ソーシャルメディアを欺く"やらせ"工作を許すな!稼げれば何でもやる破廉恥さ! ......

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まあ、こうした "欺(あざむ)き("やらせ")" は予想されていたことだとは言え、非常に残念であり、憤りを禁じ得ない。適切な対応がとられなければ、数多くの "ソーシャルメディア" 自体の信頼性が "疑念" の霧で損なわれるからだ。

 ふと、思ったことが二つほどあった。
 一つは、"ソーシャルメディア" という "柔らかく温かい空間" は、それゆえに他のメディアにはない "可能性" を秘めていると同時に、同じ理由によって "種々のリスク" をも抱え込むことになっているという事実。
 その "リスク" には "セキュリティ" に関するものも侮れないが、今回のような "やらせ" という "欺き" は、いわゆる "ソーシャル・エンジニアリング"( ※注.1 )に類するものと解釈できる。つまり、同じ "人間関係=ソーシャル" 上において、"悪玉ソーシャル" エンジニアリングが、"善玉ソーシャル" メディアを欺くという、実に "破廉恥" な構図を作り出すわけなのだ。

( ※注.1 )「ソーシャル・エンジニアリングとは、人間の心理的な隙や、行動のミスにつけ込んで個人が持つ秘密情報を入手する方法のこと。ソーシャル・ワークとも呼称される。なお、今日喧しいフィッシングやスキミングは、行為自体はコンピュータ内で閉じているが、人間心理的な隙をついている点では同様である。」(ウィキペディア)

 もう一つは、"ソーシャルメディア" 利用者同士の "リテラシー" 向上がますます必須となっているという点である。こうした "人間関係=ソーシャル" 上の "欺き" を最小限に抑えるテクノロジー面での工夫はあったに越したことはない。だが、最も必要なのは、"欺き" をそれとして "見破る" 感性や賢さではないかと思う。そして、当該の "工作者" に対して厳しく迫るなり、痛打を浴びせるなりの毅然とした態度が、"ソーシャルメディア" 自体を育てることになるのだと思う。
 要するに、自分の "稼ぎ" だけのために "仲間たち" を "売る" マネをする "悪貨""良貨" を駆逐させてはならない! ということだ。それが一つの重要な "リテラシー" ではなかろうか。

 ヤフー知恵袋で"やらせ"代行業 匿名クチコミの信憑性に暗い影
 ソーシャルメディア炎上事件簿の第5回はQ&Aサイト「Yahoo!知恵袋」を巡る"やらせクチコミ"事件クチコミ代行ビジネスの存在が初めて明るみになった。ヤフーにバレないように工作する手口を記した、代行業者による提案書が流出したのだ。クチコミサイトに"やらせ"が蔓延すれば、ネット上のコミュニティは崩壊の危機に瀕する。

 「iPhoneとiPod touchの違いを教えてください」
 「首をポキポキ鳴らすのはよくないことでしょうか」

 ネットユーザーが投げかけた質問にネットユーザー同士で知識や知恵を教えあうQ&Aサイト。その代表格である「Yahoo!知恵袋」(以下、知恵袋)にこれまで寄せられた質問総数は7380万件、回答総数は1億8000万件に上る(2011年10月21日時点)。

 パソコンの操作で分からないことがあったり、エラーメッセージが出て困ったりした場合は、パソコンのサポートサイトにアクセスして該当事項を探すより、知恵袋、あるいは同種のサービスである「教えて!goo」などで検索した方が早いくらいだ。疑問や悩みを素早く解決できるとあって、今年2月には京都大学の受験生が携帯電話で入試問題を投稿し、回答も寄せられていたことが発覚。「知恵袋カンニング事件」として話題になったのは記憶に新しい。

10ページからなる「提案書」

 そんな知恵袋を舞台に、新たな事件が起きた。知恵袋で企業・店舗の宣伝書き込みを代理で請け負うことを提案する営業資料が流出したのだ。提案主は、インターネット決済代行のほか、SEO(検索エンジン最適化)やサイト制作などWeb集客サービスを手がけるJ-Payment(東京都渋谷区)。

 手元に、同社が作成したパワーポイント10ページからなる「提案書」がある。サービス概要には、以下のように記されている。

知恵袋で、お客様の商材を薦められるような質問を探す
→ユーザー目線の投稿を専任のライターが投稿
→本文にさりげなくURLやキーワードを入れる
→知恵袋からたくさんのユーザーに訪問され、認知度・問い合わせ数・成約数アップ


 提案書にはさらに、「知恵袋では宣伝目的(商用)の投稿はNGで削除される可能性があるため、1個のアカウントでいつも同じ商品を宣伝しないようにアカウントを分散する」「同じIPからの投稿もヤフーから商用目的と目を付けられる恐れがあるのでIPも分散」と、ヤフーの監視の目をかいくぐって欺く方法を、ご丁寧にアピールしていた。つまり、やらせの宣伝書き込みをバレないように請け負います、ということだ。

ヤフーは「規約違反」と回答

 筆者は、ヤフー広報室に対しこの資料を添付送信した上で、J-Paymentのクチコミ代行サービスは規約に触れるのか、提案を受けた企業は利用してもよいのかを質問したところ、次のように回答した。

 「利用規約違反に当たります。。Yahoo!JAPAN利用規約基本ガイドラインの第1章『7.サービス利用にあたっての順守事項』の7番目にある『サービスを、提供の趣旨に照らして本来のサービス提供の目的とは異なる目的で利用する行為』に抵触します」

 さらに、こうした不正行為の監視体制について尋ねたところ、「知恵袋の専任者はいないが、例えばオークションの不正出品なども含めヤフーのサービス全体で問題行動を担当するチームが24時間体制で監視に当たっている」との回答だった。

 続いて資料流出元のJ-Paymentに、流出資料を添付送信して同社の清久健也社長に、やらせ宣伝投稿ビジネスについて尋ねた。清久社長は、「やらせではない。きちんとサービスを受けた者が体験談を書いている」と、資料には一言も書いていないことを言い出し、やらせを否定した。

 そこで、「体験者なら、なぜ第三者目線で書く必要があるのか。主観で書けばよいではないか。アカウントをたくさん作成する必要もない。あと『(宣伝回答を書き込むにふさわしい)質問がない場合は作成する』というのも"やらせ"ではないか」と、資料にある記述を基に問いただすと、「資料が手元にないので分からない」と言葉を濁した。

九州電力の「やらせメール事件」と通底

 知恵袋に限らず、名の通ったほかのクチコミサイトにおいても、宣伝目的のやらせ投稿と疑われる書き込みがあることは以前から噂されていた。稼働率の低下に悩む飲食店のオーナーがクチコミサイトにお客のフリをして宣伝文句を書き込むケースが少なからずあるだろうことは容易に想像がつく。

 だが、企業や店舗の当事者が書き込むのではなく、宣伝書き込み代行をビジネスとする事業者が実在すること、そして、その工作の実態が表面化したのは、恐らくこれが初めてだろう。

 J-Paymentは、この"ビジネス提案書"を、郵送のダイレクトメールや電子メールで見込み客に送っていた。実際、「J-Paymentから、やらせ請け負いサービスの資料が送られてきた」とブログで暴露した美容外科医もいた。広範囲にバラまけば流出する可能性があることに思い至らない姿は、原発再稼動に賛成意見を送るようにメールで促した九州電力の「やらせメール事件」(関連記事)と通底するものがある。

 もっとも、こうしたやらせクチコミをビジネスとして展開しているのはJ-Paymentだけではない。知恵袋を見ていると、特定の美容整形クリニックや審美歯科、飲食店などを日を変えてしきりに回答し宣伝しているアカウント(ID)に出くわす。そうした宣伝に熱心な回答者IDと、それに「ベストアンサー」を付与する質問者IDが、過去にどんなIDとやりとりして、どの店舗を宣伝しているかを追跡していくと、やらせの構図が浮かび上がる。

 「豊胸手術をしたいんですがお薦めありますか?」「それでしたら、○○クリニック!私もお世話になりましたが安心して受けられました」――。

 そういった内容で、数十個のIDを使って約20の医院・店舗について宣伝している。1店当たりの宣伝書き込みは、数件から多いところで十数件に上っていた。

バレれば依頼主もダメージ

 筆者がこれらの医院・店舗に接触し、知恵袋で不自然な"絶賛クチコミ"が急増していることを尋ねると、複数の医院・店舗が「ビジョナルという会社に依頼した」と明かした。同社Webサイトを見ると、昨年暮れに設立されたばかりで、事業内容の1番目にプロモーション支援事業を挙げている。

 ビジョナル(東京都港区)の鳥羽剛史社長に事実関係を確認するべく、同社にコンタクトを取ったが、期日までに回答はなかった。

 ビジョナルが手がけた可能性のある約20店のクチコミは、いずれも文体が似通っていて、体験して書いているような内容には見えず、そのクチコミからアクションを起こさせるのは難しそうなものがほとんど。IDの管理も杜撰だ。

 あるIDが神奈川県内にある歯科を薦める回答をした翌日、同じIDが「神奈川県某市でお薦めの歯科を教えてほしい」と立場を変えて質問し、知恵袋ユーザーから「やらせだw」と嘲笑されているケースがあった。やらせビジネスを手がけるにしては、あまりに脇が甘くお粗末である。

 多額の広告費を投じることなく良いクチコミが広がって売り上げが伸びてくれたら...。医院や店舗が、こんな願望を持つのは自然だが、やらせビジネスが提供するサービスを一度でも使おうものなら、それが表面化したとき、悪いクチコミはその業者だけでなく、依頼主となった医院・店舗にも及ぶのは当然のことである。

黙認するヤフーの不思議

 不可解なのは「規約違反」と明言しながら、何も手を打たないヤフーの対応だ。J-Paymentの資料が流出した直後の10月3日、ヤフー広報にJ-Paymentへの対応を聞いたところ、「現在、調査・検討中」との回答。その2週間後に、再度同じ質問をしたところ、ヤフー広報は「回答できない」とした。

 先に挙げた、同じIDで同じ歯科について質問・回答しているケースでも、ヤフーはそのIDを削除せず放置している。「24時間体制でガイドライン違反行為を監視し、適宜削除している」との前出の回答には疑問符がつく。

 やらせが蔓延すれば、デジタルマーケティング業界にも暗い影を落とす。現在は実名主義を掲げるFacebookに注目が集まるが、匿名のクチコミサイトが果たす役割は依然として大きい。

 借金や病気など、面と向かっては相談しづらい悩みも、匿名コミュニティであれば質問も回答もしやすい。そこが、やらせのクチコミによって侵食されて信憑性が低下すれば、匿名コミュニティは崩壊の危機に瀕する。この手の"魔の誘い"には、乗らないに限る。 >ヤフー知恵袋で"やらせ"代行業 匿名クチコミの信憑性に暗い影/IT pro/2011.12.12


 とにかく、"ソーシャルメディア" に既成品はないはずで、"良貨" が "悪貨" を阻止しながら信頼できる空間を作っていくしかないのだと心得たい...... (2011.12.13)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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このページは、yasuo hiroseが2011年12月13日 00:01に書いたブログ記事です。

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