先日も、そんな感想を吐露していたブログ記事を目にしたことがあった。また、"ソーシャルメディア" 関連調査結果からは、この辺のビミョーな空気が何となく伝わって来たりもする......。

 大袈裟に言えば、これは、何もブログを書くことに限られたことではなく、自己と他者との関係の中でしか生きられない人間の "原理原則" 的テーマなのであろう。
 ここから、自身の "視座" の模索と吟味・彫琢との "旅" が始まるのだと感じている。また、"ソーシャルメディア" とは、そうした自身の "視座" と他者の "視座" とが交差し、切り結ばれる空間ではないかという印象を持っている。

 下記引用の佐々木俊尚氏に関する記事は、こんなマジな思いを書かせるだけの "視座" スパークのエネルギーを持っている......。

―――― ソーシャル・メディア時代の"情報収集力"は空き時間の有効活用

Let'snote15周年企画の一環として、facebook上で"開講"している「ビジネス スキルアップ アカデミー」。第6回目はジャーナリストで作家の佐々木俊尚氏を講師に迎え、11月28日に公開収録が行われた。 Computerworld.jp

アプリを駆使して効率的に情報を取捨選択

 佐々木俊尚氏は2011年2月、「キュレーションの時代」(ちくま新書)を上梓している。TwitterやFacebookなどのソーシャル・メディアで情報をやり取りする中で、"人を軸にした"新たな情報の取捨選択と共有(キュレーション)が始まっていると説いている。そんな佐々木氏の情報収集術と、それをどのように処理してアウトプットしているのかが語られた。

 普段、佐々木氏は、「Google Reader」で約800ものフィードを購読しているという。

 「最初に見出しをサード・パーティ製のReederやBylieというアプリでチェックし、興味のある記事はIntsapaper(チェックした記事を後でさまざまなデバイスから読める環境を提供するアプリ)に転送し、移動時間などの空いた時間に読む」(佐々木氏)

 また同氏は毎朝Twitterでキュレーションを行っている。これは自分が気になった記事を同氏のコメントを交えながら紹介するものだ。このキュレーションに活用しているのが、「Buffer」というアプリケーションだ。これは自分のツイートやFacebookへの書き込みを予約するもので、指定時間になると自動的に投稿が開始される。

 キュレーションをはじめたことで改善されたのは、「生活習慣」だと佐々木氏は語る。ITというトレンドが速い業界をキャッチアップするためには、きちんと横断的に情報収集することが大切だと語る。「効率的な時間の使い方と規則正しい生活で、作業効率もよくなった。今では朝5時に起きて夜10時には寝る生活」だという。

 ちなみにキュレーションする時は、「集中力が切れた時」とのことだ。

■「自分の視座を持つ」ということ

 ジャーナリストとして活躍する佐々木氏は、情報をアウトプットする時には、「何をどういう視点で取り上げるか」、「どの記事をどうやって選ぶのか」が重要であると説く。同氏は「ジャンル、自分の考える方向性、直感とセンス」を考えて取り上げると語る。

 「例えば自分はモバイルや電子書籍、地理空間、ソーシャル・メディアに興味があるが、単なるスマホの新製品紹介記事には興味がない。そのスマホが入力装置やメディアデバイスとして機能し、人々の生活や行動にどういうインパクトを与えるものなのかを考える。それが自分の考える方向性に影響してくる」(佐々木氏)

 約10年前に毎日新聞社会部記者からパソコン雑誌編集者に転職した佐々木氏は、人間社会とテクノロジーの接点で、どのようなせめぎ合いが起きているのかに興味を持ち、それを自分の「視座」としているという。

 「情報にはフローとストックがある。単に新しいことを知るという"キャッチアップ"だけでは不十分で、ストックとしての情報も大切。これが自分の場合は書籍であり、哲学書や歴史書に学ぶことは大きい」(佐々木氏)

...... >ソーシャル・メディア時代の"情報収集力"は空き時間の有効活用/COMPUTERWORLD - ビジネス・モバイル/2011.11.28


 書き手はもちろんのこと、読み手側も自身の "視座" にこだわらなければ、"ソーシャルメディア" が "のっぺり" としたマスメディアと変わらなくなる日も、そう遠くはないのかもしれない...... (2011.12.08)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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