東日本大震災という未曾有の "国民的な悲劇" は、このような<記録と記憶を共有する映画>として制作されることこそがふさわしい! そんなふうに素直に共感できた。( 下記引用サイト記事:"3.11の日常"を紡いで映画に、「Japan in a Day」プロジェクト発足。/Narinari.com/2012/02/28 )
どのような "哀しみ" や "人の強さ" を秘めた貴重な動画が寄せられるのか。楽しみだと言うのはやや心引けるところがあるが、本当の苦悩に囚われた人たちだけが伝えることのできる "人の心" のあり様を "共有" させて頂ければと......。
"大震災" の壮絶な悲惨さに比べれば "まだまし" だとは言え、この社会、この世界には苦痛や苦悩で喘ぐ人々が限りなくいるはず。そうした人々に、毅然とした姿勢となれる勇気を与えてくれる、そんな仕上がりとなることを切に望みたい。
リドリー・スコット監督の映画では「グラディエータ―」が記憶に残っている。単なるスペクタクル映画ではなく、ラッセル・クロウ演じる剣闘士に "死別"(殺された妻子)の苦悩というサブトーンを見事に与えていたのが妙に印象的であった......。
"3.11の日常"を紡いで映画に、「Japan in a Day」プロジェクト発足。
東日本大震災から一年を経た"2012年3月11日"の日常の一コマを映像で記録し、人類共通の財産として共有する――。フジテレビは2月28日、世界的な映画監督のリドリー・スコット(「エイリアン」「ブレードランナー」「グラディエータ―」など)、トニー・スコット(「トップガン」など)兄弟と共に、「Japan in a Day ジャパン イン ア デイ」プロジェクトを立ち上げた。一般から投稿された動画と、フジテレビの取材映像などを紡ぎ上げることで一本の映画を完成させるプロジェクトで、映画は日本を皮切りに世界でも劇場公開(予定)、国際映画祭への出品も視野に入れている。また、映画の収益の一部は被災地に寄付する予定だ。
「Japan in a Day」は自分のカメラで自分の"3.11の日常"や"軌跡の一歩"を動画で撮影・投稿してもらい、その中の独創的な映像などをフジテレビと英制作プロダクションの「スコットフリー」が集約・編集。映画を作り上げるという"みんなでつくる映画、ソーシャルムービー"プロジェクトだ。
リドリー&トニー・スコット兄弟は、世界の"2010年7月24日"を95分に凝縮し、昨年劇場公開された映画「LIFE IN A DAY 地球上のある一日の物語」で製作総指揮を務めた。この作品は世界中のユーザーたちが過ごしたそれぞれの"一日"を撮影し、YouTubeに動画を投稿。その中から魅力的な映像を編集して1本のドキュメンタリーに仕上げたもので、世界192か国からのべ80,000本、時間にすると4,500時間を超える動画が寄せられるなど、大きな反響を呼んだ。今回の「Japan in a Day」は、いわば「LIFE IN A DAY」の日本版となる。
そんな「Japan in a Day」について、リドリー・スコット監督は
「2010年に築いた『Life in a Day』フォーマットは、"映画製作に参加する機会を世界中の人々に与える"という、新しい『実験』でした。...... 『Japan in a Day』からも同様に、しかしもっと密に、今日をいきる"日本人"の日常や希望、恐怖や夢を垣間見ることができると思います。その結果が今から楽しみです。そして、フジテレビがスクリーンを通して送る日本国へのラブレター、その成功を願っています」
とコメント。また、フジテレビ編成制作局編成センター メディアプロデュース部の早川敬之チーフプロデューサーは
「あれから1年がたっても、...... いまなお34万をこす方々が避難を余儀なくされている事実に、私たちは今更ながら慄然としています。私自身、被災した宮城県の出身であるため、地震と津波の被害によって数多くの友人が命を落としました。"自分に何ができるのか"この一年、そう想い、悩み続けた皆様とこそ、このプロジェクトを一緒に進めたいと願っています。...... 記録と記憶を共有する映画『Japan in a day』にたくさんの投稿をお待ちしています」
と、企画の趣旨を説明している。動画は3月11日(日)0時00分から23時59分までに撮影された映像(※当日以外に撮影された映像は不可)が対象で、YouTubeの「Japan in a Day」特設サイト(http://www.youtube.com/JapanInADay)において3月11日~25日の期間に募集。撮影場所は3月11日であれば、世界中のどこでも参加可能となっている。
( "3.11の日常"を紡いで映画に、「Japan in a Day」プロジェクト発足。/Narinari.com/2012/02/28 )( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛箇所を施しています。)
かつて、"映画館" は観客同志の "興奮、熱さ" を存分に "共感" させる、そんな空間であった。映画とは、まさに "共感" を軸にしたメディアなのであろう。きっと、ソーシャルムービー制作とは当を得ているに違いない...... (2012.03.01)
コメントする