この言葉が正解か!"日本社会が抱えこんだ一番の問題はリアリティの欠如である" ......

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 今現在のこの国この社会の "危機的状況" に目を向ける時、立ち上がってくる茫漠とした "不安感" と、まぁ、きっと何とかなるのだろうとする "気休め感"、それらが入り混じった何とも居心地の悪い心境にさせられる。
 巨大な財政赤字(デフォルト危機)、高まる年金制度破綻可能性、急激な少子高齢化、産業空洞化、東日本大震災と引き続く大震災危機可能性、政治混迷......。
 現況が深刻であることは伝わってくるが、それに輪を掛けて不幸な事態だと思われるのは、"不安感" が "不安感" のままであること、つまり、現況の深刻さが重みのある事実として共通認識されない(?)、そんな環境に放り出されていることなのかもしれない。

 だからこそ、表題の日本社会が抱えこんだ一番の問題はリアリティの欠如である( 下記引用記事: 「31年ぶり」貿易赤字の大嘘、国内生産はもはや消滅の危機/nikkei BPnet〈日経BPネット〉財部誠一の「ビジネス立体思考」/2012.01.31 )というフレイズが応えるのである。
 よく言われる方便に、より深刻な事態が知れ渡ると "パニック" が起こるから! と言われたりもする。だが、推測可能な事実が濁され共有されないでいると却って状況は悪化するはずであろう。その方便の背後には、「知らしむべからず、依らしむべし」という "官僚的思い上がり!" が色濃く隠されているかに窺える。
 そして、この "官僚的思い上がり!" は、実際の "官僚" のみならず、彼らと共通利害関係を持つ "お仲間さんたち"(政治家、マスメディア、有識者......)にも共通している......。

 こうして、"不安感" と "気休め" は充満しているものの、事態打開の大前提であるはずの認識における "リアリティ" が一貫して濁されていることになる。
 まさに、日本社会が抱えこんだ一番の問題はリアリティの欠如であるというアンビリーバブルな現実が、人々をたぶらかし続けている......。
 "ソーシャルメディア" とてこの国の場合は、上記の "お仲間さんたち" と仲良しクラブを作っているに過ぎないのかもしれない......。

 以下の引用記事は、"貿易赤字" の一点に話題は絞られているが、それに尽きない広がりを持っていることは簡単に読み取れるはずだ......。


 「31年ぶり」貿易赤字の大嘘、国内生産はもはや消滅の危機

「2011年、日本は31年ぶりの貿易赤字転落」

 1月25日に財務省が発表した貿易統計(速報ベース)によれば、2011年の貿易収支(速報ベース)は第2次石油ショック後の1980年以来、じつに31年ぶりに赤字へ転落した。

2008年度は貿易赤字だった

 多くのニュースは赤字転落の主な理由として、円高や東日本大震災で製造業のサプライチェーンが崩壊したために輸出が急減したこと、さらに福島の原発事故後の電力不足を補うために火力発電の燃料である液化天然ガスの輸入が急増したことだと解説した。東日本大震災が招いた悲劇的な状況が輸出急減、輸入急増を引き起こし、31年ぶりに日本の貿易収支は赤字転落してしまったのだと解説した

 だがこれほどミスリーディングな解説はない。ふだん貿易統計などとは無縁の人々が受けたであろう衝撃の大きさを考慮すれば、「31年ぶり」の貿易赤字という表現はミスリーディングというよりも、むしろ「嘘」に近い

 なぜなら暦年(1月~12月)と年度(4月から翌年の3月)の違いはあるものの、リーマンショックのあった2008年度も日本は貿易赤字に陥っている。つまり今回の貿易赤字転落は、遥か昔の31年前に起きた出来事の再来などではなく、ついこのあいだ、リーマンショックの年(年度)にも赤字転落していたのだ

 要するに、東日本大震災という戦慄すべき悲劇が突如として貿易赤字転落を招いたわけではない。リーマンショック以降、日本は基調として貿易赤字になりつつあるという現実を知らずに、2011年の1年間だけを特別視するのは、日本経済の実態から大きく逸脱した現状認識と言わざるを得ない。

日本ではもうやっていけない

 ではこの先、日本の貿易収支はどのように推移していくのだろうか。

 それを考えるうえで、1月26日に公表された米国の金融政策は重大な意味を持つ。日本の中央銀行にあたるFRB(米連邦準備理事会)は2014年までと期間を明言して、ゼロ金利政策を長期間維持していくことを明らかにした。少なくとも輸出企業にしてみれば、これによって超円高是正のわずかな望みも断ち切られたと受け止めざるを得ない。

 昨年後半、私は空洞化をテーマに地方の中小企業から大企業まで、多くの経営者や形成戦略の中枢をになう人々への取材を続け、日本の製造業の行く末を『 メイド・イン・ジャパン消滅! 』(朝日新聞出版)という本にまとめた。最終的にいかなる結論にたどりつくのか、先入観を捨て、すべてを取材に託して製造に関わる人々の本音に迫った。

 そのなかでじつに印象深かったのは、日本を代表する大手メーカーの経営者が発した言葉だった。

日本でこれだけ製造業が軽視されたら、もうやっていかれない

「決別」なのか「諦め」なのか。

 日本国内の雇用拡大を企業経営の中核的な価値として、創業以来持ち続けてきた国内生産に対する執着心そのものが失われつつある。......日本でもの作りを継続していくモチベーションが喪失していくばかりだ。

いっそ本社も海外に移転へ

 中堅中小企業が集中する愛知県にいる知人の経営者からもこんなメールが届いている。
「事情が許しさえすれば、いっそのこと本社を海外に移転しようかという考えが頭をよぎる経営者は私の周辺にもうようよいます」
 工場の海外移転などではおさまらず、本社そのものを海外移転したいという欲求にかられる経営者が本当に増えている。ある大手IT企業の社長も「本社海外移転の可能性を真剣に検討しろ」と部下に指示を出している。

 日本社会が抱えこんだ一番の問題はリアリティの欠如である

 2008年度にすでに赤字転落している事実を伝えない報道は、現実の全体像を正直に伝えるよりも「31年ぶり」を強調した方がニュースバリューは高まるというお粗末な発想が呼び込んだものに違いない。そこにはいま日本が直面している危機に対するリアリティがまったく感じられない
 ......

先端技術も海外へ移転

 1月30日の日経新聞に掲載されたパナソニックが車搭載用のリチウムイオン電池生産の中国移転ニュースには度肝を抜かれた。......
 だが予想を裏切り、トヨタ自動車がハイブリッドカーを中国で生産、パナソニックもそれに合わせて大型リチウムイオン電池の生産移転を決めたようだ。

 貿易統計が描く抽象的な世界の話ではなく、恐ろしい勢いで産業空洞化に拍車がかかってきた現実をしっかりと見据える必要がある

 空洞化はローテク技術の国内生産縮小で雇用が危機にさらされるだけではもうすまない。環境関連の先端技術までもが海外移転する時代へと突入した。

 メイド・イン・ジャパンにどんな近未来を望むのか。リアリティをもって日本社会はこの問題に向き合わなければならない。 「31年ぶり」貿易赤字の大嘘、国内生産はもはや消滅の危機/nikkei BPnet〈日経BPネット〉財部誠一の「ビジネス立体思考」/2012.01.31


 "まやかし" 尽くめの今のこの国には、"リアリティをもって問題に向き合う" ならば自身の立場を掘り崩してしまう、そんな人々がいたりするものだ。嘘をついているというよりも、嘘をつかざるを得ない人々が...... (2012.02.08)













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