Socialメディア神話への反証?「人の好みにクチコミは効かない」ハーヴァード大! ......

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 これで漸く "ソーシャルメディア" への落ち着いたアプローチが始まるのだろうか。
 "ソーシャルメディア" のいわゆる "クチコミ" に対して、これまで "過剰" とも "大袈裟" とも思われる "感染力/伝播力" がまるで "独り歩き" していた感があった。それだからこそ、企業のマーケティング部門では、とにかく対応すべしとばかりに、"ソーシャルメディア" 対策に躍起となってもいたはずである。

 しかし、下記引用サイト記事によると、"Facebook" 利用者に対する調査結果によると、<人の好みが他の人にうつる可能性は極めて小さい>、<「人の好みに関しては、『仲間の影響』といったものは事実上存在しないに等しい」>、<「仲間の影響力が活発な社会的現象につながる」ということには必ずしもならない>という事実が判明したというのである。
 控え目にこの研究結果を見積もったとしても、<クチコミの力について、世間で騒がれているほど大きな影響力を示す証拠は見つからなかった>となるようである。

 とすれば、一連の過熱ぶりというのは、とかく "ニューメディア" 登場時には付き物である "便乗的風潮"、何らかのメリット・収益を目論む一翼による自画自賛的誇張だったのであろうか......。
 ただ、今回提示された研究結果は、"ソーシャルメディア" が "無力" であることを立証したわけでは決してなさそうだ。"Facebook" における "クチコミ" 効果への過剰な期待、偶像視、神話に "マッタ!" が掛かったと解するべきなのであろう。
 "クチコミ" 情報が、"人の好み" に感染的影響力を持つものではないにしても、クールな判断材料になる事実をまで反証しているわけではないからだ。また、"ソーシャルメディア" は "Facebook" に尽きるものでもない。
 そう考えると、こうした研究結果は、"ソーシャルメディア" における皮相な次元で付和雷同的に踊らされていた部分を払拭し、"地道な動き" を促進させることにつながる可能性もありそうだ......。

「人の好みにクチコミは効かない」──ハーヴァード大学チームの研究結果より

Facebook上での大学生を対象としたハーヴァード大学研究チームの調査結果によると、人の好みが他の人にうつる可能性は極めて小さいという、驚くべき事実が判明したという。

 ハーヴァード大学(Harvard University)の研究者らが「人の好みに関する友人からの影響」について調べた結果を発表したが、それによるとクチコミの力について、世間で騒がれているほど大きな影響力を示す証拠は見つからなかったという。

 この研究チームでは、大学生を対象に彼らのFacebook上でのやりとりを追跡し、音楽や映画、本に関する好みがソーシャルなつながりを通してどう広がるのかを調査。そして、友人同士の好みが似通っているのは、友達になってからの互いの影響の結果ではなく、そもそも好みが似通っていたから友達になった、という場合のほうが多いことがわかったという。

 「人の好みに関しては、『仲間の影響』といったものは事実上存在しないに等しい」とハーヴァード大学で社会学を専攻する大学院生で、仲間とこの研究を行ったKevin Lewisは言う。Lewis氏は、Facebook上での大学生を対象とした調査の結果が万人に当てはまるわけではないと前置きしたうえで、この結果は人の好みの「感染力」に関して、世間で言われているような考えに冷や水を浴びせる見方を提供するものだと述べている。「人の好みがほかの人に移るうつる可能性は極めて小さい」(Lewis氏)
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 友人同士が互いに影響を及ぼさないとなると、ソーシャルネットワークやソーシャルメディア、ヴァイラルマーケティングなどに関してこれまで言われてきた事柄の多くがその信憑性を問われることになる。Googleで「ソーシャルメディア("social media")、ヴァイラルマーケティング("viral marketing")」と入力すると、およそ1,670万件もの検索結果が見つかる。もし私たちがお互いに影響を与え合っていないとすると、「ヴァイラルマーケティング」というのはインチキなコンセプトということになりはしないか。また、企業がソーシャルメディアを活用することの価値についてはどうなるのか、といった疑問が浮かぶ。

 Lewis氏によると、最近出された学術論文やメディア報道のなかには、ソーシャルな感染、ソーシャルな拡散、ソーシャルな流行などといったコンセプトを謳い上げるものが多いという。「アイデアや信念、(人の)振る舞い方などが、社会的なつながりを通じてこんなに簡単に拡がる、といった論調のものが圧倒的に多い」(Lewis氏)。

 しかし、音楽や映画、本などについて「友達が好きだから、自分も好き」という例は誰にもありそうなことであり、そうした例を思いつけるからといって、「仲間の影響力が活発な社会的現象につながる」ということには必ずしもならない、というのがLewis氏の考えだ。
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 「仲間の影響力」について伝えたリポートのなかで引用されている証拠のなかには、逸話的なものや、疑問の余地のあるやり方で調べた結果から導き出された例も混じっており、また一般に適用できないものもあるとLewis氏は言う。

 ハーヴァード大学の研究チームでは、「stochastic actor-based modeling」という統計学的に最も厳密なツールを用いてこの調査を行った。この研究では、まず手始めに1,600人の学生を対象として、彼らのFacebook上での活動を4年間にわたって追跡。さらに最終的には、4年間全体を通じて友人関係や好みに関するデータが取得できた200人の学生の例を選びだし、そのデータを分析したという。

{ この翻訳は抄訳です }

TEXT BY ERIC SMALLEY
TRANSLATION BY 中村航

「人の好みにクチコミは効かない」──ハーヴァード大学チームの研究結果より/WIRED JAPANESE EDITON - TECHNOLOGY/2011.12.26

 しかし考えてみると、"人の好み" という側面は "定数" 的なものとまでは言わないにしても、かなり "長時間" をかけて醸成された人格要素のはずであろう。
 したがって、そうした対象に対して "ソーシャルメディア" ができることは、"同好の士" を結集させることなのであって、"好みの改変(感染)" でないことは、当初から分かっていたことのような気がしないでもない......。
 "クチコミ" 効果については、何を対象にして、どの範囲まで有効性があるのかに関する調査研究がなされるべきかと思う...... (2011.12.27)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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