景気回復のためには"武器で儲ける"のもあり?/武器輸出三原則の見直し始まる! ......

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 国民が政治を厳しく監視できない、もしくは "他人事" にして "店長お任せコース(?)" なんぞを選んでいたら、そりゃ、能も腹もない政治家たちが、"官僚機構" の言いなりとなってイージーな選択に突っ走って行くのは目に見えていると言うべきか......。

 財政切り詰めに関する知恵と努力に心血を注ぐよりも、消費税をはじめとした増税で賄うのは親の脛をかじる以上に容易いことだろう。
 危険は起きたその時の問題だとばかりに、眼の前の復旧・復興さえも滞っているにもかかわらず、原発再開への期を窺っているのも、またイージー過ぎる路線だと見える。
 そして今、戦前の人類史的愚行を忘れ去り、景気回復のためには "武器で儲ける" のもやむなしとばかりの "武器輸出(禁止)三原則" の見直しが始まりつつある。

 今一番に懸念すべきは、こうした危険な政治の動きに対して、この国内には "カウンターカルチャー" が無きに等しい状態にあることではないかと思われてならない。
 "カウンター" が無いとなれば、"霞が関(官僚機構)" が "やりたい放題!" にやり始めるのは言わずと知れたことだ。
 眼の前の危険が、"デフォルト(国家財政破綻)" であったり "戦争" であったりという未曾有の危機ともなると、ここは歯に衣着せぬ表現が必要となるが、"霞が関(官僚機構)" が "国民本位" のビジョンを持っていると、一体、誰が想定するだろう? 
 要するに、国民を犠牲にしても "我が身を守る=自己保身" が "官僚機構" の決定的な "ウラ常識" なのである。
 その "恐さ" を認識し警戒する "カウンターカルチャー" が希薄である醒めた現状こそが、国民が望む "変化" や "変革" が一向に訪れないという点で、何にもましての不幸だと言えそうだ。

 その使用が想定されない "武器" というものはなかろう。人の命を奪わない "武器" を作りはしないだろう。 "武器輸出" とは、どんなに飾ろうが、結局 "死の商人!"。だがそれが分かっていて "武器輸出" を推進しようとする政府をわれわれは黙認し、加担し続けようとしている......。

日本は武器で儲ける国になってはいけない

 政府は11月28日、武器輸出三原則の見直しに関して、外務・防衛両省の副大臣らによる検討会議の初会合を開いた。これは武器輸出三原則の緩和を打ち出した民主党の要請を受けたもので、年内にも取りまとめをめざす考えだという。

前原誠司氏にも同じことを言いたい

 武器輸出三原則の見直しは、民主党の前原誠司氏らがかねてより熱心に主張していた問題である。本連載では昨年10月、当時の北沢俊美防衛相が「新・武器輸出三原則を作り出したらどうか」と発言した際、「『新・武器輸出三原則』はいま必要か」と題して、この問題について私の見解を交えながら論じた。

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 時計の針を昭和初期の日本に戻してみよう。1929年(昭和4年)10月、ニューヨーク証券取引所での株価大暴落に端を発した世界大恐慌は、あっという間に日本にも飛び火した。

昭和初期の日本の姿と重なって見えてしまう

 1930年3月には日本の株式・商品市場が暴落し、生糸や農産物などの物価が急激に低下する。中小企業の倒産が相次ぎ失業者が街にあふれ、東北地方の寒村では娘の身売りや欠食児童などが大量に発生し、深刻な社会問題となった。いわゆる「昭和恐慌」である。

 そこで日本政府が打ち出したのは、軽工業から重工業へ産業構造を大転換することだった。その一環として、産・官・学はそろって軍需産業の拡大を強力に推し進めたのである。

 これにより、1937年には重工業の割合が軽工業を上回り、1940年には恐慌前と比べて国民所得は2倍以上になり、景気と雇用が回復した。だが一方で、軍部の発言力が強まることにもなった。それが最終的にどのような事態を招いたかは、説明するまでもない。

 現在の日本が置かれている厳しい経済状況、そして武器輸出三原則の見直しということになると、私の目にはどうしても昭和初期の日本の姿と重なって見えてしまう。そして、「同じ轍だけは踏んでほしくない」と強く願わずにいられない。

武器輸出三原則は三木首相によって確立された

 軍需産業の拡大が軍の暴走を引き起こし、ひいては敗戦という悲劇を招いた反省から、戦後の日本は一貫して武器輸出には慎重な姿勢を取り続けてきた。

 最初に武器輸出三原則が明確に示されたのは1967年、衆議院決算委員会での佐藤栄作首相の答弁である。佐藤首相は武器輸出を認めない国として、(1)共産圏諸国(2)国連決議で武器輸出が禁止された国(3)国際紛争当事国またはその恐れのある国――を挙げた。
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 武器輸出三原則が示されてから9年後の1976年、クリーンでリベラルな政治思想を持っていた三木武夫首相が衆議院予算委員会で答弁に立ち、「三原則の対象地域以外も武器輸出を慎む」とした。佐藤内閣の時に比べ、武器輸出の方針は厳しくなり、「全面輸出禁止」が事実上の政府見解になったのである。

三原則を緩めた中曽根氏、小泉氏の見解

 それが変化したのは、中曽根康弘氏が首相在任中の1983年である。中曽根氏は、日本の安全保障上の最重要パートナーである米国に対しては「三原則の例外」という見解を示した。そしてさらに時代が下って2004年、小泉純一郎首相は「米国との弾道ミサイル防衛システムの共同開発・生産は三原則の例外」とした

 要するに、時代とともに三原則の方針はだんだん緩くなっていったわけだが、実際には武器輸出三原則に関しては三木氏の路線が踏襲されていた。......

「武器輸出国」となった時、日本は幸せか

 私が懸念するのは、ここで武器輸出三原則が緩和されると、「これで景気が回復する」とばかりに国内の防衛産業がいっせいに軍需に目を向けるのではないか、それは短期的にはともかく長期的には日本に致命傷をもたらすのではないか、ということである。

 ......一般に武器というものは、実戦に裏打ちされた歴史や信頼性がものを言うから、武器輸出三原則の緩和によってすぐに日本の武器が世界で買われることはないだろう。

 しかし、明確な目標が与えられた時の日本の技術力の高さは世界に冠たるものがある。もしかしたら、実戦経験の少なさをカバーしてしまうほど性能に優れた武器を日本は作り出してしまうかもしれないのだ。......

 さてそうなった時、日本にとって幸せなことと言えるだろうか。昭和初期、日本が急速に軍国主義化していったあの不幸な時代が繰り返されてしまうのではないか。そう考えると、私は言葉を失ってしまう。

復興支援などで「WIN‐WIN」を模索する国であってほしい

 日本が武器輸出で儲けるような国にはなってほしくない、と私は願っている。

 前々回の本連載「タイ復興に日本は官民で2兆円規模の支援を」で述べたように、他国の復興支援や経済援助などを通じて日本国内経済の活性化を図るような「WIN-WIN」の関係を模索する国であってほしいと考える。

 先に「明確な目標が与えられた時の日本の技術力は高い」という主旨のことを書いた。しかし一番怖いのは、目標を達成することが最優先され、それによってタガの外れてしまう日本という国なのである。このことを民主党および政府、そして外務・防衛両省は肝に銘じていただきたい。>日本は武器で儲ける国になってはいけない/nikkei BP net - 大前研一の「産業突然死」時代の人生論/2011.12.13


 考えてみれば、われわれは "自らの意思" が表明できないのではない。表明するチャンスがないわけでもない。とすれば、"大いなる黙認" を表明してしまっているか、あれこれの理由に託(かこつ)けて結局は "目先の自己保身" を図っているか、そのどちらかでしかなさそうだ。
 ただ、誰もがほぼ確実に信じざるを得ないように、"大破局" までのカウントダウンは止むことがない...... (2011.12.26)













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