"ソーシャルメディア" の利用のされ方はさまざまであり、昨日のような "科学ジャーナリズム" を支える活用があるかと思えば、下記引用サイト記事、「ツイッター疲れ? 温かいフェイスブックに利用者流入 2011年ヒットの裏側(2)/日本経済新聞/2011.12.31」のように、<ツイッターは、「暇潰しに見るテレビ」と同じような用途で普及している>、<震災時のツイッターは、ニュースや生活情報を収集するのに活躍した。しかし一般ユーザーの利用実態を見ると、こうした使い方は少数派だ。>といった使われ方の実態も視野に入れておかなければならない。
この記事では、結論的には、<2011年を総括すると、ツイッターの「匿名の自由さ」から、フェイスブックの「実名の居心地の良さ」へとシフトしたユーザーが目立つ一年だったと言えるだろう。>と述べている。
「Twitter(ツイッター)」と「Facebook(フェイスブック)」という2大 "ソーシャルメディア" の利用実態が調査され、比較分析された結果だ。
<最近、高校生の間でツイッターが流行している。>ようであり、<普及の理由は、「芸能人や有名人をフォローして、空き時間に彼らのコメントを読むため」>だそうだ。
ただ、<とはいえ、ツイッターの勢いには陰りが見え始めている。>とのことで、その背景には、<「ツイッター疲れ」>という聞き慣れない指摘がある。
どういうことなのかと言うと、<タイムライン上を流れる情報のスピードが速く、ネガティブな意見も飛び交う"殺伐とした"ツイッターに疲れた人が、フェイスブックに流れている傾向が見て取れた>とある。
その結果、フェイスブックへのシフト傾向が見受けられるというわけだ。
では、フェイスブックの利用実態がどうかというと、<フェイスブックは実名登録で、リアルな友人、知人とのつながりが大半。>だそうで、<「いいね!」などの温かい反応ばかりが返ってくる。情報の流れ方も比較的ゆったり>という空気が歓迎されているという。まるで、<「知り合いとの居酒屋での談笑」、飲み会のような居心地の良さ>を思わせる状況が好感を抱かせるのだそうだ。
ただし、<フェイスブックでは友人に加えて、会社の同僚や上司、実家の家族などともつながる人が多い。そうなると、仕事の愚痴や投稿への批判は、付き合い上、言い出しにくい雰囲気が出来上がりつつある。>という点から、<フェイスブックは"少し窮屈な空間">というマイナス評価も浮上しているらしい。
こうした調査結果から、何を読み取るかは人さまざまであろう。
ふと自分が思い起こしたのは、"自己肯定感" という言葉であった。人は誰しも "自己肯定感" に支えられ、癒されたいと願うものかと思われる。「いいね!」という他者からの反応が "自己肯定感" にどれほど寄与するのかは定かではないが、無関係のはずはなさそうだ。
ただ、こうした "自己肯定感" だけが指標となる空間は、"窮屈さ" ばかりか "脆(もろ)さ" をも増幅させつつ、当初の期待を裏切りかねないこともあわせて承知しておくべきなのかもしれない......、と思えた。
<ツイッター疲れ? 温かいフェイスブックに利用者流入 2011年ヒットの裏側(2)
東日本大震災で脚光を浴びた「Twitter(ツイッター)」と、急成長中の「Facebook(フェイスブック)」。2011年を代表する2大ソーシャルメディアの利用実態は今、どうなっているのだろうか。
■ 高校生の心をつかみだしたツイッター
最近、高校生の間でツイッターが流行している。リクルート進学総研の調べでは、フェイスブックや「mixi(ミクシィ)」に比べ、利用率が大幅に高い。
彼らのハートをつかんだのは、140文字のシンプルさや双方向機能ではない。普及の理由は、「芸能人や有名人をフォローして、空き時間に彼らのコメントを読むため」(「リクルート進学ネット」編集長の林知里氏)。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)というより、エンタメツールとして浸透しているのだ。この世代は「『友達と同じものを使う』という同質化欲求が強い」(林氏)ので、今後、ツイッターの利用率はさらに上がるとみられる。
震災時のツイッターは、ニュースや生活情報を収集するのに活躍した。しかし一般ユーザーの利用実態を見ると、こうした使い方は少数派だ。
インターネットメディア総合研究所の調べでは、ツイッターの利用目的の1位が「暇潰し」、2位は「著名人や有名人のつぶやきを読む」こと。前述した高校生の使い方に極めて近い。ツイッターは、「暇潰しに見るテレビ」と同じような用途で普及しているのだ。
■ 友人との交流目的で伸びるフェイスブック
とはいえ、ツイッターの勢いには陰りが見え始めている。
MMD研究所が2011年9月、「ツイッター、フェイスブック、ミクシィのなかで、一番利用しているもの」を問う調査を行ったところ、ツイッター33.1%に対してフェイスブックが33.5%と、後者が僅かに上回った(ミクシィは16.5%)。
ニールセン・ネットレイティングスの調査によると、ツイッターの利用者数(パソコンからのサイト訪問者数)は、震災があった3月時点で1700万人以上に。だが、その後は1500万人程度に落ち着き、横ばい状態だ。一方のフェイスブックは、利用者数だけでなく、利用時間も延びている。1月は月平均34分だったのが、9月には月47分になっている。
フェイスブックを好むユーザーに目立つのは、「ツイッター疲れ」だ。
日経トレンディ編集部でユーザーへのミニアンケートを10月に行ったところ、タイムライン上を流れる情報のスピードが速く、ネガティブな意見も飛び交う"殺伐とした"ツイッターに疲れた人が、フェイスブックに流れている傾向が見て取れた(詳しくは、アンケート結果をまとめた後ろの図を参照)。
フェイスブックは実名登録で、リアルな友人、知人とのつながりが大半。そのため自分の投稿に対しては、「いいね!」などの温かい反応ばかりが返ってくる。情報の流れ方も比較的ゆったりしており、マイペースに使える。インターネットメディア総合研究所の調べでは、フェイスブックの利用目的は「リアルな友人とのコミュニケーション」が62.8%(複数回答可)で圧倒的な1位となっている。
なお、20代や40代の女性は、「リアルな友人とのコミュニケーションにツイッターを使う比率が(他のユーザー層と比べて)高い」(インターネットメディア総合研究所)。彼女たちはフェイスブックと同じ用途で、ツイッターを利用している。
■ フェイスブックは本音が言いづらい
その一方、フェイスブックは"少し窮屈な空間"でもある。
フェイスブックでは友人に加えて、会社の同僚や上司、実家の家族などともつながる人が多い。そうなると、仕事の愚痴や投稿への批判は、付き合い上、言い出しにくい雰囲気が出来上がりつつある。
この点では、匿名で利用できるツイッターのほうが、自分の本音や批判を気兼ねなく書ける。前述のミニアンケートでは、こうした発言の自由さで、フェイスブックよりツイッターを選ぶユーザーも少なくなかった。また、ツイッターは機能がシンプルなので気軽に使いやすいという意見も目立った。
アンケートの回答で、あるユーザーはフェイスブックでのやりとりを、「知り合いとの居酒屋での談笑」に例えた。自分の近況を話せて、周囲の人からの相づちもある。いわば飲み会のような居心地の良さが、多くの人にフェイスブックが受けている理由だ。
2011年を総括すると、ツイッターの「匿名の自由さ」から、フェイスブックの「実名の居心地の良さ」へとシフトしたユーザーが目立つ一年だったと言えるだろう。
(日経トレンディ 荒井優)
[日経TRENDY2011年12月号の記事を基に再構成] >( ツイッター疲れ? 温かいフェイスブックに利用者流入 2011年ヒットの裏側(2)/日本経済新聞/2011.12.31 )
「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」(夏目漱石『草枕』)という良く知られたフレーズがある。これをもじれば、「"ツイッター" に働きかければ腹が立つ。"リア充" 目指せば流される。"フェイスブック" 利用は窮屈だ。兎角に "ソーシャル" は住みにくい。」とでもなるのか?
ひょっとしたら、問題なのは "メディア" の種別にあらず、自分側の "ソーシャル" 対応マインドなのかもしれない...... (2012.01.02)
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