想定被害の大きさを視野に入れておかなければならないはずの "首都直下地震" である。
◆参照 <首都直下地震の対策を検討している文部科学省の研究チームは7日、東京湾北部でマグニチュード(M)7級の地震が発生すれば、東京湾岸の広範囲で、従来想定の震度6強より大きい震度7の揺れが予想されるとの研究成果を公表した。>(大震災は教訓化されているか?"首都直下地震"の想定震度が"震度7"へと見直し!( 当誌 2012.03.13 ))
そこで注目したのが、下記引用サイト記事二点だ。
【 引用記事 1 】<首都直下地震:想定震度7で木造建物の全壊倍増/毎日jp/2012.03.23>
【 引用記事 2 】<災害に強いと導入相次ぐ PHS、「非常時に繋がる」のはなぜか?/japan.internet.com/2012.03.22>
"首都直下地震" の想定規模が "震度7の揺れ" だとすれば、<全壊する木造建物が約39万棟>にも及びそうだとの見直しが掛けられたわけである。
その結果、<倒壊した建物の下敷きになる人>の数も膨大なものになるだろうが、さらに恐いのは、<火災被害>が伴うであろう点に違いない......。
<研究チームは耐震化促進を訴えている>とあるが、今一つ "歯がゆい" 思いが禁じ得ない......。
幸いにも "命拾い" したとしても、この規模の大震災であったなら、その後の混乱は想像を絶するであろう。そして誰もが急ぐのが、"近親者同志の安否確認" のはずだ。
ところが、心配を拭えないのが "携帯電話の通信網" の "安否(?)" でもある。東日本大震災の折に実際に経験しているだけに、不安材料は大きい。スマホがさらに増加し、通常時でさえ "通信障害" に見舞われていることを思えばなおのことだ。
そこで、注目度が高まっているのが、<通信インフラがダメージを受けた状態での連絡手段>として、「非常時に繋がる」と見なされている "PHS" だ。
次のような "マイクロセルという方式の基地局配置" が、眼目なのだそうだ。
<「PHS は、マイクロセルという方式で基地局を設置しています。一般的な携帯電話では、1つの基地局で数百メートルから数キロメートルの範囲をカバーしますが、PHS では数十から数百メートル程度ごとにきめ細かく基地局を設置しています。これにより、通信が集中した場合でも効率的に分散してアクセスを処理することができます」>
【 引用記事 1 】
首都直下地震:想定震度7で木造建物の全壊倍増/毎日jp/2012.03.23
首都直下地震の想定震度が6強から7に引き上げられると、地震の揺れで全壊する木造建物が倍増することが22日、文部科学省研究チームの試算で分かった。倒壊した建物の下敷きになる人や火災被害が急増する恐れがあり、研究チームは耐震化促進を訴えている。
震度が1段階上がると揺れの強さは最大で約3倍になる。研究チームの山崎文雄千葉大教授(都市システム安全工学)は、阪神大震災(1995年)などの調査を基に揺れの強さと建物の被害程度の関係を表した「被害予測式」を用いて試算。その結果、東京湾北部を震源とするマグニチュード(M)7.3の首都直下地震の想定震度が6強から7に上がると、全壊する木造建物が約16万棟から約39万棟に急増した。
国の中央防災会議は震度6強で建物倒壊による死者数が3000~4000人に達すると想定しており、震度7ではさらに増える可能性がある。
研究チームは07年度から首都直下の地下構造を調査。東京湾北部地震の震源のプレート(岩板)境界が従来の想定より浅いことを突き止め、今月7日、東京都区部湾岸や川崎市などで震度7に達すると発表した。【比嘉洋】
( 首都直下地震:想定震度7で木造建物の全壊倍増/毎日jp/2012.03.23 )
【 引用記事 2 】
災害に強いと導入相次ぐ PHS、「非常時に繋がる」のはなぜか?
東日本大震災はわれわれに、非常時に際しての数多くの教訓を残した。なかでも、通信インフラがダメージを受けた状態での連絡手段の確保については、誰しもが真っ先に困ったことだろう。
電話が殺到してシステムがダウンしてしまわないよう、地震発生直後から携帯電話各社は最大87%の発信規制を実施した。行政による救援などの活動に使用する回線の確保を優先するためだ。唯一、混乱のなかで通信規制をかけなかったのが、ウィルコムの PHS。その理由について、ウィルコム・サービス企画部では、次の2つを挙げる。
「 ...... 弊社にはそういったトラフィックの急増に対応してきたネットワークキャパシティがあります」(ウィルコム)。
今年に入ってから、携帯電話が連続して通信障害を起こした ...... しかし、ウィルコムの PHS 通信網には、非常時において過度に集中する通話を捌くだけのキャパがあった。
もう一つ、携帯電話とは基地局の配置の仕方が異なることが、ウィルコムの PHS が"繋がった"背景にある。
「PHS は、マイクロセルという方式で基地局を設置しています。一般的な携帯電話では、1つの基地局で数百メートルから数キロメートルの範囲をカバーしますが、PHS では数十から数百メートル程度ごとにきめ細かく基地局を設置しています。これにより、通信が集中した場合でも効率的に分散してアクセスを処理することができます」(ウィルコム)。発信規制がなされていないことも含め、基地局がきめ細やかに設置されている PHS は局所的なアクセス集中に強く、したがって PHS は災害時には心強い通信手段のひとつと言えそうだ。
実際、災害時への備えとして、ウィルコムの PHS を導入する自治体や公共機関が急増している。さいたま市では、市の災害対策本部と各区役所、および被災者や帰宅困難者に向けた市内の避難所256カ所にウィルコムの PHS を常設することを決めた。また、東京都三鷹市では、教育委員会が全ての小・中学校に、非常時の通信手段として固定電話に加えて PHS を配備することにしている。 ......
ウィルコムでは、これまでにも「小型、省電力、電池作動可能」をコンセプトに、さまざまな PHS 端末をプロトタイプとして試作してきた。この4月にも、緊急時の使用を想定した法人向け PHS「防災だフォン(TWX01NX-DE)」をあらたに発売する。通常の移動端末と同様の形状だが、単4乾電池3本で350時間駆動するのが特長だ。 ......
東日本大震災で被災した宮城県の村井嘉浩知事は、著書「復興に命をかける」のなかで、「(災害時優先電話に指定されていた)私の携帯電話ですら3日間全く通じなかった」「県職員の中によく通じる携帯電話を持っているものがいました。調べてみると、彼の携帯電話は PHS でした」と綴っている。
東日本大震災の別の教訓は、災害は「いつか」だが「必ず起きる」ということだ。非常時や帰宅困難に備えて、家庭内で PHS を持ち合ったり、連絡手段が確保されている避難場所を把握しておいたりするのも、家庭でできる防災対策のひとつと言えよう。(井上トシユキ)
PHS は「マイクロセル方式」で、きめ細かく基地局を設置している
( 災害に強いと導入相次ぐ PHS、「非常時に繋がる」のはなぜか?/japan.internet.com/2012.03.22 )( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛箇所を施しています。)
漠然とせざるを得ないが、先ずは "命拾い!" をするための出来る限りの "防災準備" ということになる。そして、"共に生き延びる!" ことに欠かせない"「非常時に繋がる」通信手段!" をホンキで考えておくことか。"非常時での最良のコンテンツ" とは "近親者の安否確認情報" 以外にはなさそうだ...... (2012.03.24)
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