複数のPCやデバイスを使用していると、いずれのデバイスも "同一" の環境設定で使いたいと思うようになる。たとえばブラウザであれば、保存した "ブックマーク" や閲覧 "履歴" がデバイスの違いにかかわらず共通で使いたいと......。
以前はそれぞれのPC毎にエクスポート・インポートなどを手入力で行ったりもしていた。煩わしいことこの上ないので、バラバラでもしょうがないと諦めたりもしていた。
自分はブラウザでは "Mozilla Firefox" を愛用しているが、"Sync"("同期" 機能)を活用して使用中の "Mozilla Firefox(v.10.01)" のすべてを "同期" させ、"同一" の環境設定にしたのは、つい最近のことだ。
これについては、複数の Windows PC間のみならず、これらと "iMac" との "同期" についても実行できたのはうれしい驚きであった。
これがいわゆる "クラウド" に基づくメリットなのであろう。有難さが実感として享受できる身近な例だ。
ほかにも自分にとっての実感的な "クラウド" の例としては、"iTunes" と "iPad,iPhone,iPod touch" に関するケース、"ウイルスバスター2012 クラウド" によるもの、そして最近ジワジワと使い勝手の良さを感じ始めている "Evernote" での "デバイス間同期" などがある。
いよいよ "クラウド" が一般ユーザーにも浸透してきたと実感しているわけなのだが、今日引用するサイト記事:「iCloudはDropboxキラーではない(それ以上だ)/TechCrunch/2012.02.17」は、Apple による "クラウド" に関する一歩踏み込んだアプローチを伝えるものである。
自分が使っている "iMac" は、"Mac OS X 10.7.3 Lion" であるが、"次期バージョンOS X ― OS X 10.8、別名Mountain Lion ―" では、<AppleはiCloudサービスをいっそう深くオペレーティングシステムに統合した ...... OS自身の一部になろうとしている>とのことである。
自分の場合はまだ確認できていないが、<AppleはiCloudをOS X新バージョンの奥深く「開く」と「保存」のダイアログボックスに直接組み込んだ。Mac Storeアプリはローカルファイルシステム、iCloudどちらへもすぐに保存できるようになる ...... あらゆる物を同期させようとしている ...... それは、どこでどのデバイスを使っていても、一つのコンピューター環境を維持するための仕組みなのである>というものであるようだ。
システムとしての "環境コスト" が割安というメリットも手伝い、かつビジネス・ユースのみならず個人ユーザーにとっても大いに "便利!(デバイス間同期)" となれば、今後ますます "クラウド" 方式が普及してゆくことは間違いなさそうだ......。
iCloudはDropboxキラーではない(それ以上だ)>
今日(米国時間2/16)発表された次期バージョンOS X ― OS X 10.8、別名Mountain Lion ― で、AppleはiCloudサービスをいっそう深くオペレーティングシステムに統合した。もはやクラウドに文書を保存できることは特別な付加価値的では ない ― OS自身の一部になろうとしている。クラウドもドライブの一つです、とAppleが言っているかのように、クラウドに保存することはデスクトップのドキュ メントフォルダーに保存するのと見た目も変わらなくなるに違いない。
このアイディアは、もちろん新しいものではない。 Dropbox な どのスタートアップが今既にやっている ― 一見普通に見えるが、どのマシンからでもアクセスできるドライブを作ること。表面的にはiCloudを「Apple版Dropbox」と呼びたくなるが、 真実はもっと複雑だ。それはコンピューター利用の新しいパラダイムを作っているとも言える。
Mountain Lionの新しいiCloud統合を試してみた。ファイルは複数の場所 ― 例えば、MacとiPadとiPhone ― で開くことができ、内容が変更されるとほぼ瞬時に、三つのデバイスでリアルタイムに反映される。通知を待ったり、ファイルを再読み込みする必要はない。自然にそうなるだけだ。すぐに思ったのは、iCloudが急速にApple独自の改良版Dropboxになりつつあることだったが、これはGoogle Docsや、さらには長年噂のGoogle Driveの強力なライバルになるかもしれない。
しかし、Googleの哲学はファイル作成自体をクラウドへと移行することだ。オンライン版オフィススイーツはデスクトップ版と同じでないにせよ「十分」使える。そしてその「十分」故の使いやすさが勝つこともある。ほぼ正反対の見解をとるAppleのiCloudはその逆を行く。クラウドの能力を、機能豊富でより堅牢なネイティブアプリに持ち込もうとしている。iWorkのオフィスアプリだけでなく、APIを利用すればどんなアプリでも iCloud対応にできる。現時点ではサードパーティー向けiCloudのサポートは限定的だが、いずれAPIが改善されるだろう。究極的には、Appleプラットフォーム(デスクトップでもモバイルでも)上のあらゆるアプリが、別のマシンとデータをやりとりできるようになる。
クラウドへの移行をシームレスにするために、AppleはiCloudをOS X新バージョンの奥深く「開く」と「保存」のダイアログボックスに直接組み込んだ。Mac Storeアプリはローカルファイルシステム、iCloudどちらへもすぐに保存できるようになる。iCloudはファインダーにも組み込まれ、アプリ別にソートされたファイルのリストがリアルタイムに表示される。さらにこのファイル管理には、iOS風味付けがなされていて、例えばファイル同士をドラッグ&ドロップするとフォルダーが作られる。背景さえもiOS画面に似ている。
AppleのiCloudは、改良版Dropboxを目指しているだけではない ― あらゆる物を同期させようとしているのだ。メール、連絡先、カレンダー、リマインダー、ブックマーク、メモ、写真、アカウント等々。
今のところ、エンドユーザーから見たiCloudは、「iCloudに保存しますか?」という選択肢に代表される通り、インターネット上の場所である。まるでiCloudが単なるオンラインストレージであるかのようだ。しかしこれは、われわれが慣れ親んだ世界 ― 物理的ハードディスク ― と、クラウドの中の未来を繋ぐ、束の間の段階のように感じる。クラウドをシンプルに見せようするあまり、iCloudの本質が正確に伝わっていないのが皮肉だ。実際このクラウドは、「空のハードドライブ」(MicrosoftはSkydrive さんどうも)ではない。それは、どこでどのデバイスを使っていても、一つのコンピューター環境を維持するための仕組みなのである。
[原文へ ]
( iCloudはDropboxキラーではない(それ以上だ)/TechCrunch/2012.02.17 )
(翻訳:Nob Takahashi)
考えてみれば、"どこでも使える" が売りの "スマホ" の爆発的普及が、<どこでどのデバイスを使っていても、一つのコンピューター環境を維持するための仕組み>としての "クラウド" の、その進化へと連なっていくのは、当然の成り行きなのであろう...... (2012.02.18)
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