ソーシャルメディアは興味深く利用できる。だが、望みの情報に巡り合ったり、うっかり見落としたりしないためには "こまめなアプローチ" が必要となる。何よりも、煩わしさを厭わないことが求められる。
ところで、ソーシャルメディアの役割には、"情報流通" と "人と人とのつながり" の2つがあるとされるわけが、今書いたように、前者にあたる情報収集においては、とにかく<異なるサイトに散らばる情報>を丹念に追う姿勢が要求されて手間ひまがかかる。
昨日は、どちらかと言えば後者の "人と人とのつながり" を維持することが意外と厄介であることを書いた。( c.f."ワン・フレーズ・ポリティクス"を想起させるSNS!みんな"ムリ"させられてる?( 当誌 2012.02.1 ) )
しかし、ソーシャルメディア上で<日々大量に提供される情報>を相手として "目当ての情報" をタイムリーに入手しようとするのも、結構、骨の折れるタスクに違いなかろう。
"情報収集" を目当てにしてソーシャルメディアを利用している利用者が多いとも聞くが、そんなこともあってか、ソーシャルメディアからの"情報収集" に対してスマートな支援をする "ソーシャルマガジン(ソーシャル雑誌)" と言うアプリが注目を浴びているようだ。ソーシャルメディアが一つの流行だとするならば、<次に流行する>のはこれではないか、と目されてもいるらしい。
下記引用のサイト記事:最新情報ひとまとめ、SNSの次は「ソーシャル雑誌」/日本経済新聞|業界動向/2012.02.18 は、そうした動向を報じている。
実際、iPad で<「Flipboard(フリップボード)」>を使って、リストの "Facebook" を覗いてみると、自分が "いいね!" を施したサイトの最新記事サマトリーが、まさに "フォト" 付の "雑誌記事" のようにページ・レイアウトされて表示されている。
個々の記事をタップすると、そのサイトのウェブページがスムーズにブラウザ画面として表示されるので、気になった記事の全文もチェックすることができる......。
<手間がかかるサイトの巡回が不要>というだけのことがあって、関心を持ったソーシャルメディア・サイトが実にラクラクとチェックできてしまうのは快適この上ない。
Flipboard(フリップボード) は "iPhone向けアプリ" もリリースされているし、この種の "ソーシャルマガジン" サービスはほかにも続々と登場しているとのことで、"次の流行" と目されても無理はないのかも......。
最新情報ひとまとめ、SNSの次は「ソーシャル雑誌」
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の次に流行するのはこれ――。米国でそう注目を集めているサービスが「ソーシャルマガジン(ソーシャル雑誌)」だ。SNSの「Facebook(フェイスブック)」や「Twitter(ツイッター)」上の書き込み、ニュースサイトやブログの最新記事など、自分がよく見るウェブサイトの最新情報をまとめてくれるサービスがソーシャルマガジンである。
異なるサイトに散らばる情報を、雑誌の誌面のようにレイアウトして表示する。読みやすいうえに、無料で手軽に使える点も受けて、ユーザーを着々と増やしている。こうしたソーシャルマガジンの中でも代表的なサービスが「Flipboard(フリップボード)」だ(図1)。
図1 ニュースサイトの記事や、フェイスブックやツイッターでの書き込みなど、いつもチェックしているサイトの最新記事のサマリーをひと目で見渡せるのが、「ソーシャルマガジン」の便利なところ。手間がかかるサイトの巡回が不要になる
■代表格「Flipboard」のiPhoneアプリが登場
フリップボードは現在、アップルのiPadとiPhoneで利用できる。フリップボードはもともとiPad向けアプリとして2010年から提供され、人気を博してきた。iPhone向けアプリは2011年12月に登場したばかりだ。
フリップボードのアプリを起動したら、読みたい新聞や雑誌のサイト、ブログなどをあらかじめ用意されたリストから選ぶ。ここにないサイトであっても、RSSフィード[注1]と呼ばれる仕組みでそのサイトが更新情報を提供していれば、自分でフリップボードの購読リストに登録できる。
フェイスブックやツイッターなどのSNSから情報を読み込む場合も、同様にリストからサービスを選べばいい。簡単に有名人のツイートを読めるように設定できる。
[注1]「RSS」は、RDF Site SummaryもしくはReally Simple Syndicationの略。RSSを利用することにより、ウェブサイトを開かなくても更新情報を得ることができる。
■最新情報を自分専用の雑誌のように一覧
ソーシャルマガジン最大の魅力は、さまざまなサイトに散らばるコンテンツをひとまとめに表示できる点。目を通しておきたい最新記事を、あたかも自分専用の雑誌のように一覧できるのだ[注2]。これまでは、自分でウェブサイトを巡回して、気になる最新記事がないかチェックしなければならなかったが、フリップボードを使えば自動的に最新記事を集められる。
......
フリップボードのほかにも、2011年12月に提供が始まった「Google Currents(グーグルカレント。iOS向け・Android向けアプリが提供中)」や、「Pulse(パルス。同)」[注3]「NewsMix(ニューズミックス。iOS向けアプリが提供中)」など、類似のサービスも続々と登場し、大きなブームになりつつある(図2)。図2 「Google Currents(グーグルカレント)」は、グーグルのSNS「Google+(グーグルプラス)」と連動する。「Pulse(パルス)」は、米スタンフォード大学の卒業生が開発したサービスだ
出版社や新聞社、テレビ局といった大手のメディア側も注目しているソーシャルマガジン。ウェブ上で日々大量に提供される情報の"入り口"として、これから欠かせないネットサービスになる可能性が高い。
[注2] iPadの場合。iPhoneでは1画面に1記事が表示される。
[注3] 米パルスが提供するスマートフォン向けアプリの名称は「Pulse News(パルスニューズ)」。(米国在住ライター 瀧口範子)
[日経PC21 2012年3月号の記事を基に再構成]( 最新情報ひとまとめ、SNSの次は「ソーシャル雑誌」/日本経済新聞|業界動向/2012.02.18 )( ※引用者注 ―― 文意を損なわない限りで割愛箇所を施しています。)
<さまざまなサイトに散らばるコンテンツをひとまとめに表示>し、<最新情報を自分専用の雑誌のように一覧>できる点が、<ソーシャルマガジン最大の魅力>とされるが、これは "キュレーション" そのものだとも言える...... (2012.02.20)
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