"ソーシャルメディア" ほど "庶民の声" を、人と人との "つながり" の中で共に確認し合ったり、共鳴させ "シェア" できる手段はほかにないと思われる。もっとも、何の不満も不安もなければ話は別となるが......。
ところが、"知らされていない!" ことによってそうなっているとするならば、どうであろうか? 不幸と言うよりも悲劇と言うべきなのかもしれない。しかし、意外とそんな "ダマシ" にも似た時代環境にわれわれは置かれているのかもしれない。
われわれが懸念し、不安が隠せない社会現象に事欠かない現在・未来である。だが、そんな中でも急激な "人口減少"="少子化"="年金制度破綻" という問題は、一つの決定打(?)と言える懸念なのかもしれない。
< 今の若者たちは不幸だと多くの人が言う。しかし、本当に大変なのは彼らの将来なのだ。消費税増税が大きなテーマになっているが、少子化対策はそれと同様、いやそれ以上に真剣に考えるべき問題なのである。>( 100年前に戻る日本の人口、少子化対策を急げ/nikkei BP net - 田原総一朗の政財界「ここだけの話」/2012.01.07 )
田原氏が指摘しているのは、<国には少子化対策に真正面から取り込もうとする姿勢がない>ことによって、この "人口減少"="少子化" という社会の根幹を揺るがす事態が、若者たちの将来に大変!さをもたらしているという点だ。
もちろん、今のままの体たらくが続けば、ほぼ確実に"年金制度破綻"や、それに匹敵するほどに若い世代の負担が急増するという事態が訪れる、という実情のことである。( 後述 )
消費税増税対策なども "焼け石に水" ともなりかねない将来が訪れようとしているのである。<100年前に戻る日本の人口>と題されて引用されている以下の図表は、深刻さを伴う伴う近未来をしっかりと告げている。
"人口の推移" といった、あらゆる社会計画の基本となる統計値なぞは、もちろん国が掌握して、将来に向け管理すべきものだ。それがこの期に及んで問題視されるということ自体が奇々怪々だということになりはしないか。
<少子化は1973年に始まっていた 日本の総人口が減少するのは少子化が原因である。少子化は、経済・社会などあらゆる問題に大きな影響を及ぼす。その少子化がいつ始まったのか改めて調べてみると、田中角栄氏が首相に就任した翌年の1973年のことだ。しかしその頃、少子化はまったく問題にされなかった。初めて少子化を取り上げたのは小渕恵三首相(任期1998-2000年)だったが、それでもまだ真剣に取り組んでいなかった。そして、ようやく少子化が話題になったのは小泉純一郎首相(任期2001-2006年)の時代だ。1973年に少子化が始まっていたのに、なぜその後長い間、問題にされなかったのか。
その理由は、日本人の寿命が年々延びて少子化にもかかわらず人口が増え続けていたからだ。日本の人口が自然減に転じたのは2005年のことで、これによってやっと少子化が騒がれるようになった。このため、少子化対策は遅れに遅れてしまったのである。 ......
2023年には現役2人で高齢者1人を支えることになる
たとえば、1995年には生産年齢人口(15-64歳)は8700万人であった。それが2030年には6700万人、2050年には4900万人へと減少するという。つまり、およそ半分になる。
さらに年金給付などについて考えてみると、1980年には7.5人の現役が1人の高齢者(65歳以上)を支えていたが、2000年には現役4人が高齢者1人、現在は現役3人が高齢者1人を支えている。現役人口は1980年の半分以下になってしまったのだ。そして、2023年には現役2人で高齢者1人を支えることになるという。
年金生活者は若い世代が掛けている保険料から年金をもらっている。それが7.5人に1人なら楽だったのに、現在は3人に1人に、将来は2人に1人になるから大変なのだ。そのバランスは下手をすると逆転する可能性すらある。
また、年金や医療などの公的部門で65歳以上の世代は6500万円得をするが、20歳未満の世代は5200万円損をするという試算もある。
要するに、問題はこの先、人口減少が急激に進むことにある。今後100年で9000万人減というペースで減っていけば、2030年、2050年になると少子化に伴うさまざまな問題が顕著に表れ、大変な社会問題となる。 ...... >
( 同上サイト )
こうした "破格に厳しい近未来" を迎えることとなった原因を、田原氏は単刀直入に以下のように述べている。
<政治家は少子化対策に本気で取り組んでいない
今すぐに少子化対策を懸命にやらなければならないのに、政治家は1~2年先のことしか考えないから、たとえ口に出しても誰もまったく手をつけようとしない。本気になっていないのである。
先の人口減少の予測グラフは国土交通省の国土審議会が作成したものである。本来なら厚生労働省が公表すべきグラフなはずだが、厚労省はこうした「将来予測」を直視するのが恐くて出せないのではないか。国には少子化対策に真正面から取り込もうとする姿勢がないことが、このことからもわかる。 ...... >
( 同上サイト )
ところで、この驚くべき "人口減少"="少子化" の近未来が、これからの若い世代をどう "追い詰める" ことになるのか? これもまた、"知らされていない!" からこそ黙っていられるのかもしれない......。
現役世代の "年金負担" における "損得勘定"(但し、"得" はありようはずがない......)について、一つだけ議論材料を例示しておくことにする。
現役世代の "年金負担" には、現行制度の "① 賦課方式" と、 "② 事前積立方式" というものがあり得る。
今、その "破綻" や "過剰な負担" が懸念されているのは、"① 賦課方式" であり、"② 事前積立方式" とは、"世代毎に積み立てる" 方式であり、"世代毎" を自己完結的な "負担と給付" のグループとするために、世代間人口の差が問題とならなくて済む、合理的と言えば合理的な方式なのである。
この両者の方式を、上記の "人口推移図" と組み合わせてみると、下記の図のような "世代別損得計算" が成り立つと言うのである。
(下記の "Eテレ番組" の一画面より)
<現行の賦課方式では2005年生まれ以降の人は払った額に対し受け取る額で2500万円以上損することになる。
これに対して、基礎年金財源を税金で確保し、事前積立方式に移行した場合試算によれば将来にわたるすべての世代で一律300万円位の損で済む。
この移行をまじめにやれば100年位かかるが、政策決定次第では、積み立ててない部分を未来の借金とし別会計とし100年、200年で政府が返済するという年金改革公債( Pension reform bonds ) を実施することも不可能ではない。 ...... >( 『新世代が解く! ニッポンのジレンマ 震災の年から希望の年へ』/Eテレ 2012年1月1日 よる11:00-午前2:00の番組より )
自分たちが抱える切実な "社会問題" を、"ソーシャルメディア" ならではのスタイルによって "シェア" したり、思いをぶつけながらソリューションへの道を探って行く......。そんなふうに "ソーシャルメディア" がアクティブとなって行けばいいなぁ、と願うばかりだ...... (2012.01.11)
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