"スペンド・シフト(消費の変化)"潮流に根差す"Socialメディア"マーケティングへ ......

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ジョン・ガーズマ
スペンド・シフト
希望をもたらす消費
 今回レビューする下記サイト記事<「棚が回る冷蔵庫のCM」に呆れる若者の話(イケダハヤト)>においては、<私自身もどこか感じていた「企業のマーケティングに対する違和感」>(下記引用記事)というフレーズ、それが大いに共鳴できるものであった。もちろんそれだけではないのだが、この点に全体が集約されるような気がしたものであった。

 "ソーシャルメディア" には少なからぬ思い入れをしているのだが、サイト上の関連記事をチェックしていると、"猫も杓子(しゃくし)も" 企業による "ソーシャルメディア" 対応にばかり目を向け、正直言ってウンザリ気味となっていた。
 もちろん、企業がマーケティングの目的で "ソーシャルメディア" に期待するのは、それはそれで結構なことだとは思う。マスメディア利用の "一方通行路線" と比べれば、遥かに進化(?)しているはずだからである。消費者との "対話路線" を "ソーシャルメディア" という空間を通じて踏み出すということは、消費者にとっても企業にとっても有意義なことに違いないからである。

 しかし、どうも<違和感>を禁じえないのが実情であった。それは、企業側姿勢の "取って付けた" ようなニュアンス、言いかえれば、ホンキでやる気があるの? という打ち消し難い疑問であったかもしれない。従来の基本姿勢を変えずにそれを維持したままで、"ソーシャルメディア" 対応に向かうというのはややムリがありそうだと思えてならなかった......。
 さらに、<違和感>のもう一つの原因としては、"ソーシャルメディア" 活用のマーケティングの "有効性" をホントに確認したわけでもなかろう "IT 関連業者" などが、何やかやと安直さに任せて蠢く! そうした状況への不信感(?)も手伝っていたのかもしれない......。

 ところが、<違和感>の本質は、 "一方通行路線" と "対話路線" というズレのレベルどころか、消費者の消費マインド自体が次元を異にした "革命的変化" へと踏み込んでいたことにこそあったようである。それが、"何か違う......" という打ち消し難い<違和感>を刺激していたのかもしれないのである。
 その "革命的変化" とは、下記記事によれば<「スペンドシフト」>と呼ばれている事態なのである。それゆえに従来型の消費マインドに拘泥しつつ小手先で対応するところの "Socialメディア" マーケティング対応に、"何か違う......" という<違和感>が付きまとっていた......、とそう理解することができそうなのである。

 もし、顧客が訪れたショップの店員が、やたらに慇懃な接客対応をする割には、顧客側の真のニーズを探り当てることができずに、ウンザリするようなありきたりの在庫商品ばかりを並べ立てるとしたら、顧客側はどんなもどかしさに襲われるであろうか?  企業による現時点での "Socialメディア" マーケティングとはそんなちぐはぐさを地で行っているようなものなのかもしれない......。

 いずれにせよ、"ソーシャルメディア" 時代において注目すべきは、コミュニケーションのスタイル( "一方通行路線" か "対話路線" か......)の違いどころの話ではなく、消費者(生活する人間たち!)が何をニーズとしているのか、そのフェイズでの切々とした変化だ! ということになりそうである。そして、若い世代ほどこの変化を実感として自分のものとしている気配が強いと思われる。
 その "革命的変化" に見合った企業改革に辿りつくためにこそ、"ソーシャルメディア" に立ち向かうべきなのではなかろうか。

 以下、平易な文章表現でありながら、実に "的を射た" 指摘を放っているその記事を引用しておきたい。
< 「棚が回る冷蔵庫のCM」に呆れる若者の話                      イケダハヤト

 先日仲間たちと飲んでいた際に、
「・・・ハヤトさん、こないだ"棚が回る冷蔵庫"のCMやってたんですけど、信じられますか?(笑)」

 という興味深い問いを、88年生まれの学生が「呆れながら」私に投げかけてきました。

 私はこの言葉の意味するところが、一瞬分かりませんでした(皆さんは分かりますか?)

「何のために」やってるの?

 彼の話はとてもシンプルで「なんで日本人は真面目に働いて『棚が回る冷蔵庫』を作り、多額のお金を掛けてそのCMまで作っているんだ。もっと世の中には解決すべき課題があるのではないか」という思いを抱いたそうです。

 私は彼の感覚に驚くと同時に、ともすると私たちが苦労して作り上げた仕事が、文字通り一笑に付される可能性もあることを知り、恐れすら感じました。

 そして、彼の感覚は、ある程度共有されうるものであることも真実です。私自身もどこか感じていた「企業のマーケティングに対する違和感」が、彼の言葉によって一層明瞭になりました。

 以前も記事に書きましたが優秀な若い人材は、「満たされたニーズをさらに満たすような仕事」に魅力を感じなくなっている現状があるように私は感じます。

 仕事選びだけでなく、商品やブランドを選択する際にも、若い世代は厳しく「この課題だらけの世界で、何のためにそれをやっているの?」という問いを投げかけていると言えるでしょう。

「エリート消費」で留まらない潮流

 こうした議論をすると、しばしば「それは高等教育を受けたエリート層の感覚だよ」という意見を頂きます。

 あくまで個人的な感覚ではありますが、教育レベルという小さな話ではなく、これはもっと大きな世相の変化を反映した結果、醸成されている消費マインドだと私は思います。

 新聞を読まず、インターネットに触れない人でも、今の日本や世界が課題に溢れていることは、どこかで分かっているはずです。自分自身、または身近な人が「課題」に直面しているという人も少なくないでしょう。「何のために?」というフィルターを持って世の中を透かして見る人は、これから増えていくと私は考えています。

 その裏付けとなるようなデータも出ています。例えば、インテージが震災「前」に行った消費者意識に関する調査では、10代~20代の社会貢献意識が全世代で最も高くなっています(PDFレポート, p34)。多くの若い世代が「何かしなくちゃいけない」という危機感を抱いている証左と言えるのではないでしょうか。

 また、米国では「スペンドシフト」というタイトルの調査報告が話題になりました。このレポートは、未曾有の大不況の後に起こった人々の消費マインドの:

自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。
ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。
モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。
有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。
消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。

 といった「シフト」を切り取った内容となっています。「スペンドシフト」は米国のレポートですが、著者のジョン・ガーズマ氏は、震災などを要因に日本でも「スペンドシフト」が起こっている、とも語っています

解決している課題は何か?

 これからの消費者は、そのビジネスが「どのような課題を解決しているのか」を厳しく見透かし、価値を判断するようになるでしょう。

 世の中は課題だらけであることを、私たちは知っています。そんな中、自社の売上を伸ばすために、「満たされたニーズをさらに満たそうとする商品」を売っていこうとしても、人々の共感は得られず、それどころか冒頭のような冷笑すら浴びせられかねません。

 皆さんは仕事を通して、どんな課題を解決していますか?

 この問いに対して明確な答えを、本心から持てるか否かが、これからのビジネス的な成功を左右する一つの要素になると私は考えています。 >「棚が回る冷蔵庫のCM」に呆れる若者の話/現代ビジネス - ソーシャルウェブが未来を創る!/2012.01.07


 ひょっとすれば、上記の視点を丹念に練り上げていくならば、"ソーシャルメディア" へのありがちな表面的なアプローチにおける "見当違い(?!)" が徐々に正されていくのかもしれない...... (2012.01.09)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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このページは、yasuo hiroseが2012年1月 9日 00:01に書いたブログ記事です。

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