"ワン・フレーズ・ポリティクス"を想起させるSNS!みんな"ムリ"させられてる? ......

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 ひと昔前、『自民党を変えます』『日本を変えます』『構造改革なくして景気回復なし』と、ショートなスローガンを絶叫する首相がいたのを思い起こす。それをマスメディアは "ワン・フレーズ・ポリティクス" だと揶揄したりもしていた。
 良い悪いの観点から離れると、そうした手法が政治家としては一定程度奏功していたのであろうという、そんな印象が残っている。
 聞くところによれば、そうした "ワン・フレーズ・ポリティクス" 手法の出所は、とある "広告業界" トップとの会食だったとも言われてもいる。真偽はともかく、頷ける話である。
 それと言うのも、広告業界と言えば、まさに "ワン・ワード"、"ワン・フレーズ" でのコピーが消費者のココロを掴むかどうかの生命線だからだ。

 "SNS" というのはツイッターやフェイスブックによる "交流" の場であるが、まるで "ワン・フレーズ・ポリティクス" の世界とも言えそうか......。特に "投稿字数に制限" のあるツイッターでは、"コピーライター" の職業的苦痛にも似たものが強いられているのかもしれない。
 確かに、現代という "忙しい時代" にあっては、どんなジャンルにおいても "要約" や、"ブリーフィング" の作法は不可欠ではあろう。それは分かる。そして、専ら "分かり易さ" が過度に求められている時代の傾向を睨むならば、"ワン・フレーズ・ポリティクス" 的手法に目が向けられる風潮に納得感が生まれたりもする。

 しかし、物事は "白黒" がつき易いことばかりとは限らず、それゆえに "ワン・ワード"、"ワン・フレーズ" で表現できることばかりとは限らないはずだ。いやむしろ、複雑化し、錯綜した現代にあっては、環境も人の心もその表現においては費やす言葉を制限するのが難しいのが現状ではなかろうか。逆に言えば、そうであるからこそ "ワン・ワード"、"ワン・フレーズ" 方式での表現が "ムリ強い" させられているのかもしれない。
 そして、"SNS"、"ソーシャルメディア" の場では、いつしか "ワン・フレーズ・ポリティクス" 的手法が定石と見なされつつあるのかもしれない。
 元々、これらの場は、必ずしも政治やマーケティングの場と言うより、平凡な日常的 "交流" の場であっただろう。そんな場に、表現手法のある種の "ムリ強い" 傾向が見受けられそうな気配である。

 こんな思いに意を強めさせたサイト記事があった。下記引用サイト記事:SNSを自在に使いこなす若者がSNSに傷つき悩んでいる/香山リカの「ほどほど論」のススメ|ダイヤモンド・オンライン/2012.02.13 だ。

 SNSを自在に使いこなす若者がSNSに傷つき悩んでいる

文脈は無視され単語だけが重視される時代に

 先日、ダボス会議に出席した方と話す機会がありました。この方がそこで感じた「格差」は、「南北格差」でも「民族格差」でもなく、デジタルネイティブとそうでない人との「格差」だというのです。物心ついたときからネットを使いこなし、フェイスブックなどをベースに社会活動を行なっている若きリーダーたちには、話し方に同じような特徴がある、と指摘していました。

 それは、発言が言い切り口調で、ひとつのセンテンスが短いということです。アメリカ在住か中東の人か、男性か女性か、年齢はいくつかなどにはあまり関係ないのだとか。
 私も若い世代の人は、言葉を「文脈」ではなく「単語」で捉える傾向が強くなったような気がします。この傾向が広がっているのだとすれば、単語だけで文意を受け取られるという前提に立って発言しなければならない時代になっていくのかもしれません。
 ......

若者は「SNS疲れ」に悩んでいる

 現代社会は情報があふれている一方、ツイッターをはじめとするソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)というシンプルに表現しなければならないメディアに若い人が集まっています。

 ツイッターなどでは字数の制限があることから、余計な言葉は極限まで削ぎ落し、目に見える形で、しかも理解しやすい表現に整理しなければなりません。この意識が過剰に働くことが、単語重視の言い切り口調に向かっている原因なのかもしれません。しかし、私には微妙なニュアンスを伝える豊かな表現方法が劣化しているようにしか思えないのです。

 ...... 彼らの内面は非常に複雑で揺れているようです。外に向けた表現とは裏腹で、はっきりと白黒つけられないような状態にいるように見えるのです。

 ...... レポートを読むと、2人に1人はこう書いています。
「ツイッターやSNSにいちいち反応してしまう自分が苦しい」
 これが現代の学生の「SNS疲れ」です。使いこなせないのではなく、身近になりすぎて逃れられなくなってしまったのです。

他者とのつながりを求める一方で対応に苦慮する

 ......
 若い世代は、SNSを介して人とつながることに意味と喜びを見出しています。
 しかし、その裏返しとして、自分がどこまでも監視されているような感覚に陥っているのかもしれません。

 ...... 単純明快で絞り込まれた発言をする一方で、こころの中まで合理的に割り切れていないように見えます。
 もちろん、悩みが多いというのはどの時代も若者の傾向ではあります。しかし、それだけでは結論づけられないほど、彼らはソーシャルメディアとの向き合い方で葛藤しています。
 ソーシャルメディアを自在に使いこなし、一見すると軽やかに他者とつながっているように見えますが、若者の実情は必ずしもそうとは言い切れないのかもしれません。

他人と自分の生活を比較して劣等感に苛まれる若者たち

 大学生が書いたレポートには、ツイッターを見ていると劣等感が増幅されるという悩みも登場します。

 ......他人の目を惹きそうなことを選んで書き、なかには事実を脚色して書いている人もいるかもしれません。滅多にないアクティブに行動した日のことだけを書いている可能性だってあるのです。

 私たち大人は、そういう書き込みに対して「またぁ、カッコつけちゃって」と色眼鏡で見ることができます。しかし若者は、自分の場合は真実を書いていないのに、他人の記述は真実と思い込んで自分と比較して悩んでいるのです。

 ......
 ソーシャルメディアによって他者と四六時中つながっていることで、自分の生活を良く見せることを24時間意識しなければならない苦しみがあるような気がします。 
SNSを自在に使いこなす若者がSNSに傷つき悩んでいる/香山リカの「ほどほど論」のススメ|ダイヤモンド・オンライン/2012.02.13

( ※引用者注 ―― 文意を損なわない限りで割愛箇所を施しています。)

 "ワン・ワード"、"ワン・フレーズ" 方式という "マーケティング色濃厚な表現" が浸透しているのは、市場や政治のジャンルのみならず、"SNS" の場も同じようである。そしてこの傾向は、結果的に "SNS" という場に "ある種の苦悩" を与えているのかもしれない...... (2012.02.19)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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